長期不登校

「完全不登校」と「長期不登校」で大切な対応について【解説】

完全不登校と長期不登校の大切な対応方法
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キャリア15年で1000人以上の子どもたちを復学に導いた復学支援専門家。 復学率は現在もなお100%。 心理師として唯一の国家資格である公認心理師で、出版した著書はいずれも初版完売。 現在、エンカレッジの他にも家庭教育推進協会の代表理事と教育支援センターのコーディネーターも兼任。

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完全不登校と長期不登校の違い

最近、「完全不登校」という表現を見たり聞いたりするようになりました。最初は完全不登校?と違和感があったのですが、どうやら別室登校や保健室登校、放課後登校ではなく学校に全く行かなくなってしまった状態を完全不登校と表現されているようです。専門家が完全不登校と表現しているというよりは、親御さんが状態を表現する方法として使っている感じです。

私は、「長期不登校」と表現していましたが、長期不登校でも別室登校をしている場合もありますし、放課後登校をしている場合もあります。長期不登校では完全に行っていないかどうかがわかりにくいので完全不登校という表現を親御さんがされているのかなと思いました。

といいますのも、エンカレッジの無料オリエンテーション(初回の無料でお子さんのアセスメントを行う電話カウンセリング)でお子さんの状態をお聞きするときに、「5月から完全不登校です」とか「8月までは別室登校していましたが、そこから半年間は完全不登校です」といった感じで言われることが多くなってきたからです。

また初回の相談メールでも「3学期から完全不登校です」とか「コロナ休校明けの分散登校までは五月雨でしたが、そこから完全不登校です」といった表現が増えてきました。もちろん、完全に不登校ですという表現の方もいます。全く行っていない状態を完全不登校と表現するようになってきたというだけなので、表現の仕方はどうあれ「完全不登校」「長期不登校」ではどうするべきなのかという大切なところを解説していきたいと思います。

※このブログの中の「」のコメントはイメージしやすいように架空のコメント及び許可をいただいたものを使用しています。

【大切なことその1】方向性と家族の意思統一

まず皆さんが失敗しがちなことは、目先のことから始めてしまうことです。例えば勉強。皆さん勉強の遅れがないように進研ゼミやスタディサプリをされます。勉強を取り戻すことができれば学校にも行きやすくなるのではないかと考えるからです。でもほとんどが失敗します。

なぜかと言うと、学校に行くという意志がしっかり固まっていないのにとりあえず勉強だけするというのはやる気にならないからです。たとえできたとしても、学校に行くとなれば学校だけでも負担が大きくなるので、進研ゼミやスタディサプリなどの両立が難しくなりどちらも中途半端になったり、塾やピアノ、サッカーなど習い事だけ行けていた子も学校という負担がないからできていたので学校との両立となると習い事が負担になってしまいどちらも中途半端なまま行けなくなってしまいます。

なぜこのようなことが起こるかというと明確なビジョンと家族の意思統一がなされていないからです。朝からの学校復帰を目指すのか、スモールステップで別室登校や昼からの登校から進めるのか、フリースクールなどの学校以外の選択肢を視野に入れるのか、心療内科や児童精神科などの心理療法はどうするかなどの方法論が明確に決まっていなかったり、お母さんはスモールステップで進めていくのがいいと思っているが、お父さんは心療内科や児童精神科で心理療法をしながら学校以外の選択肢でいいのではないかと思っているなど、家族の意思統一もできていない。方法論も意思統一もバラバラでは完全不登校や長期不登校の状態の解決は難しいです。

そして、「とりあえず勉強は遅れないように進研ゼミだけでもさせているのですが、全然やる気がなくて」というのは、専門家から言わせてもらうと方法論も家族の意思統一もできていなくて明確なゴールもないまま、ただ勉強しなさいというのは酷な話でやる気がないのは当然と感じます。

でも逆に、方向性が決まり家族の意思統一ができれば、勉強もするようになります。エンカレッジの復学支援の話になってしまいますが、この間も不登校中に勉強をしないと苦しんでいたクライエントさんが、「子どもが自分から勉強をするようになりました」と喜ばれていました。

なぜ勉強をするようになったかというとカウンセラーと家族と子どもとで話し合って学校に行くと子どもが決めて、家族で協力して学校復帰に向けて頑張るという意思統一と具体的な登校プランが決まったからです。子どもは学校に行くというしっかりとした意思と目標が決まれば勉強をします。それは行ったときに自分が困るという明確な理由があるからです。それが、「とりあえず勉強だけは遅れないようにしておいた方がいい」とやらせていた時との違いです。

【大切なことその2】しっかりとしたアセスメント

方向性と意思統一をするためには、状況の分析が不可欠です。アセスメントとは心理学では分析や見立てと言いますが、状況を客観的に分析して全体を把握してその子が今どのような状況でどのような状態なのかを見立る必要があります。

親御さんがそれをできるのが一番いいのですが、どうしても主観が入ってしまい、希望的観測で「行けば大丈夫だと思うんですよ」とか、「行きたいはずなんですよ、だから明日は水曜日だから時間も短いし行ってみたらと言うのですが毛布にくるまってしまうんです」といった強引なアプローチをしてしまったりします。

まずは目先のアプローチではなく、しっかりとした方向性と家族の意思統一をしなければいけません。そのためにもしっかりとしたアセスメントをしましょう。もし、専門家のアセスメントをご希望であれば、エンカレッジでは無料オリエンテーションで初回のみですがアセスメントさせていただいていますので、ご相談ください。

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※コロナ休校明けから大変多くのご相談をいただいており、無料オリエンテーションをストップさせていただいている場合がございます。まずはメールにてお問い合わせください。

【大切なことその3】誰に相談するのか

お子さんが、いきなり完全不登校になる場合もあると思いますが、五月雨登校や保健室登校を経てだんだん行けなくなり完全不登校になる場合もあると思います。完全不登校の場合は、担任の先生やスクールカウンセラーに、五月雨登校や別室登校の場合は、保健室の先生とも連携しながら進めていくことになると思います。担任の先生や保健室の先生やスクールカウンセラーと相談していても完全不登校になってしまう場合はあります。

それは担任の先生が悪いとか、保健室の先生が悪いとか、スクールカウンセラーが悪いとかではなく、皆さんそれぞれ専門があるということです。担任の先生学級運営の専門家です。保健室の先生子ども達の体調不良やケガのケアをする専門家です。スクールカウンセラー子ども達の心の悩みに寄り添う専門家です。

やはりそれぞれの専門家に相談することをおすすめします。完全不登校から学校以外の選択肢を視野に考える場合は、教育支援センターやフリースクールに相談するのもいいと思います。私は教育支援センターのコーディネーターもしていますが、学校復帰だけにこだわらず、子ども達の次のステップに向けたサポートをしています。親御さんの中には学校不振で、もう学校に通わせたくないとおっしゃる方もいらっしゃいます。子どもの思いや親御さんの思いを尊重し、家族に寄り添ったサポートも行っています。

ただ、学校復帰を家族として目指すのであればやはり、学校復帰の専門家に相談することをおすすめします。

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まとめ

完全不登校や長期不登校の状態になると、どうしてたらいいのか、何が正しいのか、日々時間だけが過ぎていき、気持ちばかり焦って家族が衝突し、お互いに傷つき落ち込んでしまいます。心配で不安な日々を過ごされていると思いますが、まずはしっかりと今やるべきことを見直してみましょう。

【大切なことその1】方向性と家族の意思統一

【大切なことその2】しっかりとしたアセスメント

【大切なことその3】誰に相談するのか

この3つをイメージして、不登校の改善に向けて取り組んでいきましょう。そして、この3つより大切なことがあります。それは1人で悩まないことです。不登校の問題は相談しにくく孤独になりがちです。1人で抱えず専門家と相談しながら一緒に進めていきましょう。

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監修者:上野 剛
キャリア15年で1000人以上の子どもたちを復学に導いた復学支援専門家。 復学率は現在もなお100%。 心理師として唯一の国家資格である公認心理師で、出版した著書はいずれも初版完売。 現在、エンカレッジの他にも家庭教育推進協会の代表理事と教育支援センターのコーディネーターも兼任。