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最近、復学支援という言葉をよく耳にするようにもなり、復学支援を行っている支援機関も増えてきました。しかし、本当の復学支援というものがどういったものなのかを皆さんに知っていただきたいのです。
復学支援専門家である不登校支援グループエンカレッジ代表の私が今回、改めて説明させていただきたいと思います。
本当の復学支援って何ですか?偽物の復学支援というのもあるのですか?
何だかドキドキします。
私たち不登校支援グループエンカレッジでは、今まで1000人以上の子どもたちの復学をサポートし、設立17年の現在も復学率は100%を維持しています。不登校に悩む方向けに無料のLINEやメルマガの発信もしておりますのでご活用ください。
↓不登校の解決に必要な対応をまとめた記事はこちら↓
復学支援という言葉が生まれた理由
「復学支援と検索してエンカレッジさんにたどり着きました」といった問い合わせや、「復学支援を受けたいのですが」というご相談が去年あたりから多くなってきました。
また「復学支援の専門家」として復学支援のアプローチの仕方など、学校復帰に向けた講演の依頼もいただくようになりました。
私の著書「今子どもの不登校に悩んでいるあなたへ」でも書きましたが、復学支援という言葉は以前はなく、不登校の子どもたちを支援する言葉としては不登校支援という言葉が使われていました。
ですから14年前、エンカレッジをスタートした時も不登校支援グループエンカレッジとなっており、不登校支援という言葉を使いました。
しかし、不登校支援をというと不登校であることを認める支援というイメージがあり、学校復帰に重きを置く私としては何か違和感がありました。そこで何かいい言葉はないかと考え、「登校支援」「学校復帰サポート」など他にもいろいろ悩みましたが「復学支援」という言葉を使うようにしました。
今でこそ復学支援という1つの支援方法として認知されるようになってきましたが、最初は復学支援と言うのも違和感があり、不登校支援のことですと言ったりして自分で決めておきながら日和見な動きをしていたことを覚えています。しかし、認知されるようになってきたのでこれからは「復学支援専門家」として堂々と活動しようと考えています。
復学支援専門家とは
では復学支援専門家とはどういったものなのか。それは子どもの学校復帰を前提にした支援に必要なスキルを持ったカウンセラーということになります。どのようなスキルかと言いますと
- カウンセリング理論をストラテジーベース(基礎的理論)として、家族療法を中心とした実践的なテクニックで家庭内の改善に向けて親御さんをエンパワメント(勇気づけ、力を引き出す)するカウンセリングスキル
- カウンセリング、質問紙法(エンカレッジでは質問表)観察法(エンカレッジでは会話ノート)などから状況を適切にアセスメント(分析)し、効果的な援助手段や技法を組み立ててシステムズアプローチできるアセスメントスキル
- 子どもに直接語りかけ、子どもの本来持っている「学校に行きたい」という気持ちを引き出すコーチングスキル
- 家族の人生を背負う覚悟で絶対に復学するまでサポートするという強い信念
① ② に関しては、私が代表理事を務める家庭教育推進協会が育成している家庭教育相談士でも重要としています。
ただ、③に関しては家庭教育相談士にはできない復学支援専門家ならではのコーチングスキルになります。私のコーチングスキルを最近登校した2年生の女の子がお母さんにこのように伝えてくれました。とても嬉しかったので掲載させてください。
「なんで今まで学校行かなかったのかな。もっと友達や先生と授業したいな。もう二年生終わっちゃう。
あのおじさん来てくれて良かった。学校に行けるようになったから」
せめておじさん先生・・・というところはよしとして、こんな風に言ってくれたら本当に嬉しいです。登校しても毎日学校イヤと泣いてたんですけどね。2週間、毎朝電話で励まし続けましたからその甲斐がありました。その子の登校の様子は下に別の記事としてリンクがありますのでそちらも見てみてください。
④に関しては、家庭教育相談士には抱えすぎると相談士としてはよくないので、その人の悩みを共感し同じような気持ちになることは大切だが抱え込みすぎないように「あたかも」を大切にするようにと伝えています。しかし、復学支援専門家は「あたかも」ではなく絶対に家族を救うという強い信念が必要といいますか、ないとできないと感じています。
私の知る復学支援専門家も救急車で運ばれたり、首にニトログリセリンをぶら下げていたり、大きな代償を払いながら家庭と向き合っています。
本当の復学支援とは
今は様々な支援機関が復学支援をうたっていますが、私が勝手に作った言葉だったのでエンカレッジの復学支援が本当の復学支援ということでうちの復学支援を紹介させていただきます。
復学支援を受けるまでの流れ
- メールや電話でのお問い合わせ
- 無料オリエンテーション
- インテークカウンセリング
まずは、メールや電話でお問い合わせいただきます。そして復学支援のことを詳しく知りたいとなりましたら、無料オリエンテーションを受けてもらいます。
無料オリエンテーションは、お子さんが支援に合っているかの確認と両親が同じ方向を向いているかの確認と総額の概算費用の説明を行います。支援を受けたいと言われてもお子さんが支援に合っていないと判断したり、ご主人が復学に対して消極的な場合などはお断りすることもありますので、まずはその確認を行います。
無料オリエンテーションの詳しい説明については こちら
条件が整いましたら実際に、具体的にその子に合った効果的な援助手段や技法を組み立てて支援プログラムを組むためのインテークカウンセリング(初回面談カウンセリング)を行います。
実際にクライエントさんが受けたインテークカウンセリングの様子は こちら
インテークカウンセリングでその子にあった支援プログラムをお伝えしてその支援方法で一緒に復学に向けて取り組んでいきたいと思われましたらご依頼いただき、支援がスタートします。
支援内容で登校がイメージできない場合や私とでは信頼関係が築けないと感じられた場合は、インテークカウンセリング後でもご依頼いただかないようにお願いしています。
また、その場の雰囲気で決めないようにその場でお願いしたいと言われても基本的にはカウンセリング後に改めて両親で話し合ってもらってからご依頼いただくようにしています。医療の世界だけではなくカウンセリングの世界でもインフォームドコンセント(事前説明と合意)は重要視されるようになってきていますのでしっかりお伝えしています。
以前は、細かい料金設定もHPに載せていましたが、復学支援の内容も見ないで料金だけを見て判断される方や批判される方がいらっしゃいましたので、料金が独り歩きしないように今は本当に興味のある方に無料オリエンテーションの段階で概算をお伝えさせていただき、インテークカウンセリングでお子さんの復学支援プログラムに合わせた料金の詳細をお伝えさせていただくことにしています。
復学支援の流れ
- 家庭内対応の改善(家族療法) 電話相談 メール相談 会話ノート添削
- 訪問カウンセラーの導入(アウトリーチ型支援)
- 登校刺激(教育コーチング)
- 登校準備
- 登校
- 登校後のサポート
① ② に関しては、同時進行で行います。家庭内環境の改善と訪問カウンセラーとの信頼関係ができた段階で登校刺激(教育コーチング)を行います。
その後は、具体的に訪問カウンセラーが勉強のサポートや学校に必要なものの準備、学校との情報共有など学校に行きにくくなっている要因を把握し、少しでも負担が少なくなるように改善し準備していきます。
そして、登校後も①②は継続し、状況に合わせた家庭内環境の改善と訪問による子どものサポートを行い継続登校を目指します。
復学支援の内容についてもっと詳しく知りたい方はエンカレッジのHPをご覧ください。家族療法のシステムや登校刺激や学校への働きかけなどの取り組みも細かく書かれています。
エンカレッジの復学支援の詳細は こちら
私も登場しています
メール相談とはどういったものなのか、クライエントさんが実際に相談した内容が → こちら
会話ノート添削がどういったものなのか、クライエントさんが実際に書いたノート添削が → こちら
登校日の様子はこちら↓
それでは今回の内容をまとめますね。
まとめ
- 復学支援という言葉は先生が勝手に作った言葉で最初は不登校支援だった。
- 復学支援専門家は、復学支援専門のカウンセラーでカウンセリングスキル、アセスメントスキル、コーチングスキル、復学に導く強い信念が必要。
- 本当の復学支援とは、家庭内対応の改善とアウトリーチ型支援を同時進行で行い、教育コーチングと訪問カウンセラーの具体的なサポートで復学に導く支援方法。
本当の復学支援とはそういう意味だったのですね。