

最新記事 by 監修者:上野 剛 (全て見る)
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夏休みが始まると、毎日の「登校しなきゃ」というプレッシャーが無くなることで、親子ともに気持ちに余裕ができるのではないでしょうか。
今までに1000人以上の子どもたちの復学をサポートしてきましたが、夏休み明けは再登校の最大のチャンスと言っても過言ではありません。その最大のチャンスを生かすためには、夏休みの過ごし方もまた重要です。
今回は、親御さんからよく頂く質問をまとめつつ、夏休みのおすすめの過ごし方についてお伝えしていきますね!
不登校の子の夏休みの過ごし方は?

まず、おすすめの夏休みの過ごし方ですが、これはお子さんの状況によって変わってきます。
私は不登校は大きく3つの段階「不安定期」「膠着期」「停滞期」があると思っており、この3つの段階に応じた対応が大切だと思っています。
詳しくはこちらの記事でまとめていますのでご覧ください。

不登校の子の夏休みの過ごし方の親御さんからの質問

「夏休みは子どもにゆっくり過ごしてほしい」と思いつつも、宿題はしっかりこなしてほしいし、2学期からは元気に登校できるようになっていてほしい…と、親御さんは複雑な気持ちでおられることと思います。
実際、夏休み前後には毎年たくさんの親御さんからご質問を頂きます。
ここでは、よく頂く質問に対する私の考えをまとめていきますね。
親の疑問①「朝は起こさなくていいですか?」

夏休みになると、親に何も言われなければ朝遅くまで寝ている子どもも多いでしょう。
このようなとき、親御さんは「朝は起こさなくていいのか?」「自立を促すために、敢えて自分から起きるまで手を出さず、見守っている方がいいのではないか?」と迷われるかもしれません。
子どもが朝に起きない理由は以前「不登校で朝起きれない原因と対処法6つ!」でも書いた通り、学校がなくて朝に起きる必要性がないので起きないというケースが多いです。
では夏休みはどうするのかということですが、「なんとなく学校に行きたくない」のようなぼんやりした理由で不登校の子は親が起こした方がいいです。昼夜逆転すると、再登校するハードルがより高くなってしまいますので。
精神的に弱っている子、例えば「学校に行きたいのに行けない」と自己嫌悪スパイラルに陥っていたり、いじめ起因で学校に行けなくなった子などは、心の休息のためにゆっくり寝かせてあげても良いでしょう。ただし、1~2週間経って気持ちに余裕が出てきたら、登校に間に合うような時間に起きるよう生活リズムを整えて行きましょう。
「幸せホルモン」として知られるセロトニンですが、セロトニンは「朝食をよく噛んで食べる」「朝に日光を浴びる」「適度に運動する」ことで活性化すると言われています。
逆にセロトニンが不足すると、暴力的になったり、うつ病を発症する原因となるため、夏休み中の昼夜逆転には注意しましょう。

親の疑問②「TV・ゲーム・YouTube時間は制限するべきですか?」

これも難しい問題ですよね。夏休みは時間がたくさんあるので、ゲームやYouTube時間が長くなるのは仕方ない側面もあります。
しかし、やりすぎはゲーム依存症などに発展する恐れもあるため、やはり家族会議などで時間を決めて、家族みんなでルールを守っていくのが理想です。
しかし、既にゲーム・スマホ依存になっている場合は、無理に取り上げると暴力や親子関係に亀裂が入りかねないため、慎重な対応が求められます。もう子が親の言うことを聞かない場合などは親だけでの対応が難しいので、早いうちに第三者に入ってもらってルール作りなどもしていく方がスムーズに行くことが多いです。


親の疑問③「習い事や外出は不登校に効果がありますか?」

習い事や外出は、本人が行きたいのであれば行くことをおすすめします。
不登校が悪化してくると、自宅から出ない、自室から出れないという状況にもなってきます。そうなることを防ぐためにも、外出はおすすめです。
他人と会うことへのハードルを上げなくて済みますし、夏の暑い中で外出すると体力もつきます。「体力がある」ということは、再登校後の継続登校しやすさにも関わるポイントです。
そのため、夏休み中の習い事や外出は無理ない範囲でしていきましょう。
親の疑問④「おすすめの夏休みの過ごし方は?」

夏休みのおすすめの過ごし方は、その子が不登校になってどのくらいの期間が経っているかや心理状況によって変わってきます。
詳しくはこちらの記事をご覧ください!

親の疑問⑤「登校刺激しても大丈夫でしょうか?」

夏休み明けは再登校がしやすいので、親御さんも期待からつい「夏休み明けは学校行けそう?」と聞いてしまいたくなりますよね。
ただ、「学校行けそう?」は子どもにとってかなりのプレッシャーがかかります。
動き出しについてはこちらの記事で詳しくまとめていますので、参考にしつつ、登校刺激のタイミングには気を付けて行きましょう。

親の疑問⑥「日中は仕事で子どもが1人でいる時間が長いのですが大丈夫でしょうか」

不登校の子の対応とお仕事の両立は、とても大変ですよね。特に夏休みは日中に子どもだけでいる時間が長くなるため、心配される親御さんも多いです。
ただ、もし母子分離不安症が原因で不登校になった場合は、母親と離れて1人で過ごす時間を作った方が良い場合もあります。
一方で、お子さんが精神的に不安定な場合は、やはり親御さんが一緒にいた方が良いケースもあります。
「一緒にいるべきか」という判断は、お子さんの学年や性格、不登校原因など、色々な要素を総合した判断になりますので、迷われる方は一度不登校の専門家に相談されることをおすすめします。

親の疑問⑦「元気すぎてモヤモヤします」

夏休みに入ると不登校の子も元気になることは非常に多いです。登校のプレッシャーがなくなるので、気分が軽くなるからです。
元気な姿を見ていると「元気なのになんで登校できないの?」とモヤモヤやイライラを感じられる方もおられると思いますが、お子さんが元気ということは再登校の下地があるということなので着々と再登校に向けて準備して行きましょう。
お子さんが外出や習い事ができそうなら積極的に外出して体力をつけたり、友だちと遊びに行けそうなら送り出して友だちとの関係性を育んだり、生活リズムを整えて行きましょう。

親の疑問⑧「毎日一緒にいてこちらが疲れてしまいます」

夏休みは長いですから、子どもの生活リズムを整えさせたり毎日の昼食を準備したり、宿題をさせたり…と、親御さんの負担はどうしても増えてしまうので、疲れてしまうのも当然です。
まずは、親御さんがご自身の頑張りを認めてあげてくださいね。疲れているのは毎日頑張っているからです^^
疲れているということは、親御さん自身がしっかり休息を取れていないのかもしれません。できるだけ家事育児をパートナーや近所の親戚などに助けてもらったり、便利家電を利用したり、たまには1人きりでゆっくりする時間を確保できたらいいですね。
ストレスを溜め過ぎると人間はついマイナス思考になってしまうので、ストレスが大きくなる前にこまめに発散するのがおすすめです。自分へのご褒美スイーツを準備する、子どもが寝たら気になるドラマを見るなど、日々こまめにストレス発散していきましょう。
親の疑問⑨「部屋が汚すぎます」

部屋が汚くなるのも、夏休みあるあるですね(笑)
家庭教育としては自力で気付いて片づけてほしいところではありますが、得意不得意もありますし、まだ片付けスキルが高くない子もいるでしょう。
部屋の片づけについては以前こちらの記事にまとめていますので、参考にしてくださいね。

親の疑問⑩「始業式前にしておくべきことは?」

スムーズな再登校のために、始業式前にしておくべきことを聞かれることも多いです。しかし、絶対にしておいた方がいいことはそんなに多くはありません。
- 生活リズムを整える
- 宿題を終えておく
本当は「たとえ宿題が終わっていなくとも、学校は行くもの」というスタンスなのですが、やはり宿題が終わっていないと罪悪感を感じたりして学校に行きにくいので、登校のハードルを下げるためにも宿題は済ませておくと良いでしょう。
その他、以下のような方法で登校をしやすくすることもあります。このあたりは必須ではないので、子どもの性格や環境などを見て調整していきましょう。
- 始業式に一緒に登校する約束を友だちとしておく
- 朝ごはんを好物のものにして、テンションを上げる
- 文房具などをお気に入りのものに新調してテンションを上げる など
「不登校の小学生の夏休みの過ごし方は?親の疑問10個に復学専門家が回答」まとめ

夏休みはとても長いので、「悪い過ごし方をしてしまったらどうしよう」と不安な親御さんも多いかもしれませんが、意外とやるべきことは少ないのです。
「昼夜逆転を起こさないようにすること」「宿題を少しでもいいから進めておくこと」、この2つを注意して行きましょう。
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