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不登校のサポートをお願いしたいと思ったとき、どんな種類があって、我が子には何が向いているのかがわからない親御さんも多いのではないでしょうか。
不登校支援は色々なものがありますが、まずは「公的支援」か「民間支援」が大きな違いです。不登校解決にはお子さんの不登校理由に合った対応が大事であり、各機関・支援ごとに得意とする対応やケア方法に特徴があるため、今回は不登校支援の種類と特徴についてお伝えしていきたいと思います。
私たち不登校支援グループエンカレッジでは、今まで1000人以上の子どもたちの復学をサポートし、設立17年の現在も復学率は100%を維持しています。不登校に悩む方向けに無料のLINEやメルマガの発信もしておりますのでご活用ください。
不登校支援の公的機関
不登校は年々増加し社会問題化しているため、公的サポートも年々進んできているように思います。
ここでは、自治体や学校などが行っている公的支援について、種類と特徴をまとめていきますね。
【不登校支援の公的機関①】スクールカウンセラー
お子さんが不登校になると、まず親御さんが頼りたいのがスクールカウンセラーではないでしょうか。登校しぶりがひどかったり、不登校になると担任の先生から親御さんにスクールカウンセラーの案内がされるかと思います。
スクールカウンセラーのほどんどは臨床心理士ですが、大学院などでしっかり心理を学んだ資格保有者なので、安心して子どものカウンセリングもお願いできますよね。
スクールカウンセラーとカウンセリングするメリットは、やはり学校との連携が取りやすいところ、費用がかからないので親御さんも気軽に利用できるところではないでしょうか。
一方で、カウンセリングの度に学校に赴かなければならず、家から外出できない子にはハードルが高いデメリットもあります。また、例えば東京都であればスクールカウンセラーは1人で3校を担当しますが、予約待ちが多くてカウンセリングが2か月に1回になってしまったり、1年契約の非常勤講師の場合は慣れてきても担当が変わったり…ということがあり得ます。
【不登校支援の公的機関②】適応指導教室・放課後デイサービス
不登校がそこまで進行しておらず、教室には入れないけど学校には行ける、自宅から外出するのは抵抗ないような場合は、教育支援センター(適応指導教室)や放課後デイサービスも選択肢の1つです。
一般的な小学校は35人前後の子どもを1人の担任で見るので、先生方もどうしても手が回らずにフォローしきれないこともありますが、教育支援センター(適応指導教室)や放課後デイサービスであれば1人1人の子を丁寧に見ていく体制があります。
そのため、神経発達症(発達障害)やグレーゾーンの子が学校に慣れるための練習の場としても良いですし、母子分離不安(母子依存)がある子はお母さんと距離を取る練習のために活用するのも良いでしょう。
「親以外に自分を見てくれる人がいる、家以外にも居場所がある」という感覚を育てるのにも、教育支援センター(適応指導教室)や放課後デイサービスは利用できます。
ただ、気をつかないといけない点としては、教育支援センター(適応指導教室)や放課後デイサービスはハードルが低い分、そこが居場所になる可能性がある点です。
学校が合わずに個別対応の方が合っている子には、教育支援センター(適応指導教室)や放課後デイサービスは効果的ですが、学校復帰を考えている場合は、学校以外の選択肢が増えることが必ずしもプラスにならないということもあります。
一時的に不安定になって不登校になり、そこから状態が落ち着き元気が戻ってきて、再度頑張ろうと思った時に他の選択をしていない子は、学校復帰という迷いのない選択になりますが、保健室登校や、教育支援センター(適応指導教室)や放課後デイサービスを経験している子は、教室、保健室、教育支援センター、放課後デイという4択になります。選べる分、教室復帰という観点からすると時間がかかる可能性があるということです。
他の選択肢が良くないということではなく、元気が戻ってきて教室復帰する力のある子が、ハードルの低いところからの復帰になると時間的がかかってしまう可能性があるので、復学支援専門家としては、もったいないと思うこともあります。
また、力のある子がハードルの低いところで満足してしまう可能性もあります。
大人でも楽な方があれば流れてしまうというのはあると思います。子どもならなおさら、そのようになっても不思議ではありません。
他の選択肢を否定しているのではなく、そこが合っている子には大切な選択肢になりますし、効果的な学びを提供していただけると思うのですが、力のある子なのに時間がかかってしまうことや、楽な方に流れてしまう子にその選択肢が増えてしまうことに対してリスクもあること知っていただきたいのです。
【不登校支援の公的機関③】自治体の相談センター
自治体の相談センターも気軽に利用できる相談窓口の1つですね。
近年は社会や自治体の理解も進んで国や自治体でも様々な不登校支援をしているので、20年近く子ども達のサポートをしてきた身からすると社会がかなり進歩したと感じます。
ただ、近年は不登校が非常に増えたことで自治体の窓口もパンク状態で初回カウンセリングまで1か月待ち…といったこともあるので、すぐに相談したい方には向かない場合もあります。
「無理に登校させてはいけません。心のエネルギーが溜まるまで待ちましょう」と言われることも多いですが、それは自治体が行うがために何かあってはいけないので、カウンセリングが非常に慎重に、当たり障りがないように進むからです。
「再登校まで時間がかかってもいいからとにかく子どもには無理をさせたくない」「次回カウンセリングまでの間、相談しなくても不登校対応を頑張れそう」と思う親御さんに向いていると思います。
しかし、カウンセリングが慎重すぎて時間がかかったがためにお子さんが余計に不安定になることもあるため、待ち続ける、様子を見続けることがあまりにも長いときは注意が必要です。
【不登校支援の公的機関④】心療内科・児童精神科
不登校でお子さんが心配なときは、心療内科や児童精神科でのカウンセリングも良いでしょう。
特に、これらの医療機関ではWISKのような知能検査や心理検査、発達検査も受けることができるので、お子さんの状態を客観的に把握できるメリットがあります。
ただデメリットとしては、子どもは心療内科や児童精神科に行くことをとても嫌がることが多いです。「心療内科」と聞くと「僕は精神的におかしいと思われているんだろうか?」といった恐怖感で頑なに受診を拒む子もいて、苦労される親御さんも多いです。
また、どうしても必要な子には処方箋も出してもらえることも心強いでしょう。薬はちょっとと思われる方もいらっしゃると思いますが、最近は副作用の少ない薬も多く、エンカレッジのクライアントさんの中にも医療連携している方もいらっしゃいます。
特にASDやADHDと特性のある子には不安からくる嘔吐不安や、過集中などに実際に効果があり生活が安定してきているように感じます。
ただ、受診のタイミングは大事だと思うので気になる方は以前書いたこちらの記事「不登校のとき心療内科に行くべきかの見極め方!受診のデメリットとは」もご覧ください。
不登校支援の民間機関
不登校の公的支援は、費用がかからない or 安価というメリットがある一方で、カウンセリングの頻度が低かったり、カウンセラーも同時に数十人と担当するのでその子にコミットしにくいというデメリットがありました。
それに対して民間の支援は、費用はかかるもののサポートが手厚いというメリットがあります。そして民間だけに、理念も手法も色々あります。
民間の不登校支援を検討する際は、まずは「理念」に共感できるかどうかをチェックしましょう。具体的には以下のようなものです。
- 「子どもが自分から登校したくなるまで待つ」のか「親が積極的に働きかける」のか
- 「不登校は個性だから学校に行けなかったらそれでもいい」のか「できるだけ再登校の道を探り、何らかの学校に所属できるようにする」のか
- 子どものデジタル依存が深刻なとき「無理にでも取り上げる」のか「お互いが納得する形で柔軟に対応する」のか
- 親だけの支援なのか、子どもへのアウトリーチ型のアプローチ(訪問カウンセリング)があるのか
- 心理師の資格を持った方がやっているのか、一般の方が独学や経験論だけでされているのか など
民間だからこそ、このような理念や方針は多種多様なので、共感・納得できる支援を選びましょう。
そのうえで、カウンセリングや支援の手法の特徴を以下でまとめて行きますね。
【不登校支援の民間機関①】電話・オンライン相談
近年多くなっているのは、電話やオンラインでのカウンセリングではないでしょうか。
直接会わないので遠方でもどこにいても相談しやすく、移動時間やコストを抑えられ、比較的予約が取りやすいのもメリットですね。
電話やオンラインのカウンセリングでおすすめなのは、できるだけ頻度高くカウンセラーと話すことです。不登校支援においては家庭内対応が非常に大事なのですが、「こういうときは、このような対応をする」というのが最初は親御さんもなかなかわからないと思うので、週に何度か連絡を取っていると親御さんも取るべき対応方法がわかってきて、徐々に自分で判断して行えるようになりやすいからです。
ただし、親御さんが相談していることをお子さんに聞かれるとギクシャクすることもあるかと思うので、子どもに聞かれない工夫をするなどの注意は必要です。
【不登校支援の民間機関②】メール相談
メールで相談する方法もあります。
メールの良いところは、何度も読み直せるところですよね。読み返してゆっくり咀嚼したい方におすすめの方法です。また、相談内容をお子さんに見られにくいというメリットもあります。
ただデメリットとしては、やり取りできる情報量がどうしても少なくなってしまうことです。不登校のご家庭では「子どもが暴れ出して、今すぐに対応方法を知りたい」のような急ぎの相談も多いと思いますが、メールではこのような素早い対応はできないのもデメリットと言えるでしょう。
【不登校支援の民間機関③】来訪相談(来談者中心療法)
来訪相談は昔からあるアプローチですね。カウンセリングルームや医療機関の一室に親御さんとお子さんに来てもらい、カウンセリングする方法です。
私は今まで1000人以上の子どもと親御さんにカウンセリングしてきましたが、やはり直接会うことは非常に大事だと思っています。もちろん電話やメールも手軽でいいのですが、直接会うからこそ、親御さんの表情や声のトーンでツラい状態なのか、何かいつもと違う雰囲気だなということもすぐにわかります。
大切なお子さんのセンシティブな悩みを共有するのに、会ったことも顔も見たこともない人に相談するというのも違和感がありますよね。お子さんに会える場合は、お子さんと直接接することでお子さんの性格や雰囲気もわかりやすいですし、特性がありそうかもすぐにわかります。
ただ来訪相談のデメリットは、お子さんが嫌がるケースが多いということです。そもそも外に出るのがイヤだったり、ましてや白衣を着た大人に会うのはプレッシャーがあるかと思うので、まずは親御さんからカウンセリングを受けるなど、無理をせず進められるかがポイントとなります。
【不登校支援の民間機関④】訪問支援(アウトリーチ型アプローチ)
訪問支援とは、不登校の子のご自宅まで訪問してカウンセリングする形式です。エンカレッジも、この訪問支援に力を入れています。
例えば不登校が長期化すると、罪悪感や知り合いと会いたくない気持ちから外出すること自体がかなりのストレスになってしまうため、家から出ること自体が難しいケースも増えていきます。
そこで、カウンセラーがご自宅を訪問することで【不登校→家から出ない→外が怖い→もっと家から出ない】という悪循環を断ち切るようにしています。
しかし、家族療法もそうなのですが、もともとカウンセリングは1対1で受けるということが基本なのをたまたま家族でカウンセリングをしたら効果的だったことから波及して、現在たくさんの家族療法の流派が生まれているように、前提条件というのは時代の流れで変わっていく必要があると思っています。今はカウンセリングはカウンセリングルームで来訪しなければいけないという方は少なくなり、訪問支援(アウトリーチ型支援)は行政でも多く取り入れられるようになりました。
実際に、11月には私がアウトリーチ型支援の専門家として教育庁からの依頼で訪問支援員や市町村担当課職員に向けての研修講師をさせていただく予定です。
このように、エンカレッジでは支援当初からアウトリーチ型のアプローチを行い、子どもが落ち着いて過ごせる自宅まで訪問してカウンセリングすることで、子どもの本心を引き出し、不登校の原因からアセスメント(分析)を進め、学校復帰まで導いてきたのです。
昔は、訪問カウンセリングなんてカウンセラーとしてありえないとよく言われましたが、それも懐かしい思い出です。
【タイプ別】おすすめの不登校支援
ここまでざっくりと公的支援・民間支援の違いやメリット・デメリットを見てきましたが、では実際に、どのような方にどのような支援が向いているのでしょうか。
以下では親御さんとお子さんのタイプから、向いている不登校支援についてまとめます。
不登校の原因から考えたい
色々な不登校支援がありますが、「不登校には原因がある」と考えるか、「原因は関係ない」と考えるかも大きな違いと言えます。
ちなみに、エンカレッジは不登校の原因を公認心理師がしっかりアセスメント(分析)します。なぜなら、原因がわからないままでは解決法はわからないし、根本解決にもならないと考えているからです。
- 「この子は母子分離不安から不登校になった可能性が高いため、自立心が育てば教室内で不安にならないはず」
- 「この子は完璧主義で自分で自分を追い込んでしまっているので、授業中にあてられたりテストがあるたびに辛い思いをしているのが登校したくない理由では」
このような不登校原因の分析と対策ができてこそ登校できるのであって、原因がわからないまま登校させるのは子どもの心に無理が生じやすいと感じています。
そして、不登校になった原因がわからないまま再登校出来たとしても、また何らかの原因で再不登校になる可能性が高いと考えているからです。
もし「不登校になった原因分析したい」と思われる方は、しっかりアセスメント(分析)できる心理の専門家や資格保有者にカウンセリングしてもらうと良いと思います。
とにかく費用を安く抑えたい
「とにかく費用を安く抑えたい」ということであれば、やはり民間支援ではなく公的機関に相談されるのが良いと思います。
ただ、近年非常に不登校が増えていることもあり、カウンセリングの予約待ちが数週間かかるようなケースもあるので、待ち時間が発生する可能性も視野に入れておくと慌てないと思います。
そして、ただただ待っているだけの時間は親子ともに辛いはずです。適度に気分転換をする、カウンセリング予約までの間に不登校に関する本を読んで夫婦で意見の擦り合わせをしておく、お子さんが精神的に不安定になっていないか気を付けて見ておくなど、「できることを見つけて少しずつやっておくこと」が不安感軽減のポイントなので、ぜひ試してみてくださいね。
見守り続けるのが不安
「スクールカウンセラーに、《心のエネルギーが溜まるまで待ちましょう》と言われたのですが、このまま見守り続けて本当に大丈夫でしょうか?」というご相談もよく頂きます。
確かに、いじめなどで心に傷を負っている場合はゆっくり休ませてあげることが大事です。一方で、なんとなく面倒だから学校に行きたくない、やる気が出ない無気力のような場合などは、ただ見守るだけでは解決するどころかリスクがあることも忘れてはいけないと思うのです。
もし公的機関にしろ民間支援にしろ納得いかない診断や方針があれば、セカンドオピニオンとして他のところにも相談してみてはいかがでしょうか。
修学旅行はどうしても行かせてあげたい
しばしば「できたら〇〇までに再登校させてあげたいんです」という、期限のあるご相談を時々頂くことがあります。しかし、子どもを無理には登校させられません。
そのため、短期間で再登校を目指す場合や、期限やゴールがある場合は民間支援で手厚くフォローしてもらうのが安心かと思います。
エンカレッジでも、できるだけ早い再登校を希望された場合は、通常週1回の訪問カウンセリングを週2回にするなど、一層注意深く子どもを観察して対応していきます。
「不登校支援の公的機関or民間機関の違いを解説!費用や通いやすさは?」まとめ
今回は、不登校の公的支援と民間支援に違いをざっくりとまとめさせて頂きました。
不登校生徒数は年々増加しているので、公的支援も昔に比べればかなり増えてきましたが、国や自治体が対応するスピードよりも不登校の子どもが増える方が早いのでなかなかスムーズに対応しきれていないケースもあるかと思います。
その点、やはり民間支援は手厚いです。毎日相談ができると親御さん自身が安心できたり、自宅を訪問してもらえて外出の労力を温存できたり、公的支援にはないサポートがあります。
費用はかかりますが、お子さんの性格や特性、普段の親子関係などからしっかりアセスメントしてもらうと不登校の原因がある程度わかってくるため遠回りせずに再登校を促すことができるのです。
もしこの記事をご覧の方が、民間支援のなかでもエンカレッジに興味を持たれた場合は、支援内容やクライアントアンケートもぜひご覧ください。そして、無料オリエンテーションもご活用くださいね。
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