不登校解決コラム

不登校は母親のせいと言われたら!限界・しんどいお母さんが増加中

不登校は母親のせいと言われたら!限界・しんどいお母さんが増加中
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キャリア15年で1000人以上の子どもたちを復学に導いた復学支援専門家。 復学率は現在もなお100%。 心理師として唯一の国家資格である公認心理師で、出版した著書はいずれも初版完売。 現在、エンカレッジの他にも家庭教育推進協会の代表理事と教育支援センターのコーディネーターも兼任。

「イクメン」という言葉が広く認知され、お父さんも子育てに関わることが増えてきた近年でも、まだまだ子育ての中心はお母さんのことが多いですよね。

共働き世帯が右肩上がりで増えているにも関わらず子育ての比重は依然として母親が多く、仕事に家事に育児に役員・当番に…と毎日ヘトヘトなお母さんも多いのではないでしょうか。専業主婦なら尚更、子育てはお母さんが任されっ切りのこともあるでしょう。

そのように必死で頑張って育ててきた子が不登校になると、お母さんは自分を責めてしまうことが多いです。そして「不登校になったのは母親のせいだ」と周囲にも責められ、ダブルで辛い思いをされているお母さんがなんと多いことか。

エンカレッジにご相談頂く方も、不登校になったお子さん本人が辛いのはもちろんですが、お子さんと同じかそれ以上にお母さんが悩み苦しんでいるケースがとても多いです。お子さんを心から大事に思い、毎日必死に育児を担ってきたからこそ、辛くなってしまうんですよね。

子どもの不登校が辛いお母さんにお伝えしたいことは、確かに親の過保護・過干渉などが不登校に繋がることは多いのですが、親も好き好んで過保護・過干渉になったのではなく現代社会構造がそうさせていることも多いということです。そのため「不登校はお母さんのせい」と言われるのは、あまりにも悲しすぎます。

今回は、そもそも現代日本社会が不登校になりやすい社会だということや、母親を取り巻く育児の過酷さ、お母さんが潜在意識から自由になることでラクになる方法をお伝えしていきたいと思います。

私たち不登校支援グループエンカレッジでは、今まで1000人以上の子どもたちの復学をサポートし、設立17年の現在も復学率は100%を維持しています。不登校に悩む方向けに無料のLINEメルマガの発信もしておりますのでご活用ください。

そもそも現代日本は不登校になりやすい社会

不登校の男の子

みなさんもうお気づきかと思いますが、現代日本は非常に不登校になりやすい社会です。

なぜ不登校になりやすいのか、その理由をまずは見て行きましょう。

【不登校になりやすい理由①】不登校が増えている

小学生の不登校

現代日本で子どもが不登校になりやすい理由の1つ目は、不登校がとても増えているからです。

令和5年10月に文部科学省から最新の不登校の統計が発表されましたが、やはり令和4年も不登校数は大きく伸びていました。10年連続で増加し、令和4年は過去最高人数です。

不登校の増加引用:文部科学省「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果概要」https://www.mext.go.jp/content/20231004-mxt_jidou01-100002753_2.pdf

 

中学生ではクラスに2人は不登校生徒がいるため、不登校はもはや珍しくなく、一般的になりました。

そのため、「〇〇ちゃんが学校に行ってないなら、私も行かなくていいかな」と気軽に不登校を選択しやすくなっています。

【不登校になりやすい理由②】行政が不登校を支援している

不登校になりやすい現代日本社会

行政も不登校を支援しています。

例えば、2024年1月、東京都は不登校の小中学生が通うフリースクールの利用料を最大月2万円補助する方針を明らかにしました。

東京都は、様々な問題を抱える子どもたちへの支援として、不登校の小中学生が通うフリースクールの利用料を毎月最大で2万円補助する方針を明らかにしました。

引用:TBS NEWS DIG(2024年1月26日)https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/964705?display=1

また、堺市も困窮世帯の不登校生徒に家庭教師を派遣する事業を始めるようです。

堺市は、長期間不登校になっている中学生がいる困窮世帯に家庭教師を派遣する事業を2024年度から始める方針を固めた。

引用:JIJI.com(2024年1月27日)https://www.jiji.com/jc/article?k=2024012600787&g=soc

このように、自治体も不登校を社会問題として捉え、積極的に解決しようとしています。そしてその方向性は「不登校でも良い、学校に行けないなら別の選択肢を」と言うものが多いです。

自治体が学校以外の選択肢を後押しするような政策をしているため、元の学校に再登校出来そうな子でも、フリースクールや通信制学校などを選びやすくなっています。

上野
上野
私は、不登校の子に選択肢が広がることは良いことだと考えています。フリースクールが合っている子や本人がフリースクールを希望するのであれば尊重してあげたいです。

しかし、色々な問題が重なり学校をお休みしてしまったけど本当は学校に戻る力のある子は多いです。学校に戻りたいけど休み過ぎて行けないからと他の選択肢を選ぶのはもったいないと感じているので慎重に選んでほしいと思っています。

【不登校になりやすい理由③】褒める子育てが注目されている

褒める子育て

近年は「褒める子育て」が脚光を浴びていますね。そのため、育児書や育児雑誌などで褒める子育て法を勉強したお母さんが、良かれと思って褒める子育てを実践している方も多いです。

しかし、本来「褒める」というのは難しいのです。「褒める」と「おだてる」が混同してしまったり、褒めるタイミングや褒め方が適切でないためにかえってお子さんの意欲を削いでしまい、不登校に繋がることがあります。

【不登校になりやすい理由④】地域に父性がいない

不登校時の父親の役割

「父性」というのは、子どもに社会のルールや苦しいときに頑張る力などを教える役割のことです。子育てでは「母性」と「父性」の両方が機能することが大事です。

「母性」…優しい愛、近くで世話をし直接助ける、優しく守り育む、ありのままを認める

「父性」…厳しい愛、敢えて手を貸さず見守って自立を促す、社会の厳しさや生きる強さを身に着けさせる、頑張りを認める

昔は地域で子育てをしていたので、子どもは近所の頑固爺さんや怖いおじさんなどにも接して自然と社会性を身に着けていきました。しかし現代社会は、地域の繋がりが希薄で、子どもを叱るのは親のみという家庭も少なくありません。

そのため、子どもが父性に触れられるのは家庭がほとんどになってしまいましたが、子どもが成長し社会に出るにあたっては父性が非常に重要なのです。父性不足によって不登校になるケースも近年ではとても多いです。

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【不登校になりやすい理由⑤】親が忙しすぎる

親が忙しすぎるというのも現代社会の特徴です。

夕方仕事から帰ってきて、夕飯を作り子どもに食べさせ、食器を洗いテーブルを拭き、洗濯物を取込み畳み、子どもをお風呂に入らせ、宿題を見て連絡帳を見て、兄弟げんかの仲裁をして、母子依存の子は一緒に寝ないといけない…といった多量のタスクを3時間程度で終わらせなければいけなかったりして、子どもとゆっくり話す暇もなく、自分の時間もなく、会話が「歯磨きした?」「プリント出してね」といった指示・命令についなってしまいます。

朝になれば、子どもを起こしてご飯の用意をして送り出すまでに1時間以内という制限の中、朝もなかなか起きずにイライラ、登校直前に水筒やプリントを出してきてイライラ、しまいに渋って動かなくなった日には「もういい加減にしてよ!」「お母さんだって時間のない中でやってるんだから!」と発狂してしまいますよね。

五月雨登校の子や登校が不安定な子は、毎日このやり取りが繰り広げられるわけです。お母さんのメンタルが持ちません。また完全不登校の子は朝の問題はありませんが、「いつまでこの状態が続くのだろう」という不安が常に頭にあり、精神的にも不安定になり感情的に子どもたちに当たってしまうこともあると思います。

このように時間に追われ精神的に余裕がなくなるとつい感情的な命令や非難が増えます。感情的な命令や非難は子どもたちの自己肯定感を下げてしまいます。不登校の状態はなかなか褒めることができない環境なので、下がった自己肯定感が上がっていかないのです。

また、母親の指示・命令に従って受身で過ごしてばかりだと母子依存になりやすいことを以前の記事でもご紹介しましたが、このようなことは母親のせいというより、現代社会の構造である女性の社会進出と、育児に関してはまだまだ母親任せという日本の昔の文化のギャップが母親をそうせざるを得ないほどの環境に追い込んでしまっているのです。

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不登校は母親のせいか?

不登校は母親のせいか

ここまで見てきたように、そもそも現代日本が不登校になりやすい社会です。そして、文化的にも日本は母親の子育ての負担がかなり大きい国だと言えます。そんな日本社会で不登校になったからと言って、母親のせいと言うのは浅慮です。

確かに、家庭内でお母さんが子どもへの接し方を変えれば不登校が解決することは多いです。しかし、それは社会で足りないものを家庭で補う必要が出てしまったからであり、家庭内における親の役割ややることが増えてしまったからです。

むしろ、育児しにくい社会で孤軍奮闘し、子どもを守ろうと必死で考え行動しているお母さんが圧倒的多数ですので、まずはお母さんは頑張りを自分自身で認めてあげてください。

不登校の子のお母さんは、総じて自己肯定感がとても低くなってしまっています。みなさん、これほど努力して自分を犠牲にするほど子どもに尽くしているにも関わらずです。むしろ、不登校の本人である子ども自身はけろっとしていて、お母さんが憔悴しているケースも珍しくありません。

ケアが必要なのは、不登校の子だけではなく、親御さんもです。

責任感が強い方ほど自分一人で抱え込んでしまいますが、出来るだけお母さんも誰かを頼ってください。第三者に相談すると思いもしなかった視点が得られたり、専門家と話すと心のモヤモヤが晴れてエネルギーが湧いてきたりします。「他者に話す」ということ自体が、疲れた心を癒すのに有効なのです。

もし親御さん自身のカウンセリングをしたい際も無料オリエンテーションを活用して頂けますので、お子さんだけではなく親御さん自身のケアにも目を向けて行きましょう。

「不登校は母親のせいと言われたら!限界・しんどいときの対処法」まとめ

不登校は母親のせいではない

不登校のお母さんは自分を責め、気持ちが沈んで自己肯定感も下がってしまう方が多いです。一生懸命に育児してきた方ほど余計に辛い思いをされていると思います。

不登校は母親のせいというより、現代日本社会のせいです。もし仮にお母さんの過保護・過干渉が子どもの自立を遅らせてしまったとしても、お母さんが過保護・過干渉にならざるを得ないような環境要因があることが多いので、お母さんはどうか自分を責めないでください。

しかし、母親のせいではない不登校でも、不登校を解決するには親御さんの力が必要です。今まで十分過ぎるほど育児も不登校対応も頑張って来られたかと思いますが、もう疲れてしまった・しんどいという方は周囲やエンカレッジのような第三者機関を頼って、親御さん自身も大切にしてほしいと思います。

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監修者:上野 剛
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