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毎年ゴールデンウイーク明けは不登校や登校しぶりの子が増えます。
登校しぶりが少し悪化してくると親御さんからは「朝になかなか起きてこられません」「どうやって朝起こしたらいいですか?」という質問をとてもよく頂きます。
お子さんのためにも強気に鼓舞して起こした方が良いのか、それとも辛い気持ちに寄り添って休ませてあげた方が良いのか…判断に迷いますよね。しかし休ませた途端、泣いているのは朝だけで昼前から楽しそうにしていて「学校を休ませなければよかった!」と後悔したり…朝の声掛けや起こし方で悩んでいる親御さんはとても多いです。
そこで今回は、朝の起こし方や声かけ方法についてお伝えしたいと思います。
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不登校・登校しぶり時の起こし方
まず大事な考え方は、不登校の原因は様々なので「これが絶対正しい!」「こうすべき!」とはっきり言い切れる朝の起こし方というのはないことです。
私たちエンカレッジは、あくまで訪問カウンセリング等を通じてその子の不登校原因を探ったり、元々持っている性格・資質に合わせて対応方法を考えます。なので一概に朝の起こし方を説明はできないのですが、ここでは不登校・登校しぶりのパターンに応じた対応方法の一例をご説明していきますね。
朝の起こし方・声掛けは「問題所有の原則」が基本
まず基本的な朝の起こし方ですが、朝の声かけは「起きなさい」といった指示・命令ではなく、「7時だよ」といった時間で伝えるのが有効です。というのも、他人に強制された時間で行動すること自体がストレスになり得ますし、あくまで起きるのは本人の問題なので自立を促すために本来親が介入すべきではないからです。
例えば朝起きるリミットが7時の場合は、6時40分くらいから「6時40分だよ」「6時50分だよ」「7時だよ!」と3回くらいスヌーズ的に声をかけます。リミットのところは強めに声をかけるといいですね。
「7時だよ」という言い方は、「あくまでもあなたの問題だけど、時間だけは伝えておくね」という意味合いです。目覚まし代わりに時間は伝えてあげるけど、その先の行動は自分で考えさせるということですね。
親が「起きなさい」と言うと、よく「お母さんの起こし方が悪い」と言われることがありますよね。これは問題所有の原則に反して、親が問題に介入しているから言われるのです。「7時だよ」だと時間を伝えてあげているだけで、あくまで起きる起きないは自己責任なので、「起こし方が悪い」とは言われにくい言い方でもあります。
朝だけ泣く場合
朝に「7時だよ」と時間を伝えるのはあくまでサービスであり、「嫌なら自分で起きてね」というスタンスが基本的には良いことをお伝えしましたが、では泣くほど登校を嫌がっている場合はどうしたらよいか悩みますよね。
この対応方法も場合によるのですが、もしお子さんがかなり悩んでいそうならばまずは「なぜ学校に行きたくないのか」を聞いたり、いじめなどの深刻な事態がないかどうか会話から探ってみましょう。
もしいじめ等がある場合は、不登校・登校しぶりは自分を守ろうと行動している状態なので無理に学校に行かせてはいけません。
そしてもし、お子さんが朝だけ泣いて登校しぶりするものの、昼から夕方にかけて元気になっている場合は起立調節性障害の可能性があります。起立調節性障害の場合も、登校を促していい場合とステップを踏んで解決しなければいけない場合がありますので、詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
なんだかんだ毎日登校できている場合
「学校に行きたくない」と朝から登校しぶりするものの、少し遅刻したり、保健室登校ならできたりして、なんだかんだ毎日ちゃんと学校に行けている子は、朝の起こし方も強気に出ていいと思います。
と言うのも、近年では「なんとなく朝だるい」「起きるのがめんどくさい」「やる気が出ない」といった不登校が多く、このような場合は単なる気の緩みというか、甘えの気持ちがあることも多いからです。
逆に「だるいんだね」「登校が面倒な時もあるよね」と下手に共感してしまうと、子どもも「親が無理に行かなくていいというなら」と学校を軽視して「行かなくていっか」となり、そのうちにどんどん面倒くさい気持ちが増長していって、次第に登校=緊張することに変化し、登校へのハードルがどんどん高く感じてしまうのです。
そしてやがて「ずる休みしてしまった自分はなんて悪い子なんだ」と自信をなくして、内向的になったり、本当に不登校になったりしてしまうケースも多いです。
そのため、お子さんが自信をキープするためにも、登校を多少鼓舞することは大事なのです。
五月雨登校・別室登校の場合
問題所有の原則に則り「基本的には朝は起こさず時刻を告げるだけ」と前述しましたが、もしお子さんが五月雨登校や別室登校をしていて、まだ昼夜逆転が起こっていない場合は、「朝だよ~」「卵焼きできたから起きておいで!」と親が起こしてあげるのもやむを得ません。
というのも、五月雨登校や別室登校、保健室登校などは今後完全不登校に発展する恐れがあり、そのリスクを減らすためには朝に起こすことが有効だからです。
時刻を告げて自分で起きる練習をするのは、徐々に登校が安定してきたらチャレンジしていきましょう。
完全不登校・長期不登校の場合の朝の起こし方・朝の声かけ方法
完全不登校の子は、朝起こすのがとても大変です。なぜなら、起きる必要性がないので、起きようとしないからです。
ここでのポイントはやはり「朝に起きる理由を作る」ことです。「朝起きれないから不登校」ではなく「登校するから起きなきゃ」に気持ちを変えられるかが非常に大事です。なかなか難しいところはあるのですが。
完全不登校・長期不登校の場合は、朝起きることよりももっと大きな枠組みで捉えて、最終的に自分で起きられることを目指しましょう。
不登校・登校しぶり時に無理やり起こすのはダメ?
「朝に無理やり起こすのはダメ?」という質問もよく受けます。
結論、まだ軽い登校しぶりの場合は起こしても良いでしょう。さらに、五月雨登校や保健室登校ができている場合も、昼夜逆転を防ぐために起こしてあげましょう。
ただし、かなり落ち込んでいたり元気がない場合は、起立調節性障害などの不調があったり、いじめなどの問題が潜んでいることもあるので、あまり強気に起こさないほうがいいかもしれません。
このあたりの判断は難しいので、迷ったときは心理の専門家に相談するのも一手です。
「不登校・登校しぶり時の朝の起こし方は?無理やり起こすのはNG?」まとめ
「目覚ましで自分で起きれるようになること」、これが自立した理想の姿ですよね。
そのため最終的には自分で起きられるように促すのが大事なのですが、それぞれのお子さんの状況も違うので、しっかり起こすべき子と、ステップを踏んで対策すべき子など、画一的な対応ではなくお子さんの反応を見ながら臨機応変に対応していくのが大事だと思っているからです。
それに何を隠そう、実は私も高校生まで親に起こしてもらっていました(笑)
だんだん甘えたくても年齢的に甘えられなくなりますから、中学生くらいまでは最後の甘えとして許されてもいいのかな…とも思っています。高校生まで朝に起こしてもらうのはどうかと思いますが(笑)
朝の起こし方・声掛け方法で困っている方は参考にしていただければと思います。
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