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小学生の不登校原因で近年多いのが母子分離不安です。私は十数年に渡り不登校の子どもたちをサポートしてきましたが、母子分離不安による不登校は年々増加していると感じています。
母子分離不安による不登校は小学校低学年に多いのですが、実感としては小学1年生の不登校原因としてはトップレベルに多い気がしています。
今回は母子分離不安による不登校の解決方法をまとめるとともに、特に小学校1年生だからこそ気を付けるポイントについてお伝えしたいと思います。
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小学1年生が母子分離不安になる原因
子どもが母子分離不安になる理由は様々です。
お子さんの生まれながらの気質や性格もあるでしょうし、親御さんやおじいちゃん・おばあちゃんの普段の接し方や環境、幼稚園・保育園でのお友だちや先生との関係性、過去のトラブルやトラウマ…色々な原因が複合的に絡まっていることが多いです。
母子分離不安の原因や解決法はこちらの記事でもまとめていますが、今回は小学1年生に焦点を絞って、多い原因についてまとめていきますね。
環境の変化(小1プロブレム)
小学1年生で母子分離不安が起きている場合、いわゆる小1プロブレムのような、環境の変化も子どもの精神面に大きな影響を与えます。
幼稚園・保育園から小学校に上がると、以下のような大きな環境の変化がありますよね。
- 保育園では自由遊び中心だったのが、みんなで一斉に同じことをしなければいけない(好きなことを好きなタイミングでできない)という「学習システムの違い」
- 給食は残さずに食べなければいけない、当番などを責任もってしなければいけないという「生活ルールの違い」
このような環境の変化に気持ちがついて行けずに、どんどん新しいことや難しいことをさせられる学校に苦手意識を抱いてしまうのです。
普段から親の指示が多い
普段から親の指示が多い場合も、母子分離不安になりやすいです。
現代は核家族&共働き等で忙しい家庭が増え、早く寝かせたいためや朝の出勤時間というリミットを優先せざるを得ないために、以下のような指示を出してしまっている親御さんが多いです。
- 8時までに宿題終わらせてね。
- お風呂に入って歯磨きして9時までにお布団に入るよ。
- 明日のプールの準備は先にしておいたら?
- 朝ごはん早く食べて、これに着替えて。
- ごはんが袖につかないように食べて
- あと10分でごはんの時間は終わりね
- 忘れ物ない?アサガオに水あげた?ハンカチ持った?
本来、学校の宿題や持ち物を準備するのは子ども自身がやるべきことですが、親が「子どもが失敗しないように」「段取りがうまく行くように」と先回りで指示・行動してしまうことで、お子さんは自分で考えて行動せずに受け身で言動するクセがついてしまうのです。
その結果、指示役の親がいない場所に1人で行くのが怖くなり、不登校に繋がることがあります。
自分で考える経験が不足している
前述した「親の指示が多い」と被るところがありますが、親が子どもに指示を出し過ぎていると子ども自身が考えたり行動する機会が減ってしまい、何かイレギュラーなことが起こったときにどうしてよいかわからずに混乱して不安感が大きくなることがあります。
例えば学校で給食の牛乳をこぼしてしまったとき、自宅で飲み物をこぼして後始末した経験がある子は「雑巾で拭き取ってから、水拭きして…」と、経験からやるべきことが連想できます。しかし親がすべて後片付けしている子は、「どうやって片づけるんだっけ?」と動揺してしまうでしょう。
しかも、お友だちがうまく処理しているところを見て、自分と比べて落ち込んでしまうこともあります。ちょっとした経験の差にも関わらず、自分の能力が劣っているような気分になり、自信を失い自己効力感も低下してしまうのです。
親が身の回りの世話をし過ぎている
親が身の回りの世話をし過ぎることで、小学1年生になるタイミングで不登校になる子も多いです。
やはり親にとって子どもはかわいいものなのでついつい手を焼き過ぎてしまい、もう自分でできるようなことも親がやってしまうのですね。
- バター好きでしょ?食パンに塗っておいたからね
- この番組好きだと思って録画しておいたよ
- 水筒にお茶も入れておいたよ。給食セットもテーブルに揃えておいたから
乳児は自分ではなにもできないため、親がすべてを世話する必要があります。しかし、成長するにしたがって自分でできることが増え、親の手から離していく必要があるのですが、その成長段階に応じた対応よりも子ども扱いしてしまうことでかえって子どもの自立を阻んでしまうのです。
小学1年生の母子分離不安の解決方法
小学1年生が母子分離不安になる原因の代表的なものをまとめてきましたが、では実際に母子分離不安を改善するにはどのようなことが必要なのでしょうか。
小学校1年生の母子分離不安を解決するために重要な親のスタンスについてまとめていきます。
「問題所有の原則」を忘れない
私自身も親なので、子どもが失敗しないように先回りで指示・忠告したくなる気持ちもとてもわかるのですが、子どもの自立を促すためには「問題所有の原則」を考えることが大事です。
日常生活において、明日の学校の準備をしたかどうか、ランドセルの中が整理整頓されているかなどは《子ども自身の問題》ですよね。そのため親は干渉すべきではありません。
むしろ「明日の準備は終わった?リコーダーも忘れずに入ってる?」などと普段から親が言っていると、「お母さんが言ってくれなかったから今日習字道具忘れたじゃん!」と責められる原因になることも。
お子さんのことは、お子さん自身に任せましょう。「敢えて失敗させる」くらいのスタンスでいる方が、お子さんが自立し成長していきます。
「不安なのは誰?」を整理
ひと時代前は「不登校の原因は親の愛情不足」と言う専門家も多かったのですが、近年の不登校の子の親御さんはむしろお子さんをとても大事にされていると感じています。
「子どもが学校で失敗しないように」「良い大学に行けるように」とよく考えて日々子育てされ、親御さん自身もかなり努力し、時間と労力を割いていることも多いです。だからこそ、不登校になると衝撃が大きいのです。
しかし一旦振り返ってみてほしいのは、子どもが学校で失敗することや良い大学に入れないことを不安に思っているのは誰なのでしょう。お子さん自身でしょうか、それとも親御さん自身でしょうか。
「他の子に負けたくない」「忘れ物をせず完璧でいなければいけない」「この程度の宿題ができなくては受験できない」「ダメな母親だと思われたくない」…そんな思いに駆られているのであれば、まずは親御さん自身が肩の力を抜いてみてください。
子どもは自分で自分の人生を選んでいきます。親が強制しようとすると、どこかでボタンの掛け違いが起こってしまいます。もし宿題忘れや成績低下を不安に思っているのは子どもではなく親だと感じられた場合は、お子さんを信じて手を放すことを意識していきましょう。
もしうまく気持ちが整理できないときは、エンカレッジの無料オリエンテーションでもご相談できますので、一人で抱えずに対処法を考えて行きましょう。
「小学1年生の母子分離不安の原因と解決法!」まとめ
小学校1年生の不登校原因として多い母子分離不安。甘えさせてあげるべきか、厳しく自立を促すべきか、その線引き・判断が難しいですよね。
母子登校を続けている方など大変な思いをされている方も多いと思いますが、それでも実は不登校のなかでも母子分離不安・母子依存は比較的解決しやすい方なのです。完全不登校や引きこもりになってしまうと回復がもっと遅れてしまいます。
完全不登校になる前に母子分離不安・母子依存を解決するには、家庭教育・家庭内対応がとても重要です。日々のちょっとしたコミュニケーション方法を意識すると、お子さんが自分自身で考え行動するクセをつけることができますし、「自分でやってみたい」という意欲が出てくると学習面でも良い影響が期待できます。
日々のコミュニケーションや考え方を変えていくのは時間がかかりますし地道なことなので親御さんは大変かと思いますが、難しいと思った場合はエンカレッジをはじめ復学支援をご検討いただくのが回復の近道だと思います。
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