登校しぶり

登校しぶりはいつまで様子を見る?回復までの期間や特徴まとめ

登校しぶりはいつまで様子を見る?回復までの期間や特徴まとめ
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キャリア15年で1000人以上の子どもたちを復学に導いた復学支援専門家。 復学率は現在もなお100%。 心理師として唯一の国家資格である公認心理師で、出版した著書はいずれも初版完売。 現在、エンカレッジの他にも家庭教育推進協会の代表理事と教育支援センターのコーディネーターも兼任。

毎年ゴールデンウィーク明けくらいから、登校しぶりで悩む親御さんからのご相談が多くなります。

登校しぶりは、学校に通えているので先生などからも軽く見られてしまうこともありますが、家の中で親御さんはかなり苦労されることと思います。朝から雰囲気づくりを気をつけたり、職場に遅刻連絡を入れたり…

しかし、不登校にならないために登校しぶりの段階から対策をすることは非常に重要なのです。

なぜなら、一度不登校を経験した子は「学校を休む」という選択肢が脳内に出来てしまうので、今後の学生生活を送る際に「今日は学校行く?行かない?」という選択を毎日行わなければならず、これは非常にストレスですし再不登校になりやすくなるからです。

そこで今回は、登校しぶりの段階で気を付けるべきことや、いつまで見守るべきか等、私の意見をまとめたいと思います。

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登校しぶりはいつまで続く?回復までの期間は?

登校しぶりはいつまで続く

「登校しぶりはいつまで続きますか?」「見守っていれば(時間が経てば)そのうち普通に登校できるようになりますよね?」というご質問を良く頂きます。

確かに、一時的に登校しぶりしたけれど、そのうち自然と行けるようになったというケースも良くあります。大人でも仕事に行きたくない日はあるので、子どもだって行きたくない日はあって当然です。

しかしながら、今までの経験上、登校しぶり期間が短い子は以下のような特徴がある気がしています。

登校しぶり期間が短い子の特徴例
  • 基本的には学校は好き
  • 勉強は嫌いでも、学校の休み時間や給食は好き
  • 他人にどう見られるかをあまり気にしていない
  • 良い意味で学校に期待していない (例)「勉強はつまんないけど、そんなもの」
  • 親のスタンスが「学校は行って当たり前」

これに当てはまらないと必ずしも登校しぶりが長引くということではないですが、あくまで参考としてご覧ください。

登校しぶりは繰り返す?

登校しぶりする新1年生

「登校しぶりがなおったのですが、そのうち繰り返しますか?」という質問も良く頂きます。

確かに、原因が解消されない限り、登校しぶりがり返す可能性は高いです。

例えば母子分離不安症で登校しぶりしている場合、鼓舞してなんとか登校出来たとしても、心の奥では「お母さんがいなくて学校が怖い」と思っているので、先生に忘れ物を咎められた、かけっこで転んだ、友だちとケンカした等のきっかけで登校しぶりが再発することも多いです。

そのため、今起こっている登校しぶりの原因をしっかりアセスメント(分析)して対処していくことが、今後の学校生活で登校しぶりを再発させないためにも重要です。

また登校しぶりが再発する場合、特に月曜日や長期休み明けに登校しぶりすることが多いです。

登校しぶりはいつまで様子をみるべきか

学校・先生の対応で悩む不登校のお母さん

子どもが登校しぶりを始めると、「どのくらい様子を見るべきか」を悩む方が多いと思います。

登校しぶりも色々なので、一概に「〇日間様子を見ましょう!」とは言えないのですが、登校しぶり原因によって大まかな傾向やポイントはありますので、以下で見て行きましょう。

登校しぶり理由がはっきりとしている場合

「マラソン大会の練習がイヤだ」「プールの授業がイヤだ」のような明確な登校しぶり理由がある場合、この原因がなくなるまで待ってみても良いでしょう。

もし「マラソン大会の練習がイヤだ」と言っていたのにマラソン大会が終わっても登校しぶりするなど、理由がなくなっても登校しぶりが無くならない場合や、登校しぶり理由がどんどん変わっていく場合は、本当の理由は違う可能性が高いです。

月曜日や長期休み明けに登校しぶりする場合

月曜日や長期休み明けに起こりやすい登校しぶり

通称「サザエさん症候群」と呼ばれているように、休み明けに気が重くなるのは登校しぶりの子に限らず良くあることです。異常ではなく、人間の普通の心理と言えます。

そのため、月曜日や長期休み明けに多少の登校しぶりをするのは仕方ないので、病院等にすぐに相談せず様子を見ても良いでしょう。

しかしこのとき、大事なのは親の対応です。「学校行きたくないよね~わかる」と共感するのは良いですが、共感しすぎて子どもが「学校行きたくないのは当然なんだから、行かなくてもいいかな」と思ってしまうのは後々登校しぶりを助長します。

「行きたくない気持ちはわかる。ただ、行きたくなくてもお母さんは仕事に行くし、あなたも学校に行く」というブレないスタンスの軸を持つことが大事です。

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登校しぶり理由が人間関係の場合

人間関係が原因の登校しぶり

「友だちにバカにされた」「先生に嫌われているような気がする」のような人間関係の場合、まずは行き過ぎた指導やいじめなどがないか確認し、もしあれば学校側等に相談しましょう。

もし行き過ぎた指導やいじめがない場合は、お子さんに認知の歪みがないか観察してみましょう。

上野
上野
認知の歪みとは、心理学の用語で、自分を精神的に追い詰めたり、悪い方向に考えて辛くなるような思考パターンのことです。ただ気づかなかっただけなのに「無視された」、ちょっと叱られただけなのに「僕は何をやってもダメなんだ」と思うことも認知の歪みと言えます。

もしお子さんに認知の歪みがある場合は、心療内科のカウンセリングや認知行動療法のコーチングを早めに受けたほうがお子さんがラクに日常生活を送れるようになります。

体調不良がある場合

血圧を測る起立性調節障害の子

体調不良がある登校しぶりも判断が非常に難しいです。

もしかしたら学校に行きたくないプレッシャーで「お腹が痛い気がする」「頭がくらくらする気がする」可能性もある一方で、近年では起立性調節障害も増えており、本当に体調が悪い可能性もあります。

そのため、お子さんが体調不良を訴えている場合は、以下の言動をしないように気をつけましょう。

子どもが体調不良で登校しぶりするときの親のNG行動
  • 「仮病じゃないの?」→「親は僕の言うことを信じてくれない」と親への信頼が揺らぐので言わない
  • 「これくらい、大丈夫でしょ」→「僕の辛さをわかってくれない」と悲しくなり「親に相談しても無駄」と考えてしまうようになる
  • 「お父さんの子どもの頃はこれくらいの体調不良でも登校してた」→子どもには自慢話に聞こえ、「親は理解してくれない」と引きこもりに繋がることもある

そして「本当に体調が悪いのかな?」と疑問に思っていても、一緒に病院に行って「お母さんは僕を心配して病院に一緒に来てくれた」という安心感をまずは子どもに感じて貰うのが良いでしょう。

また、ドクターから「大きな病気ではないから大丈夫だよ」と言ってもらえたりすると、心配性からくる体調面の不調の場合はそれだけで安心して良くなるケースもありますので、まずはかかりつけのお医者さんに行くといいかと思います。

大学病院などでCTなどをとってどこも悪くないと安心するというのも1つですが、そこまではしなくていいのかなと思います。親御さんの方ももしかして大きな病気かもという場合は念のために検査するのも1つかと思いますが。

ただ、心療内科やメンタルクリニックなどに行ってしまうと思春期うつの可能性などそこまでしてもらわなくていいのにという方向に行ってしまう可能性もあるので安心してもらうためにということであれば心療内科などは慎重に進めた方がいいです。

もし、色々な病院を回っても解決しない場合や、本当にメンタルからくる体調不良の場合は心理の専門家に相談してください。

小学校1年生の場合

朝だけ登校しぶりする小学生

小学校1年生の場合は、まだ学校に慣れていなくて心細いだけかもしれませんし、実は母子分離不安症がある場合も考えられます。

詳しくはこちらの記事に書いていますので、ご覧ください。

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小さい頃から登園しぶりが多かった場合

母子分離不安の子ども

幼稚園や保育園時代から親と離れることを泣いて嫌がることが多い子は、母子分離不安症の可能性があります。

母子分離不安症は、小さい頃からの育て方や、お子さんの元々の性格・気質で不安になりやすかったり繊細だったりして起こることが多いです。

詳しくはこちら↓の記事でまとめていますが、もし母子分離不安症がある場合は家庭内対応を見直したり、カウンセリングで認知変容することで改善できるケースが多いです。

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「登校しぶりはいつまで様子を見る?回復までの期間や特徴まとめ」まとめ

朝に起きられない不登校の子

登校しぶりは、渋っているもののなんとか登校は出来ているので親御さんも先生も「まだ不登校ではないし…」と対処を先延ばしにする方も多いです。

しかし、冒頭でも述べたように、「登校しぶりしたら学校を休めた」という経験をした子は、毎朝「今日は登校しぶりしたら休めるかな?」という選択肢を脳内で選択しなくてはいけなくなります。

いじめや体調不良などがある場合はしっかりとケアする必要がありますが、もしなんとなく登校したくない場合は、不登校の選択肢が脳内に定着する前に対処しましょう。そうすることが、迷いなく、ストレスなくお子さんが学校に通えるポイントなのです。

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監修者:上野 剛
キャリア15年で1000人以上の子どもたちを復学に導いた復学支援専門家。 復学率は現在もなお100%。 心理師として唯一の国家資格である公認心理師で、出版した著書はいずれも初版完売。 現在、エンカレッジの他にも家庭教育推進協会の代表理事と教育支援センターのコーディネーターも兼任。