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不登校になると、毎朝どう声をかけたらいいのかと迷うことばかりです。
「朝は起こしたらいいのか?」とか「毎日学校に行くかは聞いていいのか?」とか「先生からの電話は毎回出るか確認した方がいいのか?」とか
私たち不登校支援グループエンカレッジでは、今まで1000人以上の子どもたちの復学をサポートし、設立17年の現在も復学率は100%を維持しています。不登校に悩む方向けに無料のLINEやメルマガの発信もしておりますのでご活用ください。
↓不登校の解決に必要な対応をまとめた記事はこちら↓

朝の声かけ

朝は子どもを起こすべきか
こちらは、子どもの状況によって変えていきます。
生活リズムの安定と起きられなかったからいけなかったというリスクを減らすために起こしましょう。
(わざと目を開けないなど意図的な場合は無理に起こすのは止めましょう)
生活リズムを安定させることは大切ですが、朝起きると学校に行きなさいと言われるから嫌という子もいますし、朝に同級生の声が外から聞こえたりすると辛くなる子もいます。ただ、生活が乱れているなら起こしても構いませんが、そのような辛さを抱えている場合は起こさない方がいいです。理由がある場合は、親は理解してくれていないと感じますし、関係も悪化します。
それでは、効果的な声かけのやり方についてもお伝えします。
時間で伝えると効果的
7時だよ。7時10分だよ。7時20分だよ。
単純と思うかもしれませんが、この声かけが反発が少なくておすすめです。
エンカレッジのクライエントさんにも皆さんにお勧めして、効果を実感してもらっています。
朝の登校の確認はするべきか
こちらも状況に合わせます。
登校の確認をしてもかまいません。というよりもその日その日の確認ではなく計画的にプランニングを立てておく必要があります。
五月雨登校や別室登校の方はこちらを参考にしてください。

登校の声かけはプレッシャーにしかならないのでやめましょう。ほぼいけないと思っていても毎日「今日はどうするの?」と確認される方もいますが、子どもにはかなりの負担になります。
親目線では、行こうと思えば行けると感じるかもしれませんが、子どもからしたら勉強せずに100点を取れと言っているような感覚です。
できないことを毎日やれと言われていることになるので、こちらもお母さん、お父さんはわかってくれないと関係も悪化してしまいます。
五月雨登校や別室登校で行く可能性があるときの効果的な声かけの方法をお伝えします。
最初は「今日はどうするの?」などの声かけはせず、行く前提で明るく世間話をしながら進めると効果的。
動きが重そうなら「今日はどうするの?」と確認する。
母子登校などをしている場合は、「玄関で待ってるからね」と一緒にいないことも効果的。
完全不登校など、行く意思がない場合や、行こうと思っても行けない状態になっている場合は声かけはしない方がいいです。
「それならどうしたらいいの?」と思われた方は、なぜそのような状況になっているのかという理由の方から理解していきましょう。

学校への連絡は毎日するべきか
こちらは皆さん、かなり精神的に辛い思いをされます。学校側から、安否の確認のために毎日連絡してくださいと言われる場合もありますが、行かないのがわかっているのに毎日学校に「今日は欠席します」と連絡するのは本当に辛いです。
私が代表を務めるエンカレッジでは、学校に連絡して毎日ではないようにしてもらっています。その方が親がまだ元気な状態でいられるのでその方がよほど大切です。具体的な連絡の方法も記載しておきますので、ぜひ今、学校への連絡が辛いと感じられている方は今日にでも連絡してください。
「登校できそうな場合に連絡させてもらいます。1週間に1度、学校に状況をお伝えしてプリントなどを取りに行きます」と学校の繋がりを確保しつつ、負担の少ない連絡方法にするのが効果的
※兄弟にプリントを頼む先生や、連絡帳を兄弟に頼む親御さんもいらっしゃいますが兄弟も思っている以上に負担がかかります。先生には親が取りに行くと伝えましょう。お子さんに連絡帳を持たせるのもやめましょう。
詳しくは別の記事で書いていますのでそちらも参考にしてください。

夕方の声かけ

担任の先生からの連絡
担任からの毎日の電話がある場合、子どもが代わる場合は問題ありませんが、子どもが代わらない場合は担任の先生と親がコソコソ話すことが多く、それを快く思わない場合があります。
プレッシャーにもなりますし、毎日の連絡は先生の負担も増えます。親も辛くなる場合もあるので子どもが喜んでいる場合以外は控えてもらいましょう。
週に1度、学校に連絡や宿題などのプリントを取りに行くようにしてそこで情報共有しましょう。
友達からの欠席の手紙
小学生は、友達が欠席の手紙を毎日持ってきてくれます。
しかし、不登校が長期化している場合、その手紙に書かれている「毎日まっているよ」「早く良くなってね」という言葉がプレッシャーになる場合があります。欠席の手紙を持ってくる子も毎日だと大変になります。
また手紙を書く方も、毎日同じ内容になるので書くことがなくなり「昨日と同じ以上」「書くことがないので早く来てね」など心ない手紙も出てきてしまいます。
なので、喜んで見ている子以外はこちらも控えてもらうようにしましょう。こちらも1週間に一度プリントを取りに行くときに学習内容などは先生に確認していきましょう。
五月雨登校の場合は、持ち物や宿題がわからないと翌日の登校に影響がでるのでしばらくは続けてもらってかまいません。
夜の声かけ

明日の「学校どうするの?」について
「明日は学校どうするの?明日の給食は大好きな焼きそばだよ」
エンカレッジの支援で行っている観察法の1つ「会話ノート添削」でクライエントさんが子どもに聞いている言葉です。
皆さんの中にもドキッとされた方もいるかもしれませんし、え?何かまずいの?と思われた方もいるかもしれません。
しかしこの確認は多くの場合、親が{行くと言ってほしい}{行かせたい}という意図が強く出てしまいます。
親の行かせたいとの思いが強すぎると子どもは行かされると思い心理的リアクタンス(心理的抵抗)が生まれます。
行くか行かないかは翌日になればわかることなので親が知りたい、行くと言ってもらって安心したいという確認であればやめましょう。
お弁当が必要なので「確認しないと困るのです」と言われる方もいますが、「お弁当という理由があるから聞いてもいいはず」という意図的なものがあると子どもにもわかってしまいます。
子どもは敏感なので本当に自分のために聞いてくれているのかどうかはすぐにわかります。大変ですが、お弁当は確認するのではなく学校に行く前提で作っておきましょう。
心理的リアクタンス:リアクタンスは抵抗という意味で他人から強制されると無意識に反発してしまう心理状態のこと
例:母「宿題やりなさい」子「今やろうと思ってたのにやる気なくなった」
このままどうするの?という確認
不登校が長期化すると、「いつ学校に行くの?」「このままでいいの?」「どうするつもり?」と聞きたくなります。そうなるとだんだん説教のようになっていきます。
子どももわかっていてもどうすることもできない状況なので、わからないことを言われても感情だけが爆発してしまいます。お互いの関係性を悪化させるだけなのでやめましょう。
ではどうしたらいいのかと不安になりますが、冷静に今の状況を分析して適切な時期に、適切な関係性の上で、適切な声かけが必要になります。
目の前の不安に対して自分の感情で声かけしてしまうといい方向にはいきません。1人で抱えてしまうとどうしても目の前の事しか見えなくなってしまいます。
その場合は、専門家に相談して冷静に分析してもらうのも1つです。
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1つ1つ細かい声かけの仕方も気になりますが、目の前のことだけを見てもダメですね。
わかりました。ではまとめますね。
- 朝の声かけは、五月雨登校・別室登校・長期不登校など登校状況で変える。
- 夕方の声かけは、子どもが望んでいるか、また友達など周りの負担や親の負担も考える。
- 夜の声かけは、自分が安心したいための声かけになっていないか注意する。
- 目の前の声かけも大切だが、根本的な問題にも同時に向き合っていくことが大切。
どうしても、目先の不安に戸惑ってしまいますが、目の前ばかり見ていてもダメですね。
どうしていいか、一緒に考えてくれる人がいるだけで冷静になれますからね。私は先生にいつでも聞けるので安心です。