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ただ、長く休みすぎてすでに「学校に行きたくない」と言っているのですが。
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まずは困りごとが何かを把握しよう

「学校に行きたくない」と子どもが言ったときに、まずはどのような困りごとで学校に行きたくないと言っているかを把握してください。
・コロナウイルスの影響で神経質になっている
・ネット依存で生活リズムが乱れてダルい
・宿題が多すぎてできていない
・長く休みすぎて学校が面倒くさい
・理由はよくわからないけど不安
「学校に行きたくない」という理由は大きく分けると上記のような内容になります。
完全不登校、五月雨登校、登校している子など、状況にもよりますが今回は理由のみに焦点を当ててお話しします。
それぞれの対策を見てみましょう

コロナウイルスの影響が心配な場合の対処法
エンカレッジで支援している子ども達の中にも志村けんさんが亡くなってからコロナウイルスの影響を身近なものと感じて留守番ができなくなったり、お母さんから離れられなくなったりしています。
今は敏感な子ども達が多いので、そのような影響で「学校が怖い」と感じている子もいると思います。学校に行くとコロナウイルスにかかってしまうのではないかと不安になっている子には安心と安全が必要です。
今は、そのような子がいることや、そのような親御さんもいることから、休んでも欠席扱いにはなりませんので不安が強い子には、安心できる環境が整ってから登校させてあげていいと思います。
ネット依存で生活リズムが乱れてダルい場合の対処法
こちらは、自粛生活、YouTube生活の影響で完全に生活リズムが乱れてしまったという場合です。
外出も自粛でしたのでやることがなくYouTubeやゲームばかりといった家庭も少なくないと思います。ネット依存になっていますといった相談もとても多くなりました。
今回はコロナウイルスの影響なのである程度は仕方がなかったと思いますが。
対処法は小学生と中学生で分けて考えます。
「もうすぐ学校が始まるから」と生活リズムを直すように促しましょう。できなければゲームを制限など前回話した負の強化を使うのもいいかと思います。
いつ学校が始まるかわからなかった状態では難しくても、現実的に学校が始まるということになれば制限もしやすくなるので試してみてください。
中学生は、親に「明日から生活リズムを整えるために7時に起きなさい」などと言われて聞くような年齢ではありませんので、「登校日に寝不足で登校できなければゲームを制限するから」といった負の強化の使い方がいいでしょう。

宿題が多すぎてできていない場合の対処法
ゴールデンウイーク明けに緊急事態宣言が延長されてからは、学校の課題の量も一気に増えた印象です。休校中の勉強はただでさえ孤独で難しいのにそこに大量の宿題がのしかかり「何でこんなに多いんだよ~」「絶対無理」「人生終った」といった会話がたくさん出てくるようになりました。(エンカレッジでは子どもの会話を記録してもらいそれを添削してよりよい家庭内対応を学んでもらう観察法を導入しています)
今までも多くの子ども達の嘆きを受け止めてきましたが、今回はさすがに可哀そうだな~と感じています。とはいえ、そういってもやらなくていいとは言えないので、対処法をお伝えしていきます。
宿題ができていなくてもなんだかんだで学校を休まないと思う方は、基本的には本人に任せた方がいいです。前回書きました全体量を把握するということはやっていただくといいと思います。
宿題ができていないと登校を休みそうと思われる方は、過干渉でもいいので宿題を終わらせてください。
このブログでも家庭教育の考え方でも過保護、過干渉、指示、提案などはよくないと伝えていますが、今はそんなことを言っている場合ではありませんので、まずは学校に行きやすいような状況を作ることが優先です。
宿題が引っかかっている場合は何とか終わらせてください。困りごとが宿題ができていないことであれば宿題が終われば不安がなくなりますので行きやすくなります。
長く休みすぎて学校が面倒くさい場合の対処法
気持ちはよくわかります。これだけ休みが続いてしまうと学校に行くのも面倒だと感じるでしょう。大人でも会社に行くのが面倒と感じると思います。
でもそこは割り切るしかないので「長い春休みでよかったね。でもその長い春休みも終わり!切り替えるよ!」と学校に押し出してしまいましょう(笑)
面倒くさい子は学校に行けないわけではないので、行きだしたら慣れてきます。中途半端に休ませるとまた休みたくなりますので多少強引でも学校生活に体がなじむまで頑張らせましょう。
理由はよくわからないけど不安な場合の対処法
実はこのパターンが一番難しいです。困りごとが把握しにくいというのもありますが、環境の変化に適応するのに時間がかかってしまう子に多いです。
今の子ども達は、環境の変化に適応するのにとても時間がかかります。ですから小1プロブレム、中1ギャップという言葉もよく聞くようになりました。
長いお休み生活で体が完全にお休み生活に慣れてしまいましたので、そこから急に学校と言われてもどうしても気持ちの面がついていかないのです。
さらにコロナウイルスの影響で社会全体がギスギスして不安定です。そんな空気を今の子ども達は敏感に察知してます。
何だか不安な空気の中、お休み生活から学校生活に急に気持ちの切り替われない状況というのはとても辛いです。
夏休み明けに自殺者が多いのも長期休みの生活から学校という生活に急に切り替わる環境の変化に気持ちの面がついていかず鬱のような状態になるからというのも一因にあるようです。
学校もそうならないように今は夏休み明け後半にラジオ体操で早起きの習慣化をさせたり、プレ登校なる準備登校をしたり工夫しています。以前にはなかったことですが、それだけ子ども達が環境の変化に適応するのに時間がかかるということの表れです。
今回は学校も学校再開の準備でそのような環境の変化や心の不安定さに寄り添う余裕はなさそうなので気を付けないといけません。
対応としては、環境の変化に時間がかかることを親が把握して、ある程度は休みながらも徐々に適応できるようにしてあげるといいです。
このようなタイプの子には面倒くさい子のときのように押してはいけません。無理をさせると壊れてしまいますので。
幸いにも今は分散登校で欠席扱いにもなりませんので、分散登校で慣らしつつ焦らず少しずつ適応できるようにしてあげましょう。
理由によって対処法がこんなにも違うのですね。
わかりました。では今回の内容についてまとめますね。
- まずは困りごとが何かを把握する
- コロナウイルスの影響が心配な場合は、安心と安全が必要
- ネット依存でリズムが崩れている場合は、小学生は生活改善、中学生は行けなければ制限など負の強化も使いながら対応する
- 困りごとが宿題の場合は、過干渉でも宿題を終わらせて登校を優先する
- 面倒くさいという場合には、学校生活に慣れるまで押していい
- 理由がよくわからない場合は、環境の変化の適応に時間がかかる子が多いので、適応に時間がかかることを理解し焦らず少しずつ慣らしていく