登校しぶりはいつまで様子を見る?見守っていいケース・早めに対応したいケース
監修者:上野 剛
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毎年、ゴールデンウィーク明け、シルバーウイーク明けなど休みが続いた後は特に、登校しぶりで悩む親御さんからのご相談が増えてきます。
「朝になると学校へ行きたくないと言う」
「休ませて様子を見ているけれど、このままでいいのだろうか」
「無理に登校させず、本人が動き出すまで待った方がいいのだろうか」
お子さんの登校しぶりが続くと、保護者の方が特に迷われるのが、「いつまで様子を見ればいいのか」ということではないでしょうか。
登校しぶりは、まだ学校に通えていることも多いため、周囲からはそれほど深刻に見えないことがあります。
しかし家庭では、朝から子どもの様子を気にしながら声をかけたり、登校できるかどうかで仕事の予定を変更したりと、親御さんの負担が大きくなっていることも少なくありません。
「○日休んだら対応する」「○週間までは様子を見る」という一律の基準はありません。
大切なのは、休んだ日数だけを見るのではなく、
「登校しぶりが始まった頃と比べて、子どもの状態がどちらの方向へ進んでいるのか」
を見ることです。
一時的な登校しぶりで、その後自然に登校できるようになる子もいます。
一方で、「もう少し様子を見よう」と同じ対応を続けている間に、欠席が増え、学校へ戻るハードルが少しずつ高くなってしまうケースもあります。
そこで今回は、登校しぶりをいつまで様子を見るべきなのか、見守ってもよいケースと、早めに対応を考えたいケースについて、これまでの支援経験をもとにお伝えします。
登校しぶりの原因や年齢別の特徴、家庭での対応などを全体的に知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
登校しぶりはいつまで続く?回復までの期間は?
「登校しぶりはいつまで続きますか?」
「見守っていれば、そのうち普通に登校できるようになりますか?」
このようなご質問をよくいただきます。
確かに、一時的に登校をしぶったものの、その後自然に登校できるようになったケースもあります。
大人でも「今日は仕事に行きたくないな」と感じる日があるように、子どもにも学校へ行きたくない日はあります。
ですから、数日間登校をしぶったからといって、すぐに不登校になるわけではありません。
ただし、登校しぶりにはさまざまな背景があります。
そのため、「何日続いたら問題」という日数だけで判断するよりも、子どもの状態がどう変化しているのかを見ることが大切です。
- 休む日や遅刻する日が増えていないか
- 学校への不安が以前より強くなっていないか
- 生活リズムが崩れてきていないか
- 学校や友達とのつながりが減っていないか
- 親子ともに「明日の朝」を負担に感じるようになっていないか
比較的、様子を見てもよい登校しぶり
登校しぶりの中には、一時的なものもあります。
例えば、
「マラソン大会の練習が嫌だ」
「プールの授業が嫌だ」
「今日は苦手な発表がある」
など、学校へ行きたくない理由が比較的はっきりしている場合です。
原因となっている出来事が終わることで、いつも通り登校できるようになるケースもあります。
- 学校そのものを強く嫌がっているわけではない
- 嫌な行事など、登校をしぶるきっかけが比較的明確
- 友達や先生とのつながりが保たれている
- 家庭では比較的元気に過ごせている
- 「明日は行こうかな」など本人から前向きな言葉が出ている
ただし、これらに当てはまれば必ず自然に回復するという意味ではありません。
大切なのは「その後どう変化しているか」を見ていくことです。
登校しぶりは繰り返す?
「一度登校しぶりが落ち着いたのですが、また繰り返すことはありますか?」
という質問もよくいただきます。
登校しぶりの背景となっている問題が十分に整理されていない場合、何かのきっかけで再び登校をしぶることがあります。
例えば、親と離れることへの不安が強い子の場合、一度は登校できるようになっても、
- 先生に注意された
- 友達とケンカした
- 授業で失敗した
- 長期休みが入った
といった出来事をきっかけに、再び「学校へ行きたくない」となることがあります。
そのため、
目の前の「行く・行かない」だけではなく、なぜ登校をしぶっているのかを整理することが大切です。
登校しぶりを繰り返す場合には、特に月曜日や長期休み明けに強く出るケースもあります。
登校しぶりはいつまで様子を見るべき?原因別に考える
登校しぶりにはさまざまな背景があるため、「○日間は様子を見れば大丈夫」と一律に決めることはできません。
ここからは、登校しぶりの背景別に、どのような点を見ていけばよいのかを説明します。
登校しぶりの理由がはっきりしている場合
「マラソン大会の練習が嫌だ」
「プールの授業が嫌だ」
など、明確な理由がある場合には、その出来事が終わるまで少し様子を見るという考え方もあります。
ただし、
マラソン大会が終わったのに、今度は「算数が嫌」と言う。
その次には、
「友達が嫌」「先生が嫌」
というように、学校へ行きたくない理由が次々に変わっていくことがあります。
このような場合は、本人が最初に話していたこととは別のところに、登校しぶりの背景がある可能性も考える必要があります。
月曜日や長期休み明けに登校しぶりする場合
月曜日や夏休み・冬休みなどの長期休み明けは、登校しぶりが起きやすいタイミングです。
大人でも休日の終わりに「明日から仕事か……」と気が重くなることがあります。
子どもも同じで、休みの生活から学校生活へ切り替えるときに気持ちが重くなること自体は珍しいことではありません。
そのため、休み明けに一時的に「学校へ行きたくない」と言ったからといって、それだけで深刻な問題と考える必要はありません。
ただし、
- 毎週月曜日になると休むようになった
- 日曜日の夜から強い不安が出る
- 長期休みのたびに登校できなくなる
- 休み明けをきっかけに欠席が続くようになった
という状態であれば、単発の「行きたくない」ではなく、登校しぶりのパターンが定着してきていないかを見ていく必要があります。
詳しくはこちらの記事でも解説しています。
友達や先生との人間関係が理由の場合
「友達に嫌なことを言われた」
「先生に嫌われているような気がする」
など、人間関係を理由に登校をしぶる場合には、まず実際に何が起きているのかを確認することが大切です。
いじめや行き過ぎた指導などが疑われる場合には、本人の話を聞いたうえで、学校とも情報を共有してください。
一方で、事実関係を確認しても大きな問題が見つからない場合には、本人の物事の受け取り方や、不安の強さが影響していることもあります。
例えば、
「気づかなかっただけなのに、無視されたと思ってしまう」
「一度注意されただけで、自分は何をやってもダメだと思ってしまう」
などです。
必要に応じて、スクールカウンセラーなど心理の専門家へ相談することも一つの方法です。
腹痛や頭痛など体調不良がある場合
登校しぶりとともに、腹痛、頭痛、めまい、朝起きられないなどの体調不良を訴える子もいます。
この場合、「学校へ行きたくないから言っているだけ」と決めつけないことが大切です。
身体的な病気が隠れている場合もありますし、不安や緊張によって身体症状が出ていることもあります。
- 「仮病じゃないの?」
- 「これくらい大丈夫でしょ」
- 「お父さん(お母さん)が子どもの頃は行っていたよ」
まずは本人が感じているつらさを否定せず、症状が続く場合や強い場合には、かかりつけの小児科など医療機関へ相談してください。
診察を受けても症状が続く場合や、学校への不安との関連が強いと感じる場合には、学校や心理の専門家などとも相談しながら対応を考えていきましょう。
小学生の場合
小学生の登校しぶりは、学年によって背景が異なることがあります。
特に小学1年生は、入学によって生活環境が大きく変わります。
学校という新しい環境に慣れていなかったり、親と離れて長い時間を過ごすことに不安を感じたりして、登校をしぶることがあります。
また、幼稚園や保育園の頃から親と離れることへの不安が強かった場合には、分離不安が登校しぶりの背景にあることもあります。
一方、学年が上がってくると、
- 友達との人間関係
- 勉強が難しくなったことへの不安
- 先生との関係
- クラス替えなど環境の変化
- 失敗することや周囲からどう見られるかへの不安
など、登校しぶりの背景も少しずつ複雑になってきます。
- 登校をしぶり始めた時期に何か変化がなかったか
- 学校ではどのように過ごしているか
- 友達や先生との関係に変化はないか
- 勉強への苦手意識が強くなっていないか
- 朝だけ不安が強いのか、一日を通して元気がないのか
- 親と離れることへの不安が強くないか
小学生の場合は、本人が登校しぶりの理由をうまく言葉にできないこともあります。
「どうして学校に行きたくないの?」と理由を聞くだけではなく、家庭での様子や学校での様子、登校しぶりが始まった時期などを含めて考えていくことが大切です。
小学1年生の登校しぶりについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
分離不安と登校しぶりの関係については、こちらの記事も参考にしてください。
中学生の場合
中学生になると、小学生の頃とは登校しぶりの背景が少し変わってくることがあります。
学習内容が難しくなり、定期テストや成績、高校受験などへのプレッシャーが大きくなるほか、部活動や友人関係、先輩・後輩との関係など、学校生活そのものが複雑になってきます。
また思春期に入り、親に自分の気持ちを詳しく話さなくなる子も増えてきます。
そのため、
「学校がだるい」
「行きたくない」
「別に理由はない」
と言っていても、本人の中ではさまざまなことが重なっている場合があります。
- 定期テストや成績への不安が強くなっていないか
- 授業についていけない、課題がたまっているなど学習面の負担はないか
- 友人関係や部活動で困っていることはないか
- 朝起きられない、夜眠れないなど生活リズムに変化はないか
- 遅刻・早退・欠席が少しずつ増えていないか
- 以前より学校や家族との会話を避けるようになっていないか
特に中学生では、「学校に行きたくない理由を本人に聞けば分かる」とは限りません。
思春期ということもあり、自分でも気持ちをうまく整理できなかったり、親には言いたくなかったりすることもあります。
そのため、「どうして行きたくないの?」「何があったの?」と繰り返し理由を聞き出そうとするよりも、まずは普段の生活や学校での変化を見ながら状況を整理することが大切です。
また、登校しぶりが続くことで授業の遅れや欠席への不安が大きくなり、それがさらに「学校へ行きづらい」という気持ちにつながることもあります。
登校しぶりが長引き始めている場合は、「本人が行くと言うまで待つ」だけではなく、早めに学校と情報を共有し、家庭でできる対応を整理していきましょう。
「見守る」と「何もしない」は違います
登校しぶりへの対応について、
「無理をさせずに見守りましょう」
と言われることがあります。
もちろん、心身ともに疲れている子には休養が必要ですし、無理に登校させることが適切ではないケースもあります。
ただ、私が長年の支援の中で保護者の方にお伝えしているのは、
「見守ること」と「何もせず時間が過ぎること」は同じではありません。
ということです。
見守っている期間にも、確認できることがあります。
- 生活リズムはどう変化しているか
- 家庭ではどのように過ごしているか
- 学校や友達とのつながりは保たれているか
- 親子の会話はどう変化しているか
- 欠席や遅刻が増えていないか
- 本人の不安は強くなっていないか
必要に応じて学校と情報を共有したり、家庭での対応を見直したり、専門家に相談したりすることも「見守る」期間にできることです。
早めに対応を考えたい登校しぶりのサイン
登校しぶりがあるからといって、必ず不登校になるわけではありません。
ただ、状態が変化しているにもかかわらず同じ対応を続けていると、学校へ戻るハードルが高くなってしまうケースがあります。
- 遅刻・早退・欠席が徐々に増えている
- 朝の腹痛や頭痛などが増えている
- 昼夜逆転など生活リズムが崩れてきた
- 学校や友達の話を避けるようになった
- 外出する機会が減ってきた
- 学校へ行きたくない理由が次々と変わる
- 登校の話をすると強く反発するようになった
- 毎朝「行く・休む」を親子で話し合う状態になっている
一つ当てはまったからといって、「このまま不登校になる」ということではありません。
ただし、複数の変化が重なっていたり、以前より状態が悪くなっていたりする場合には、
「もう少し様子を見る」以外の対応も考えるタイミング
だと思います。
登校しぶりから不登校につながることもある
登校しぶりと不登校は同じではありません。
登校をしぶりながらも、その後通常の登校に戻る子もいます。
一方で、
「朝になると行きたくないと言う」
↓
「時々休むようになる」
↓
「週に何日か休む」
↓
「ほとんど学校へ行けなくなる」
というように、少しずつ欠席が増えていくケースもあります。
だからこそ、
「この子は不登校になるのだろうか」と先のことを心配し続けるより、今の状態がどちらの方向へ進んでいるのかを見ること
が大切です。
早い段階で状況を整理することは、無理に学校へ行かせることではありません。
今は休養が必要なのか。
家庭での関わり方を変えた方がいいのか。
学校との調整が必要なのか。
専門家へ相談した方がいいのか。
まず「現在地」を整理することが、その子に合った対応を考える第一歩になります。
登校しぶりの原因や対応を詳しく知りたい方へ
この記事では、「登校しぶりをいつまで様子を見るか」という点を中心に解説しました。
しかし実際には、登校しぶりの背景は一人ひとり異なります。
「そもそも、なぜ学校へ行きたくないのだろう?」
「朝はどう対応したらいい?」
「休ませるべき?行かせるべき?」
「親はどんな声をかければいい?」
こうした登校しぶり全般については、こちらの記事で詳しくまとめています。
Instagramでも登校しぶり・不登校について発信を始めました
エンカレッジでは、このブログに加えてInstagramでの情報発信も始めました。
不登校や登校しぶりについて悩んでいるとき、
「長い記事を読む余裕がない」
「まずポイントだけ知りたい」
という日もあると思います。
Instagramでは、これまでの不登校・復学支援の経験をもとに、保護者の方に知っていただきたいことを、できるだけ分かりやすくまとめてお伝えしていきます。
今回の記事にも関連する「待つ・見守る」というテーマについても紹介しています。
ブログとあわせて、お子さんへの対応を考える一つのヒントとしてご覧ください。
登校しぶりについてよくある質問
Q.登校しぶりは何日くらい様子を見ればいいですか?
「○日までなら大丈夫」という一律の基準はありません。
日数だけではなく、登校しぶりが始まった頃と比べて、子どもの状態が回復方向に向かっているのか、欠席や生活の乱れなどが広がっているのかを見ることが大切です。
Q.「学校に行きたくない」と言ったら休ませた方がいいですか?
子どもの状態や登校しぶりの背景によって異なります。
心身ともに疲れていて休養が必要なケースもあります。一方で、毎朝「今日は行く?休む?」と本人に判断を委ね続けることが、かえって負担になる場合もあります。
まずは、なぜ登校をしぶっているのか、現在の状態を整理することが大切です。
Q.見守っていれば自然に登校できるようになりますか?
一時的な登校しぶりから自然に通常登校へ戻る子もいます。
しかし、すべての登校しぶりが時間だけで解決するわけではありません。
見守っている間にも、生活リズム、学校とのつながり、欠席状況などがどのように変化しているかを確認しましょう。
Q.登校しぶりが続いたら、いつ相談すればいいですか?
「何週間続いたら相談する」という基準だけで考える必要はありません。
欠席が増えている、生活リズムが崩れてきた、学校とのつながりが薄れてきた、親子ともに朝の登校を負担に感じているなど、状態が変化していると感じた段階で相談するのも一つの方法です。
まとめ|「いつまで待つか」より「どう変化しているか」を見る
登校しぶりが始まると、
「しばらく休ませた方がいいのかな」
「そのうち自分から行くようになるのかな」
「このまま不登校になったらどうしよう」
と迷われると思います。
そんなとき、「何日待つか」だけで判断する必要はありません。
大切なのは、お子さんが今どのような状態にあり、登校しぶりが始まった頃からどのように変化しているのかを見ることです。
休むことで少しずつ元気になっているのであれば、その時間に意味があるかもしれません。
一方で、欠席が増えたり、生活リズムが崩れたり、学校との距離が少しずつ広がっているのであれば、対応を見直すタイミングかもしれません。
今は休む時期なのか。
もう少し見守る時期なのか。
家庭でできることがあるのか。
学校との調整が必要なのか。
まずは、お子さんの「今」を整理するところから始めてみてください。
ご家庭だけでは判断が難しい場合もあります。
エンカレッジのオリエンテーションでは、お子さんの現在の状況をお聞きしながら、今どのような段階にいるのか、これから家庭で何ができるのかを一緒に整理していきます。
「このまま様子を見ていていいのかな」という段階でも構いません。

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