登校しぶり

小1・小2の行き渋り対応法!深層心理から不登校を解決

小1・小2の行き渋り対応法!深層心理から不登校を解決
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キャリア15年で1000人以上の子どもたちを復学に導いた復学支援専門家。 復学率は現在もなお100%。 心理師として唯一の国家資格である公認心理師で、出版した著書はいずれも初版完売。 現在、エンカレッジの他にも家庭教育推進協会の代表理事と教育支援センターのコーディネーターも兼任。

小学校1年生は、幼稚園・保育園から環境がガラリと変わって不安や緊張を感じやすい時期ですよね。小1プロブレムとも言われます。

この小1・小2という時期は、小学校高学年や中学生とはまた違った不登校の傾向や、親の対応上の注意ポイントがあります。

今回は、小1・小2の不登校対策に焦点を絞って、まとめていきますね。

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小1・小2の行き渋りの原因と対策法

行き渋りする小学2年生

小1・小2の子どもが不登校になったとき、子ども自身が訴える不登校原因は以下のものが多いです。

子どもが言う不登校の原因
  • お母さんと一緒がいい
  • 学校が怖い
  • 給食が嫌
  • 先生が怖い
  • 友だちがいない
  • 勉強・授業についていけない
  • 学校生活・集団行動が合わない
  • 毎朝起きるのが辛い など

確かにこういったことがきっかけで学校に行きたくなくなることはあると思います。しかしこれだけが原因ではありません

例えば「マラソンが嫌いだから」ということで体育を毎回休んで再登校できたとしても、そのうち「算数が嫌いだから」「担任の先生が苦手だから」と再度不登校になってしまうこともあります。つまり、これらの原因は不登校の根本原因ではないのです。

大事なことは、不登校の根本原因に目を向けることです。不登校の根本原因として多いものを、以下で挙げていきますね。

母子分離不安・母子依存

母子分離不安

小1・小2くらいの年齢で最も多い不登校原因の1つが、母子分離不安母子依存です。

幼児時代に親から大事に育てられすぎて、自分で考えて行動する経験が不足しているために、親と離れること自体に不安を感じてしまっているのです。しかし子ども本人も親がいないと不安ということが無意識で気づいておらず、「なんかよくわかんないけど学校が怖い」「理由はわからないけど学校に行きたくない」と訴える子もいます。

母子分離不安が原因の不登校の例
  • 不登校原因を「友だちと合わないから」と本人は言っているものの、実はいつもケンカの仲裁に入ってくれたお母さんがいないから、友だちとの仲直りのしかたがわからず気まずい思いをしてしまうのがイヤ→根本原因は「親がいない不安感」
  • 不登校原因を「勉強できないのが辛いから」と本人は言っているものの、実はいつも勉強を手取り足取り教えてくれる親がいないことで、学校で一人で問題を解くのが怖い(先生にあてられるのが怖い)状態→根本原因は「親がいない不安感」

母子分離不安や母子依存が原因の不登校は、親御さんの日々の接し方を変えることでかなり改善することができます。日々の声掛け等で、少しずつ自立を促していくのです。

詳しくはこちらの記事もご覧くださいね。

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完璧主義思考

小学校の不登校

ここ数年、完璧主義思考で不登校になる子が多い気がしています。

例えば「先生にあてられたら絶対に回答を間違ってはいけない」「かけっこで負けてはいけない」…など、失敗を極端に恐れたり、完璧でない自分を受け入れられないというケースです。

このような完璧主義思考は、お子さんの元々の性格もあるかもしれませんが、家庭内環境によって作られることも多いです。「テストでは絶対100点」といったプレッシャーをかけられたり、努力等のプロセスよりも結果ばかり褒められたりすると結果ばかりに注目してしまう完璧主義思考になりやすいです。

また小さなころから褒められおだてられて育ち、叱られたり間違いを指摘される経験が少ないと、常に自分が1番でなければ気が済まず、お友だちに負けることが耐えられないという心理状態になってしまうケースもあります。

完璧主義思考が原因の不登校の例
  • 不登校原因を「友だちと合わないから」と本人は言っているものの、実は勉強や運動で負けたと感じることが怖い→根本原因は「負けを認めたくない完璧主義思考」
  • 不登校原因を「勉強が辛いから」と本人は言っているものの、実は勉強自体は嫌いではなく、授業中に先生にあてられるプレッシャーに耐えられない→根本原因は「間違ってはいけないという完璧主義思考」

こういった心理状態の子には、認知行動療法のカウンセリングが有効です。カウンセリングを繰り返すことで、少しずつ「失敗したっていいんだ」「負けたけど僕なりに頑張ったし」といった思考に変容させていき、自己肯定感を高めます。

そうすることで、たとえ失敗したりお友だちに負けたとしても堂々として「次また頑張ろう」と気持ちを切り替えたり、「ま、いっか」といい意味で受け流すことができるようになります。

このようなメンタルを作ることができると、再度不登校にもなりにくいですし、なによりお子さん自身がストレスを溜めにくい考え方になり気持ちをラクにして生活できるようになります。

繊細な性格・気質

HSCの不登校の子

生まれながらに持つ繊細な性格や気質(HSC)で不登校になる子も多いです。

HSC気質を持つ子は全人口の15%~20%とも言われており、私も10年以上不登校の子どもたちへカウンセリングする中で、このHSC気質がある子は不登校になりやすいと実感ています。

このHSCの子は、普段から周囲をよく観察しており、細かいことや変化にも気が付ける能力がある一方で、小さなことにも気が付くあまりに人間関係や人の顔色が気になったり、周囲に気を遣い過ぎてを気疲れしてしまうことが多いのです。

このような生まれながらの気質・性格によって不登校になった場合は、やはり1人1人に合った対処法を考えていく必要があります。

詳しくはこちらの記事を参考にしてください。

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体調不良

血圧を測る起立性調節障害の子

不登校になるきっかけが体調不良というのも、とても多いです。

「おなかが痛い」「ふらふらする」といった訴えから始まり、色々な病院にかかっても原因がはっきりせず、最終的に起立性調節障害(OD)と診断されるケースが近年増えていますが、実は不登校の中で起立性調節障害を合併しているケースは3~4割とも言われ、不登校を解決する際にも起立性調節障害への対応方法は非常に重要です。

具合が悪いのは朝だけのことも多いため、親御さんからすると夕方の元気な姿を見て「ただの甘えなのでは?」と思ってしまいがちなのですが、起立調節性障害の原因は血圧や脈拍の日内変化や脳内血流低下等なので、決してお子さんが仮病を使っているわけではないのです。

とはいえ、不登校で生活リズムが狂うことで起立性調節障害を発症してしまうケースもあるので、起立性調節障害かどうかは自己判断せず専門家の判断を仰ぐのがおすすめです。

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精神的な不安定

小学1年生で行き渋りする女の子

上記のようにはっきりと症名がつかなくても、一時的な精神的不安定などで不登校になることももちろんあります。

一時的に子どもが不安定になる例
  • 兄弟・姉妹が生まれた
  • 親の転勤で引越・転校した
  • 仲良しのお友だちが転校した
  • 親が転職したり離婚したりして環境が変わった など

母子分離不安や母子依存、起立性調節障害やHSCなどもない場合は、単に一時的な環境の変化に戸惑っているだけで、時間が解決してくれることもあるため、様子を見ることも1つの方法です。

ただし不登校には段階があり、様子を見るにしても現在はどの段階なのかを見極めることが重要です。悪化・長期化するようであれば様子を見るだけでは不十分なので、それまでの対応方法を見直してください。

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「小1・小2の行き渋り対応法!深層心理から不登校を解決」まとめ

行き渋りする小1・小2

小1・小2はまだまだ親に甘えたい年齢でもあるため、子どもが安心できるように優しくサポートしてあげることもとても大切です。ですが、この「優しくサポート」と「自立を促す」というのが、バランス感覚が難しいですよね。

この「厳しく」と「優しく」は使い分けが難しいのですが、もし迷った際は育児書やネット情報の「~すべき」よりも、まずは親御さんがお子さん自身をしっかり観察してあげてください。

数年に渡って大事に育ててきたお子さんなので、「なんかいつもと違う気がする」という親御さんの直感も正しいことも多いです。

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監修者:上野 剛
キャリア15年で1000人以上の子どもたちを復学に導いた復学支援専門家。 復学率は現在もなお100%。 心理師として唯一の国家資格である公認心理師で、出版した著書はいずれも初版完売。 現在、エンカレッジの他にも家庭教育推進協会の代表理事と教育支援センターのコーディネーターも兼任。