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1,500人以上を復学へ導いた復学支援専門家。国家資格『公認心理師』や『小学校教諭1種』『幼稚園教諭1種』を保持。家庭教育推進協会代表理事、教育支援センターアドバイザーを兼任し、公的機関とも深く連携。出版した著書はすべて初版完売。本記事は家族療法(システムズアプローチ)に基づき解説しています。

「どうしてうちの子だけが学校に行けないの?」とご自分を責めていませんか?

仕事を抱えながら、子どもの将来を思って眠れぬ夜を過ごしているお母さん、本当にお疲れ様です。

私は公認心理師として、1500人以上の不登校の子どもたちと向き合ってきました。多くのケースで共通していたのは、「自己肯定感の低下」が不登校の背景にあるということです。

自己肯定感とは「自分は大切な存在だ」と感じられる気持ちのこと。学校生活の中で失敗体験や否定的な評価が重なると、「自分なんてどうせ無理」と思い込んでしまい、登校に対する不安や恐れが強くなっていきます。

私自身も不登校の子どもを持つ保護者の方と面談していた中で、「家では元気なのに、学校に行こうとすると泣いてしまうんです」と涙ぐまれるお母さんがいました。

子どもの問題行動の裏には、自己肯定感の傷つきが隠れていることが多いのです。

今回は、そんな自己肯定感を家庭で少しずつ育てるために、実践できる3つの方法をご紹介します。

私たち不登校支援グループエンカレッジでは、今まで1000人以上の子どもたちの復学をサポートし、設立22年の現在も復学率は100%を維持しています。不登校に悩む方向けに無料のLINEメルマガの発信もしておりますのでご活用ください。

不登校と自己肯定感の関係:なぜ自己肯定感がカギになるのか

自己肯定感が低い子どもは、「自分なんていても意味がない」「頑張ってもどうせ無理」といった思考に陥りやすくなります。

これは心理学でいう学習性無力感(learned helplessness)とも関連があります。

「学習性無力感」とは、アメリカの心理学者マーティン・セリグマンによる実験で提唱された概念です。実験では、逃げられないストレス状況を繰り返し経験した犬が、逃げられる状況になっても行動を起こさなくなる様子が観察されました。

不登校の子どもも、学校での失敗や人間関係でのつまずきから「どうせうまくいかない」と学び、挑戦する気持ちを失ってしまっている場合があります。

だからこそ、家庭で「自分は大丈夫」「できることがある」と感じられる体験が必要なのです。

ただし、失敗体験だけでなく、周囲の期待に応え続けてきた疲れから自己肯定感が低下しているケースもあります。そのようなケースを過剰適応と言います。過剰適応についてはこちらで詳しく解説しています。

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自己肯定感を高める方法

【自己肯定感を高める方法①】不登校でも感じられる「小さな成功体験」

子どもに自己肯定感を取り戻してもらうには、「できた!」という小さな成功体験を積み重ねることが効果的です。

たとえば、朝起きる、家の手伝いをする、好きなことに集中するなど、学校に行かなくても達成できることはたくさんあります。

「今日もお皿を洗ってくれて助かったよ」「その絵、すごく上手だね」など、行動や努力を具体的に認める声かけが、自信へとつながっていきます。

大切なのは、結果ではなく行動のプロセスを評価することです。失敗しても「やってみようとしたね」と言えることが、子どもの挑戦する気持ちを支えます。

五月雨登校や別室登校などのスモールステップで進めている方は、トークンエコノミー法など、視覚として努力の結果が見えるというのも自己肯定感アップにつながりますので、ぜひ活用してみてください。

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【自己肯定感を高める方法②】不登校の子どもに合った言葉かけ

声かけは、自己肯定感に直結する大切なコミュニケーションです。不登校の子どもにとって、学校から離れている今だからこそ、家庭でどんな言葉をかけられるかが重要になります。

「このまま休んでいていいと思ってる?早く学校行かないと勉強が遅れるよ」などの言葉はプレッシャーになることがあり、逆効果になることも。

代わりに、「今日は先生からもらった課題をしっかり進められたね」とか「今日は放課後先生と会えたね」と頑張った結果を認めてあげるといいでしょう。

「放課後登校もできないし勉強も何もしないから褒めることがない」という方も、「生活リズムが整ってきたね」「夜10時にしっかりルールを守ってスマホをやめられたね」でもいいですし、「ダイエットでポテチ我慢したね」とか「今日はトランポリン10分やってたね」といった学校以外のことでも認めてあげられることはあります。

また、「あなたが生まれてきてくれただけで幸せだよ」など存在そのものを認める言葉が子どもの心に響きます。

私はあるお母さんから「そんなふうに言ったら甘やかしになるのでは?」と聞かれたことがあります。

でも、甘やかすのではなく安心させることが第一歩なのです。

不登校中は褒めることが見つかりにくいとは思いますが、学校に行っていたときは先生からも「学校では何も問題ないです」と言われ、褒められることの方が多かったという子は、実は「いい子」でいようと頑張り続けてきた背景や、見えない我慢を抱えている場合があります。

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【自己肯定感を高める方法③】不登校の子のための「安心できる家庭環境」

不登校の子どもにとって、家庭は「安全基地」となる場所です。この安全基地とは、心理学者ジョン・ボウルビィが提唱した愛着理論(Attachment Theory)の中核概念で、安心して探索できるための基盤を意味します。

家庭が安心できる場であることで、子どもは外の世界に少しずつ関心を持つようになります。

逆に、家の中が不安定だったり、叱責が多いと、子どもはますます内にこもってしまう傾向があります。

「今日の夕飯、一緒に作ってみようか」「○○のゲーム、一緒にやってみたいな」といった、何気ないやりとりが、子どもの心に「ここにいていい」という感覚を育てていきます。

不登校時に自己肯定感を回復するには、家庭内対応と親の関わりが重要

多くの不登校支援の現場では、「家庭の関わりが回復の8割を決める」と言われています。

学校に復帰させる前に、家庭で心の土台を整えることがとても重要なのです。

「忙しくて、じっくり向き合えないんです…」と涙ながらに話してくださったお母さんもいました。その苦労、本当によくわかります。仕事と育児の両立の中で、ベストを尽くしていることに、まずご自身が気づいてほしいと思います。

そして、子どもの自己肯定感が育ち、家庭の中で安定した関係が築かれたとき、自然と「また学校に行ってみようかな」と思える瞬間がやってきます。

実際、私が支援してきた子どもたちの中にも、家庭での安心感が持てるようになったことをきっかけに、自ら登校を再開したケースが数多くありました。

「不登校の子どもに効く!自己肯定感を高める3つの方法」まとめ

不登校は、親子にとって本当につらい経験です。でも、決して「親のせい」ではありません。今、この記事を読んでいるあなたは、すでに十分がんばっているお母さんです。

ご紹介した3つの方法、

  • 小さな成功体験を積ませる
  • 肯定的な声かけをする
  • 安心できる家庭環境を整える

これらを意識することで、少しずつ子どもの心が回復し、未来への一歩を踏み出す力が育まれます。

しかし、一歩を踏み出す力が育まれたとしてもそこから再登校までの結果がついてこなければ結局、「元気になってきたけど学校に行けない」と育んだ自己肯定感がまた失われる可能性もあります。

そこまで来たら「そこから学校に行けるようになった」という結果という成功体験に変えてあげましょう。

「一度長くお休みしてしまったけど、そこから学校復帰できた」という体験は、子どもたちにとっては大きな自信になります。

「実際にあの時戻れたのが子どもの大きな自信になっています」とおっしゃってくれる親御さんは多いです。それこそ一番の自己肯定感になりますので、ぜひ家庭である程度できたら結果にもこだわってあげて欲しいです。

「不登校を乗り越えた経験が子どもの大きな力になっています」といえる日がきっとあなたの家庭にも訪れます。

その日に向けて私たちと一緒に頑張っていきましょう!

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監修者:上野 剛
1,500人以上を復学へ導いた復学支援専門家。国家資格『公認心理師』や『小学校教諭1種』『幼稚園教諭1種』を保持。家庭教育推進協会代表理事、教育支援センターアドバイザーを兼任し、公的機関とも深く連携。出版した著書はすべて初版完売。本記事は家族療法(システムズアプローチ)に基づき解説しています。