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兄弟がいると、1人が不登校になったときにその他の兄弟への影響が心配になりますよね。
特に、兄・姉が不登校の場合、下の兄弟・姉妹には影響が出やすいです。
どんな影響がでるのですか?
1人でも不登校になると心配になりますが、それが兄弟・姉妹にまで不登校となると、どうしてよいのか困ってしまいますよね。
兄弟・姉妹が一緒に不登校になると、お互い一緒に遊んだりして楽しく過ごせてしまう分、不登校解決まで長引くことも。
そのため、兄弟・姉妹がいる場合の不登校はより注意して対応していくことが大切です。
私たち不登校支援グループエンカレッジでは、今まで1000人以上の子どもたちの復学をサポートし、設立17年の現在も復学率は100%を維持しています。不登校に悩む方向けに無料のLINEやメルマガの発信もしておりますのでご活用ください。
↓不登校の解決に必要な対応をまとめた記事はこちら↓
不登校が兄弟・姉妹へ与える影響
不登校が他の兄弟・姉妹に与える影響…親としては気になりますよね。
実際、兄弟が不登校だと、その他の兄弟も気持ちが安定しないことが多々あります。
兄弟の不登校を見た他の兄弟はどのような気持ちでいるのでしょうか。
1つ1つ見て行きましょう。
「お兄ちゃんだけずるい」
お兄ちゃんが休んでいて弟が学校に行っている場合は、弟は「お兄ちゃんだけ学校休んでずるい」と感じてしまいます。
- 「何で僕はちゃんと学校に行っているのにお兄ちゃんは遅くまで寝てるの?」
- 「何でお兄ちゃんは返ってきたらゲームしてるの?」
- 「何で僕だけ習い事行かないといけないの。僕も水泳休みたい」
「自分は頑張って学校に行っているのに、お兄ちゃんは…」などとこどもが思うのは当然です。
特に上の子が不登校の場合は、下の子には大きな影響が出ます。
お兄ちゃんより精神年齢が低くお兄ちゃんに対する依存度が強いので影響も大きくなるためです。
逆に、弟が不登校でお兄ちゃんが学校に行っている場合は、ずるいと感じるよりも弟のことが心配になります。
年齢が近いと「弟のことは知らん!」と自分のことで精一杯の場合もありますが、年齢が離れているケースでは「お母さん、このままで大丈夫?何とかしないと」と親に対策を促したり親を心配してくれたりするケースも。
姉妹や上がお姉ちゃんの場合は、「私は大丈夫だから弟(妹)をかまってあげて」と気を使ってくれたりもします。
男兄弟で特にお兄ちゃんが不登校の場合が一番影響が大きいので、その場合は兄弟で不登校というケースも少なくありません。
ストレスが溜まる
兄弟・姉妹が不登校の場合、その他の兄弟・姉妹はストレスがたまります。
- 「自分が勉強しているのにとなりで漫画を読んで笑っている」
- 「自分が習い事で疲れて帰ってきているのにずっとゲームをしている」
- 「自分は朝早くから起きているのに登校する時間になっても起きてこない」
このような生活を送っていると当然ストレスがたまります。
下の子が不登校の場合は、上の子は「お母さん弟(妹)何とかしてよ」と親に当たったり、「一緒に居たくない」とリビングに出てこなくなったりします。
その結果、家族全体がギクシャクしてストレスフルになることも。
上の子と下の子が逆の場合でもこのようになる場合はあります。
あくまでその傾向が強いということで理解してください。
理由が説明できない
兄弟・姉妹への不登校の影響で最大の問題点は「理由が説明できない」ということ。
先ほどのように「何でお兄ちゃんは返ってきたらゲームしてるの?」「自分は朝早くから起きているのに登校する時間になっても起きてこないの?」と言われても親が納得してもらえる説明ができないのです。
「お兄ちゃんはいいのよ」と言っても納得できません。
「お兄ちゃんも辛いのよ」と言われてもとなりで漫画を読んでケラケラ笑っていたらとてもそのようには見えないので、納得しにくいです。
もちろん、いじめなどで苦しんでいて食べ物ものどを通らない状態であれば、兄弟もそんなことは言わないでしょう。
しかし、日常生活を見ているととてもそうは感じられない場合は、学校で辛いことがあったからの不登校だったとしても「お兄ちゃんも辛いのよ」では納得してもらえません。
納得できる説明ができれば「ずるい」といった思いや「ストレス」もそれなら仕方ないと軽減されると思います。
しかし、納得のできる説明ができない。
それが大きな影響を与えているのです。
では、兄弟の影響を抑えるにはどうしたらいいのでしょうか?
不登校の兄弟・姉妹からの影響への対策
不登校の兄弟と、登校している兄弟。
一緒に生活しているとどうしても「ずるい」「自分も休みたい」といったネガティブな感情にとらわれて、家庭内がギクシャクしがちです。
兄弟・姉妹の不登校に対して、不登校ではないこどもにはどのように対応すれば良いのでしょうか。
具体的な対策・対応方法について見て行きましょう。
対症療法しかない
残念ながら不登校の状況が改善されないまま、兄弟・姉妹への影響を抑えるのは難しいです。
兄弟が納得できる説明は残念ですが正直ありません。
ですがせめてこのように伝えてください。
- 「お兄ちゃんも今は楽そうに見えるけど、今休んでいる分は後から大変になるからけっして楽ではないんだよ」
- 「お母さんもちゃんと考えているから、いつまでもこのままではないからもう少し待っててね」
ただ、これは対症療法になるので、根本的な解決にはならないことを理解しておきましょう。
逆に「仕方がないから」と親が不登校の状態を受け入れてしまい、兄弟・姉妹で不登校になる場合があり、そういったケースは実はとても多いのです。
そうなる前に根本的な不登校解決に向けてしっかりと対応しましょう。
根本治療は「登校すること」
兄弟の影響を抑えるためにはやはり不登校の子を登校できるようにすることに限ります。
どんなに取りつくろってもお兄ちゃん(弟)が休んでいる状況が変わらない限りは影響は出てしまいます。
ですから私は「休んでいる子を学校に行けるようにしてあげることが兄弟にとっても一番いいことだからそうなるようにしましょう」と伝えています。
兄弟の影響で一緒に不登校になってしまうとお互いが足を引っ張り合い、お互いが遊び相手となり、話し相手となり家で楽しめてしまうのでどんどん悪循環に陥ってしまいます。
登校できないから困っているのはわかりますが、しっかり家庭内の対応を変えサポートしてあげれば登校は可能ですので、ぜひ兄弟で不登校になる前に対応してください。
不登校支援グループエンカレッジでは、不登校を解決する親の考え方をLINEやメルマガで無料で配信しています。
不登校が深刻化する前に、お子さんに合った方法を探してきましょう。
【事例紹介】不登校で兄弟・姉妹がいたケース
親も何かと不安になってしまう、兄弟・姉妹への不登校の影響。
以下では、不登校支援グループエンカレッジに相談いただき、解決した事例をご紹介していきます。
小学6年生・男の子(兵庫県/不登校期間6カ月)
兵庫県の6年生の男の子で、幼稚園の弟と4歳の弟がいました。
お兄ちゃんが家にいると弟は行きたくないと思いますし、4歳の子とお兄ちゃんが遊んでいるのも羨ましかったと思います。
6年生のお兄ちゃんがイライラして4歳の子に暴力を振るうこともありました。
お母さんは外が大好きだった弟が幼稚園に行きたくないと言うようになったのがとてもショックだったと語っていました。
お兄ちゃんから弟への影響がどれほど大きいのかを改めて感じることとなりました。
お兄ちゃんが学校に行くようになり、弟の登校渋りもほぼなくなり、4歳の子もお母さんとの時間をたくさんも持てるようになりました。
本日、兵庫県の不登校期間6ヶ月4年生男の子が登校しました。
登校の準備を1つ1つしっかりと取り組み、前日当日と緊張はすると言っていましたがしっかりと準備をしてきた事での安心感も伺えました。
玄関でも両親に行ってきますと手を降って出発しました。
これからがスタートだ!頑張ろう! pic.twitter.com/Q7374bCnAp
— エンカレッジ (@encourage__u) June 30, 2021
小学6年生・男の子(関西/不登校期間7カ月)
関西の6年生の男の子で、中学3年生のお兄ちゃんがいました。
家庭内で暴言や暴力があり、大変なケースでした。
家族の関係も悪化してお兄ちゃんはついに「うちは完全に家庭環境が崩壊してる。この家はもう無理だ」と受験をして早く家から出たいとまで言っていました。
でも弟が学校復帰したら「あそこからよく行けるようになったな、凄いわ」ととても喜んでくれました。
本当は心配だったのです。
今は6年生の子もお兄ちゃんと同じ中学を目指して受験に取り組んでいます。
本日、関西の6年生の男の子が登校しました。
カウンセラーを拒否したり、暴れたりと大変でしたが、前日当日共に落ち着いていて、よく気持ちを切り替えて頑張ることができたなと感心しました!ここからがスタートだけど、これからは1人で抱えずカウンセラーと一緒に頑張っていこう!
— エンカレッジ (@encourage__u) June 2, 2021
小学3年生・女の子(神奈川/不登校期間3カ月)
3年生の女の子で1年生の弟がいました。
姉弟でケンカをすることも多く、弟は負けそうになるとお姉ちゃんは学校に行っていないのにといい、お姉ちゃんは何も言えなくなるので暴力で反撃して、弟が泣いてお母さんに訴える。
何度もこの光景を会話ノートで見てきました。
多くの家庭でこのような光景があると思いますが、弟の「お姉ちゃんはズルい」という発言に対して親は明確な説明ができないのでとても辛いです。
結局、お姉ちゃんが学校に行くことがもっともシンプルでわかりやすい形になります。
登校後も姉弟のケンカはありますが、当然上記のようなやり取りはなくなりました。
本日、神奈川の小学3年生女の子が復学です
登校1週間前に不安が強くなり私がもう一度話に行きました
その後は当日の朝まで落ち着いて前向きだったので安心していました。が!直前にポロポロと泣きだしフリーズ
直前には魔物がいますね
魔物はみんなで退治しました🗡冒険はここから。
頑張ろう pic.twitter.com/kBPtSa0mPU— エンカレッジ (@encourage__u) January 21, 2021
その他、不登校を解決した事例をお知りになりたい方はこちらの記事をご覧ください。
「不登校の兄弟・姉妹への影響に対する対策・対処方法」まとめ
いかがでしたか?
兄弟・姉妹に不登校のこどもがいる場合、親はより注意深く対応することが必要であり、そもそもの問題である不登校を解決することが、不登校の本人にとっても兄弟・姉妹にとっても最良の方法です。
こどもを一番よく知る親であっても、いざ不登校を解決しようと思ってもなかなかできなかったり、どこから手を付けてよいかわからなかったりするもの。
対処方法に迷ったら、不登校の専門家に相談してみるのも1つの方法です。
不登校支援グループエンカレッジでは、お子さま1人1人に合った復学支援方法を探している方や、不登校の不安相談を無料オリエンテーションで承っています。
学校に行かないクセがつく前に、「不登校」という根本原因を解決していきたいですね。