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スクールカウンセラーや心療内科で不登校を相談した方の多くが「様子を見ましょう」「お子さんの心のエネルギーが溜まるまで待ちましょう」と言われます。
しかし、既にお子さんの様子を見てきたお父さんお母さんは思うのです。「本当に待っているだけでいいの?」「既にたくさん見守ってきたのだけれど…」と。これは当然の疑問です。しかし大抵の方は、「専門家の言うことは間違いないはず」と聞き入れてしまいます。
私は今まで1000人以上の子を再登校に導いた復学専門家ですが、これまでの経験上、不登校の子に対して様子を見ることはリスクが大きいと確信しています。しかし、見守るべき時があるのもまた事実です。
今回は、「不登校は待つしかないのか」「いつまで見守ればいいのか」と言った疑問にお答えしていきます。
私たち不登校支援グループエンカレッジでは、今まで1000人以上の子どもたちの復学をサポートし、設立17年の現在も復学率は100%を維持しています。不登校に悩む方向けに無料のLINEやメルマガの発信もしておりますのでご活用ください。
不登校は待つしかないの?
スクールカウンセラーや心療内科の先生はよく「様子を見ましょう」「エネルギーが溜まるまで待ちましょう」と言います。これは、一部の子には正しい対応です。
例えばいじめなどで心に深い傷を負った場合、対人恐怖症やフラッシュバックに悩まされることもあり、一度心を癒してあげる必要があります。安全基地である家で、ゆっくりしたり親に甘えたりして、心が回復するのを待つべきです。
一方、はっきりとした理由がないのに不登校になったり、母子分離不安などから不登校になった場合は、様子を見ることはむしろ逆効果になることが多いです。不登校であること自体で自信を失い、負のスパイラルに入るからです。
だらだらと不登校が続いてしまうと、勉強がどんどん遅れ、友だちと話題にもついて行けなくなり、体力も落ちて登下校するだけで重労働になります。更には、お子さんの脳の中に再登校を阻む「現状維持バイアス」が育ってしまうことも注意が必要です。
再登校を待っていると働く「現状維持バイアス」
現状維持バイアスとは、現在の状況よりも好転するとわかっていても、変化を避けて現状維持を求めてしまう心理のことを言います。
この現状維持バイアスは人間なら誰しもが持っていて、本来は悪いものではないです。例えば、以下のようなケースが現状維持バイアスが働いていると言えます。
入ったことのない気になるカフェよりも、いつものチェーン店のカフェについ入ってしまう
要するに「冒険したくない」という気持ちの表れです。上記のケースも、もしかしたら良いカフェを発掘できたかもしれませんが、一方でガッカリする可能性もあります。そのため、いつものカフェを選ぶことで、ガッカリするのは避けられたわけです。
不登校でも同じことが言えます。
不登校が当たり前化してしまうと、「登校したら嫌なことがあるかもしれない」という気持ちがどんどん膨らみ、そして「今のまま登校しなくても別に困らないしいっか」となってしまいます。
つまり、不登校が長引くほどお子さんの脳に不登校の現状維持バイアスが深く刻まれてしまうのです。
「不登校が日常」という状態を経験してしまうと、たとえ再登校出来たとしても、お子さんの脳裏にはやっぱりあのお休みしていた当たり前の日常に戻りたいとの思いが頭をよぎり毎朝「今日は学校行く?行かない?」と自問自答しながらも結局元の日常(不登校)に戻ってしまうのです。
不登校を経験していない子は、イヤなことがあろうと寒い日だろうと「学校は行くもの」であり、それが日常で心も体もそう認識しているので「学校行く?行かない?」という思考回路がそもそもありません。だから迷うこともなく、ストレスを抱えずに自動的に登校できるのです。
それに対して、不登校を一度経験すると、毎朝以下のような選択を脳が取捨選択をしなければいけなくなります。
- 「学校行く?行かない?」
- 「午後だけ学校行く?行かない?」
- 「保健室にだけ行く?行かない?」
- 「お母さんについてきてもらう?一人で行く?」など
親御さんからすると、不登校を解決するために色々な方法を試しているつもりが、いつの間にか母子登校、保健室登校、給食だけ登校、午後から登校、算数だけ保健室登校…など、さまざまな現状維持バイアスを作ってしまっているのです。
そしてその期間が長ければ長いほど、学校で嫌なことがあったときやコロナやインフルなど不確定要素が加わったその時に記憶が頭をよぎり、つい不安で母子登校をしてしまったことでまた母子登校から抜け出せずに維持されてしまう。
「1日くらいは」と休んでしまったことで五月雨の感覚が戻ってきてしまい、また五月雨状態になってしまう。これは本当によくありますし、母子登校や五月雨登校などはその期間が長いほど現状維持バイアスの記憶を断ち切るのが難しいです。
そのため、しっかりとしたアセスメント(分析)でその子オリジナルの不登校プランを練り、最短で復学するのが現状維持バイアスを抜け出すという意味でも最良です。「いつか登校するだろう」と待っている時間が長くなると現状維持バイアスが強くなりますし、色々な不登校方法を試した分だけお子さんの脳に取捨選択負荷がかかります。
なので、色々な方法で色々な現状維持バイアスを作ってしまうのではなく、しっかり朝から登校を継続させて毎日の登校が現状維持バイアスになるようにしてあげないといけないのです。
それをエンカレッジでは休みにくい体質にすると言っています。
休みにくい体質にするには、今の不登校や母子登校の現状維持バイアスを抜け出し、朝から登校する期間を不登校や母子登校の期間より長くしてそちらを現状維持と心と体が思えるようにしてあげることなのです。
「不登校「待つしかない」はNG!いつまで待つのが正解?」まとめ
スクールカウンセラーは慢性的な人手不足で、不登校の子1人1人にコミットできないことも多いです。そのため、当たり障りのない「様子を見ましょう」で子ども自身に自問自答してもらうこともあるでしょう。
確かに「悩みを自問自答して、自分自身で答えを見つける」というカウンセリング手法は一般的には有効です。しかし、人生経験の少ない子どもに「自分で考えよう」というのも難しいですよね。子どもですから、自分で考えているつもりでも、周囲の大人の言葉やネット情報に踊らされます。
心療内科の先生やSNSでよく見かける「不登校でもいいんだよ」という言葉は一見優しいですが、その子が大人になったときも守ってくれるでしょうか。社会に出た瞬間「自己責任」と言われ、見放されることの方がずっと残酷だと思うのです。
子ども自身も、心の奥では誰かが助けてくれることを願っているはずです。ゲームばかりしている自分を普通の生活に引き戻してほしい、自信を持って街を歩ける自分になりたいと望んでいるはずです。
だからこそ、エンカレッジは訪問カウンセリングでお子さんに深く関わっていきます。長い時間を一緒に過ごして関係構築をしたうえで、性格や思考のクセを把握し、いつか社会に出るときも強くしなやかにいられるように、認知行動療法で自立心を育んでいきます。
耳障りの良いことだけを言うのではなく、時に厳しいことも言いますが、そこは心理の専門家なので自己肯定感は損なわないように細心の観察・分析で行います。
「もう待つのはイヤ!」「このまま様子を見ていたらダメな気がする」とご心配の方は、一度無料オリエンテーションでご相談ください。お子さんのご状況に合った対応方法をお伝えさせて頂きます。
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