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不登校から早く学校復帰してほしい!|復学に必要な親の対応とは?

学校復帰

 

不登校になると「早く学校に戻れるようにしないと」と親は焦ります。しかし、スクールカウンセラーは、子どもの気持ちに寄り添いながらゆっくりと回復を待ちます。早く学校に戻ってほしいけど、焦るのは良くない。いつまで待てばいいのでしょうか。待つだけでいいのでしょうか。その時に親にできることは何があるのか。その辺りを詳しく解説していきます。

ハルさん
ハルさん

不登校になった時、スクールカウンセラーからは「今は休息が必要です。休むのを認めてあげましょう。」と言われました。確かにその通りだと思って休ませて1ヶ月が経ち2ヶ月が経ちました。私の焦りに対してカウンセラーは「2年3年のスパンで見ていく必要がありますよ。1年で学校復帰できたら早い方ですと。」私はそんなに待てませんでした。2ヵ月の間に子どもはどんどん幼くなり、私に甘えてきます。よくなるどころか悪くなっていくと思い、私は家庭教育を学び早く復学してほしいと思いました。もっと早く復学支援に出会いたかったです。

上野
上野
確かに、エンカレッジにくるクライエントさんの多くはハルさんと同じようにおっしゃいます。カウンセラーは基本的に、カウンセリング理論をもとにカウンセリングを行います。カウンセリング理論では、問題はクライエント本人が抱えているということが前提なので、自らが気づき動き出すことが大切になってきます。どれだけ時間がかかっても自分の中で解決しないと外からのアプローチでは真の解決には至らないという考え方なのです。
ハルさん
ハルさん
そうなのかもしれませんが、2年や3年経ってから頑張ろうと思えたとしても勉強もわからなくなってしまうし、どんどん幼くなっていく子どもと、どんどん成長していく他のお子さんの差に親は焦ります。本人も学校復帰した時にその差を感じて余計に辛くなるのではないでしょうか?それに中学生は3年経ったら終わってしまいますよ?
上野
上野
ハルさんの憤りもよくわかります。私も同感です。うつ病など大人の精神的な不安に対してはカウンセリング理論はとても有効ですが、子どもにはまだ自分の中で答えを見つけ出すのは難しいと考えています。子どもが学校復帰するためには待っているだけではなく積極的なアプローチが必要です。ハルさんが言っていた勉強の遅れや外部との関り不足によるソーシャルスキルの遅れなどの2次的リスクも考えると早いほうがいいのです。しかし、それなら休んですぐに登校刺激などを積極的にしたほうがいいのか?と言えばそれはNoです。不登校は、休み始めの不安定期があり、膠着期があり、それを越えると悪い意味での安定期に入って長期化してしまいます。まずはお子さんが不登校のどの時期にいるのか見極めましょう!

不登校から学校復帰へ 【状態を見極める】

不登校 学校復帰 見極める

不登校不安定期

学校を休み始めてすぐの時は、お子さんもとても不安定になります。不登校は様々な要素が重なって起こり、本人のキャパシティを越えた状態と言えます。パンパンに膨らんだ風船のようなものです。そこに圧をかけたら破裂してしまいます。ですから、ここはスクールカウンセラーのおっしゃる通り、「今はゆっくり休んで認めてあげましょう」「甘えさせてあげましょう」と受け入れることが大切です。特にいじめやネット上のトラブルなどは、表面化しにくいですが実は本人にはとても大きな負荷がかかっています。まずは、パンパンに膨らんだ風船の空気を少し抜いてあげましょう。負荷がかかってさらに罪悪感もある状態の時に登校刺激をしてさらに負荷をかけると、リストカットなど知らないところで自分を傷つけたり「死ね、ババア」「うるさいんだよ!」など今まで言わなかった暴言や物を投げたり壊したりといった暴力行為につながったりします。「今まであんなにいい子だったのに、同じ子どもとは思えないです」とおっしゃる方も多いです。それは親の焦りが子どもを追い込んでしまうからなのです。そのようにして自分を守らないといけないほど追い込まれていることをまず理解してあげましょう。このような休み始めの不安定な時期を不登校不安定期と呼びます。

不登校膠着期

不登校不安定期にしっかり受け入れてあげると、早い子で1週間遅い子でも1ヶ月ほどで状態は安定していきます。無理に行かせられるといった不安がなくなり、精神的に安定してくるからです。学校のことを言わなければ普通の生活もできるようになってきます。自分の立場も理解するようになり、「何かお手伝いしようか」と言ってきたり、「洗濯を畳んでおいたから」と罪悪感もあるので気を使ったりするようになります。このように登校の刺激をしないことで安定してくる時期を不登校膠着期と呼びます。この時期が一番動きやすく、ここでしっかりと登校まで導いてあげられるかがカギとなります。

不登校停滞期

不登校膠着期に入ってからも、スクールカウンセラーの指示通り本人の意思を尊重して待っていると、今度は勉強の遅れや外部からの孤立といった2次的リスクが発生します。不登校膠着期が1年以上続くと今度は、「自分は必要な人間じゃない」「生きていてもしょうがない」と自己肯定感が低下して自分を責めたり、「こんな風になったのはおまえのせいだ」などと親を責めたりします。状態が悪くなるとリストカットや部屋から一歩も出ない引きこもり状態になります。引きこもりの専門家は、不登校や引きこもりになってから3年以上経つとそのこと自体に触れられなくなってしまうと言います。学校復帰を目指すのであれば不登校停滞期になる前に何とか復学できるようにしましょう。

ハルさん
ハルさん
まずは、子どもがどのような状態であるか見極める必要があるのですね。不安定期には受け入れて、膠着期に入ったら積極的にアプローチすればいいのですね。実際にどのようにアプローチしたらいいのですか?
上野
上野
焦る気持ちはわかりますが、まずは不安定期の対応の仕方から考えていきましょう。受け入れて子どもが落ち着く間に親にできることがありますから。
ハルさん
ハルさん
焦って先の事ばかり考えるのはダメですね。わかりました!

不登校から学校復帰へ 【状態に合わせて対応する】

不登校 学校復帰 状態に合わせて対応

不登校不安定期の対応

不登校不安定期には、子どもをしっかり受け入れる必要があります。そのためには「共感」「傾聴」(アクティブリスニング)が大切です。子どもの辛い気持ちをしっかり受け止めてあげましょう。ポイントは、ただ聞くことに徹することです。どうしても、「それならこうしたらいいんじゃない?」「そんなことやってみないとわからないでしょ」と提案や非難をしがちです。子どもは答えを求めているのではなく聞いてほしいのです。

もう一つ大切なことは、学校を休むことを積極的には認めないことです。今、学校の先生やスクールカウンセラーは「今は辛いんだから学校に来なくていいからね」「学校がすべてではないんだよ」と言います。国の不登校対策もそのようになってきています。学校復帰を前提にした従来の不登校対策を転換し、不登校の子どもに学校以外での多様な学びの場を提供することを目的とした法律である教育機会確保法が2017年2月に施行され「休んでもよい」「学校以外の場の重要性」ということが今はキーワードとなっています。確かに辛い時期に学校のことを考える必要はありません。しかし、その状態が落ち着いたときに学校に戻りやすいようにしておいてあげる必要はあります。「休んでいい」「学校がダメなら別のところ」ではなく、一時的に不安定になったけどもう一度戻りたいと思ったときに戻りやすい環境にしてあげることが大切です。ですから、休んでいいと積極的に認めるのではなく「それだけ辛い状況なら学校に行けないのも仕方がないよ。」「落ち着くまでゆっくり考えよう」と気持ちの方を受け入れてあげましょう。

親は子どもを受け入れながら家庭内に何か不安要素はないか、家庭内で歯車が狂って子どもに負荷がかかっていないか見直しましょう。最近は、子どもに過干渉をすることで子ども自身が自立できなくなり、母子依存による自己解決能力の不足が子どものキャパシティを狭めている可能性も多いので、そういったことがないかもチェックしていきましょう。そのためには家庭教育を学び、家族療法の考え方で対応するといいでしょう。家庭教育や家族療法の考え方について詳しく知りたい方は、こちらの書籍を参考にしてください。二章に詳しく書かれています。

「今子どもの不登校で悩んでいるあなたへ」の目次

今子どもの不登校で悩んでいるあなたへ

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不登校膠着期の対応

子どもが不登校膠着期にはいり状態が落ち着いてくると「そろそろ運動会かな~、去年はリレーの選手だったけど今年は選ばれないだろうな」とか、「みんなと会いたいな~」と学校のことを意識するようになってきます。それがアプローチのタイミングです。本人が行こうかなと思うタイミングでしっかりとアプローチしてあげると比較的負担が少ない状態で学校復帰できます。不登校不安定期には、キャパシティオーバーになっているのでアプローチしても拒否反応しかでません。しかし、不登校膠着期には少し余裕ができていますし、不登校の生活自体も飽きてきますので、他人との関りを持ちたいという欲求やこのままでは孤立してしまうのではという不安など動き出そうというサインが見られます。そのときにしっかりと家族で学校のことを話し合ってください。家族で話し合い、子どもが学校に行ってみようかなと言ってきたら学校に連絡して具体的な登校準備を進めていきましょう。家族での話し合い方についてはエンカレッジでは家族会議を推奨しています。家族会議の詳しいやり方については、こちらも書籍を参考にしてください。

「今子どもの不登校で悩んでいるあなたへ」の目次

今子どもの不登校で悩んでいるあなたへ 3章

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不登校停滞期の対応

不登校膠着期が長くなりすぎると漠然とした将来の不安や理想としていた未来の自分と今の自分とのギャップに苦しむようになります。不登校膠着期では小学生が「中学になったらサッカー部に入りたい」と言ったり、中学生が「高校では英語を勉強して韓国に留学して韓流スターと話したい」などと言って現実を通り越してかなり先の未来の話をしたりします。不登校停滞期になると、それを通り越して「どうせ生きててもしょうがない」「このまま引きこもってニートになって死ぬからいい」などと自分を責めるようになります。リストカットをしたり、ネットで簡単に死ねる方法などを調べたり、どうやって死のうか考えるといった自殺企図をするようにもなります。ここまでくると親として家庭教育や家族療法の考え方を身に付けている余裕はありません。家族だけで問題を抱えず専門家に相談してください。家庭教育推進協会には、無料で相談できる窓口があります。不登校や引きこもりの問題は他人に相談しにくいという側面が確かにあります。しかし、家族だけで抱えて状況が悪化するのであれば無理をせず相談しましょう。必ず1人で考えるより多くの選択肢が見つかるはずです。

上野
上野
今回は、学校復帰を目指す親御さんへ対応の仕方を解説しました。そもそも学校復帰が正しい選択肢なのかという議論はありますが、小学校、中学校はせめて学校に行ってほしいと思う親御さんは多いと思います。
ハルさん
ハルさん
私は、義務教育期間中は学校に行ってほしいと思っています。フリースクールなどの選択肢がたくさんあることは子ども達にとっていいことだと思います。でも学校に行けるなら学校に行ってほしい。
上野
上野
そうですね、私がコーチングで子ども達と話してもほとんどの子が元の学校に戻りたいと言います。戻れる可能性があるなら戻してあげたいですね。それが子どもの願いであり親の願いでもありますから。それでは、ハルさんまとめてください。
ハルさん
ハルさん
わかりました。

まとめ

  • 不登校には3つの時期があり、不登校不安定期なのか、不当膠着期なのか、不登校停滞期なのかを見極めることが大切。
  • 不登校不安定期は、受け入れることが大切。ただ聞くということを意識して余計な提案や非難はしない。学校を休んでいることを積極的に認めるのではなく、辛い気持ちを積極的に認めるようにする。
  • 不登校膠着期は、子どもの動き出しのサインを見逃さず積極的にアプローチをすることが大切。家族での話し合いで学校に行ってみるという意志が確認できたら具体的に学校と連携を取って準備を進める。効果的な家族での話し合いの方法が知りたい場合は、先生の本を参考にしてみる。
  • 不登校停滞期は、子どもの自己肯定感が下がりすぎて親に暴力を振るったり自分を傷つけたりする前に専門家に相談する。家庭教育推進協会には無料の窓口がある。家族だけで解決したいと1人で悩み抱えすぎないことも大切。

 

上野
上野
ありがとうございました。学校復帰には適切な時期に適切なアプローチをすることが大切です。そして、お子さんの性格によっても細かいアプローチ方法を変えていく必要があります。性格によるアプローチに関しても本には詳しく書いてありますので、そちらも気になる方はぜひご一読ください。
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上野 剛
上野 剛
不登校の最新の復学支援システムを構築した不登校支援の専門家。新書「今、子どもの不登校で悩んでいるあなたへ」2019年4月 出版