
兄弟がいる場合、不登校による兄弟への影響が心配なのですが。
どんなケースですか?
どんな影響がでるのですか?
1人でもどうしていいかわからないのに、2人で不登校となると親の方も本当に困ってしまいますね。
ですから、今回は不登校の兄弟への影響と対策について解説してきますね。
不登校の兄弟への影響

お兄ちゃんだけずるい
お兄ちゃんが休んでいて弟が学校に行っている場合は、弟はお兄ちゃんだけ休んでずるいと感じてしまいます。
- 「何で僕はちゃんと学校に行っているのにお兄ちゃんは遅くまで寝てるの?」
- 「何でお兄ちゃんは返ってきたらゲームしてるの?」
- 「何で僕だけ習い事行かないといけないの。僕も水泳休みたい」
このように思うのは当然です。特に上の子が不登校の場合は、下の子には大きな影響が出ます。お兄ちゃんより精神年齢が低くお兄ちゃんに対する依存度が強いので影響も大きくなります。
逆に、弟が不登校でお兄ちゃんが学校に行っている場合は、ずるいと感じるよりも弟のことが心配になります。
年齢が近いと弟のことは知らん!と自分のことで精一杯の場合もありますが、年齢が離れているケースでは「お母さん、このままで大丈夫?何とかしないと」と親に対策を促したり親を心配してくれたりするケースもあります。
姉妹や上がお姉ちゃんの場合は、「私は大丈夫だから弟(妹)をかまってあげて」と気を使ってくれたりもします。
男兄弟で特にお兄ちゃんが不登校の場合が一番影響が大きいので、その場合は兄弟で不登校というケースも少なくありません。自分の家庭がこのケースに当てはまる場合は早急に対応してください。
ストレスが溜まる
- 「自分が勉強しているのにとなりで漫画を読んで笑っている。」
- 「自分が習い事で疲れて帰ってきているのにずっとゲームをしている。」
- 「自分は朝早くから起きているのに登校する時間になっても起きてこない」
このような生活を送っていると当然ストレスがたまります。その影響は、上の子が不登校の場合は、下の子が辛くなり休んでしまいます。
下の子が不登校の場合は、上の子は「お母さん弟(妹)何とかしてよ」と親に当たったり、「一緒に居たくない」とリビングに出てこなくなったりします。
家族全体がギクシャクしてストレスフルになります。
上の子と下の子が逆の場合でもこのようになる場合はあります。あくまでその傾向が強いということで理解してください。
理由が説明できない
兄弟への影響で最大の問題点はここにあります。
先ほどのように「何でお兄ちゃんは返ってきたらゲームしてるの?」「自分は朝早くから起きているのに登校する時間になっても起きてこない」と言われても親が納得してもらえる説明ができないのです。
「お兄ちゃんはいいのよ」と言っても納得できません。「お兄ちゃんも辛いのよ」と言われてもとなりで漫画を読んでケラケラ笑っていたらとてもそのようには見えません。
もちろん、いじめなどで苦しんでいて食べ物ものどを通らない状態であれば、兄弟もそんなことは言わないでしょう。しかし、そうではなく学校に行っていない理由はそれぞれあって辛いとは思いますが、日常生活を見ているととてもそうは感じられない場合は、「お兄ちゃんも辛いのよ」では納得してもらえません。
納得できる説明ができれば「ずるい」といった思いや「ストレス」もそれなら仕方ないと軽減されると思います。しかし、納得のできる説明ができない。それが大きな影響を与えているのです。
確かに、納得できる説明はできないかもしれませんね。では、兄弟の影響を抑えるにはどうしたらいいのでしょうか?
兄弟の影響への対策

対症療法しかない
残念ながら不登校の状況が改善されないまま、兄弟の影響を抑えるのは難しいです。兄弟が納得できる説明は残念ですが正直ありません。ですがせめてこのように伝えてください。
「お兄ちゃんも今は楽そうに見えるけど、今休んでいる分は後から大変になるからけっして楽ではないんだよ」
「お母さんもちゃんと考えているからいつまでもこのままではないからもう少し待っててね」
ただ、これは対症療法になるので、根本的な解決にはならないことを理解しておきましょう。
逆に仕方がないからと不登校の状態を受け入れてしまうと兄弟で不登校になる場合があります。そういったケースは実はとても多いのです。そうなる前に根本的な解決に向けてしっかりと対応しましょう。
エンカレッジの復学支援で学校復帰した兄弟で不登校だったクライエントさんの記事です。↓

根本治療は登校すること
兄弟の影響を抑えるためにはやはり不登校の子を登校できるようにすることに限ります。
どんなに取りつくろってもお兄ちゃん(弟)が休んでいる状況が変わらない限りは影響は出てしまいます。
ですから私は「休んでいる子を学校に行けるようにしてあげることが兄弟にとっても一番いいことだからそうなるようにしましょう」と伝えています。
兄弟の影響で一緒に不登校になってしまうとお互いが足を引っ張り合い、お互いが遊び相手となり、話し相手となり家で楽しめてしまうのでどんどん悪循環に陥ってしまいます。
登校できないから困っているのはわかりますが、しっかり家庭内の対応を変えサポートしてあげれば登校は可能ですので、ぜひ兄弟で不登校になる前に対応してください。
確かに先生のおっしゃる通りですね。何とか影響を抑えるように無理に納得させるよりもお互いが素直に認めあえる状況に変えてあげる方がいいですから。
わかりました。
- 兄弟の影響は、ずるい・ストレスといった影響があるが一番の問題は納得できる説明ができないことにある。
- 兄弟の影響は、上から下の方が影響が大きく、年齢が近い方が影響が大きいが逆のパターンもある。
- 兄弟の影響を現状のまま抑えるのは難しく対症療法しかない。
- 根本的な解決は、不登校になっている子が登校してお互いが素直に認めあえる状態になること。

