小学生の不登校

不登校のときの夏休みの過ごし方!夏休み明けは再登校の大チャンス

不登校のときの夏休みの過ごし方!夏休み明けは再登校の大チャンス
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キャリア15年で1000人以上の子どもたちを復学に導いた復学支援専門家。 復学率は現在もなお100%。 心理師として唯一の国家資格である公認心理師で、出版した著書はいずれも初版完売。 現在、エンカレッジの他にも家庭教育推進協会の代表理事と教育支援センターのコーディネーターも兼任。

不登校で夏休みを迎えて、「夏休み明けこそは再登校したい」と考えている親御さんも多いのではないでしょうか。

ご存じかもしれませんが、不登校の子が再登校するのに夏休み明けは最適な時期。実際、エンカレッジでも長年不登校サポートしていますが、夏休み明けにスムーズに復学できるケースが多いです。

この夏休み明けという大チャンスを生かすには、夏休みの過ごし方が1つのポイントになります。しかも、不登校の段階・時期に合わせた対応が重要なのです。

不登校の段階・時期の特徴
  1. 不安定期…不登校になりはじめで、気持ちが安定しない時期
  2. 膠着期…不登校から1~3週間たって、気持ちが落ち着いてきた時期
  3. 停滞期…不登校が当たり前化してしまうと共に、自分を責めたりして再度気持ちが不安定になる時期

今回は夏休み明けに再登校しやすくなる夏休みの過ごし方について、不登校の段階ごとにご紹介していきます。

私たち不登校支援グループエンカレッジでは、今まで1000人以上の子どもたちの復学をサポートし、設立17年の現在も復学率は100%を維持しています。不登校に悩む方向けに無料のLINEメルマガの発信もしておりますのでご活用ください。

夏休み明けが再登校に最適な理由

不登校の夏休みの過ごし方

そもそも、夏休み明けはなぜ再登校しやすいのでしょうか。

夏休み明けがベストな復学時期である理由について、まずはご説明していきますね。

夏休みは堂々と外出できる

不登校の子の夏休みの過ごし方

不登校の子は「学校に行っていない」という負い目を感じることが多いため、普段の平日は罪悪感で外出を躊躇う子も多いです。

しかし夏休みはみんながお休みなので、堂々と外出できます。

堂々と外出できるので、お友だちと遊びに行ったり親子で買い物したり、まるで学校に行っていたときのように過ごすことができます。家の外との接触があるだけで生活リズムも整いやすいだけでなく、体力も落ちにくく、気持ちも前向きになりやすくなります。

そのため、外出する機会が増えていると、再登校のハードルが低くなるのです。

しっかり休んだ後なので、体調が整っている

不登校の夏休みの過ごし方

夏休みなどの長期休暇明けは、しっかり休んで体調も安定しやすいです。日も長いので気分的にも明るくなりやすく、心身ともにコンディションは整いやすいでしょう。

逆に冬場は寒くて布団から出たくない…というのが小さなハードルにもなったりします。私も朝が苦手なので気持ちはとてもわかるのですが(笑)

そのため、やはり夏休み明けは冬休み明けよりも再登校はしやすいです。

クラス全員が久しぶりだから気まずさが少ない

小学校の教室

子どもにとって再登校時の一番の心配事は、「不登校になってお友だちに何と思われているか」ということ。久しぶりに登校してクラスから浮いてしまわないかをとても心配しています。

しかし、夏休み明けはクラスみんなが《久しぶり》ですよね。夏休み前にクラスで話題になっていたことも一度リセットされるので、夏休み明けは話題に入って行きやすく、比較的打ち解けやすい雰囲気になっていることが多いです。

上野
上野
それでは次は、具体的な夏休みの過ごし方について見ていきましょう!

【不登校不安定期】の夏休みの過ごし方

仲が良い家族

改めて確認すると、不登校不安定期「不登校になりはじめで、気持ちが安定しない時期」です。不登校になってから1~3週間くらいの場合が多いです。

先生が怖い、お友だちとケンカした、勉強がイヤすぎる、いじめ等で心が折れてしまった…不登校になる原因は色々あり得ますが、共通していることは、不登校になり始めた頃は子ども自身が気持ちの整理がついておらず、「この先自分はどうなるんだろう」「自分はなんて悪い子なんだ」「お父さんに怒られる(怖い)」など、たくさんの不安を抱えているということです。

この不安定期の子の夏休みの過ごし方について、見ていきましょう。

ゆっくり休む

不登校の子どもの部屋

不安定期の子にとって一番大事なのは、まずはゆっくり休むということです。

お子さんの気持ちの不安定具合にもよりますが、かなり不安定だと思われた場合は、朝寝坊やゲームも少し多めに見てあげましょう。特にいじめなどで心の傷が深刻な場合は、ゲームにのめりこむのも心の傷を癒したいからかもしれません。本人の気の向くままにしばらく生活するのも1つの方法です。

上野
上野
ただしずっと自由に過ごしたのでは不登校が継続してしまうので、膠着期になったら親の対応方法を変えていく必要があります。

【不登校膠着期】の夏休みの過ごし方

不登校の夏休みの過ごし方

膠着期「不登校から1~3週間たって、気持ちが落ち着いてきた時期」のこと。気持ちに余裕が出てきて、学校やお友だちなどのことが気になってきます。

膠着期になったときは以下のような兆候が見られるので、このような言動があれば少しずつ再登校を意識していきましょう。

不登校膠着期の言動例
  • 「そろそろ合唱コンクールの季節だな~」(自分から学校の話題を話し始める)
  • 「〇〇くん、どうしてるかな?」(友だちが気になる)
  • 「洗濯物たたんでおいたよ」(不登校の罪悪感でお手伝いしたり、周囲が見れるようになる) など

生活リズムを整える

不登校の夏休み期間も生活リズムが大事

まず大切なのは、少しずつ学校の日の生活リズムに慣れさせていくということです。

特に昼夜逆転気味の子は体力が落ちています。日光に当たるだけでも疲れたりするので、学校の日の生活リズムに近づくところから始めましょう。

家族で遊びに行く

子どもと遊ぶお母さん

もしお子さんに余裕がありそうなら、家族でお出かけや旅行、キャンプ等のイベント参加をしてみるのもいいでしょう。

かなりの気分転換になるはずですし、こういったイベントがあると乱れがちな生活リズムが整うきっかけになることも多いです。

お父さん・お母さんも日々の不登校対応でお疲れだと思うので、外食や旅行で食事の支度も考えずに楽しむことで、気持ちもリフレッシュできると尚いいですね。

上野
上野
「親がゆったりと構えている」ことも意外と重要です。真面目でお子さん思いのお父さんお母さんほど頑張りすぎてしまうので、出来るときに息抜きして、ご自身も大切にしてくださいね。

お友だちと遊びに行く

不登校の兄弟姉妹

もしお子さん自身がお友だちと遊びたい気持ちがあれば、ぜひ遊びに行かせてください。

お友だちと遊んでいるうちに、外に出る楽しさを思い出したり、再登校時に学校でお友だちと久しぶりに再会する恐怖感を低減することもできます。そして遊んでいるうちに自然と体力もつくので、一石三鳥の効果が期待できます。

もしお子さんがお友だちと会いたがっていない場合は、無理して会ったり遊ばなくても大丈夫です。その場合は親子でゆっくり散歩したり、近所の人目が気になるようであれば少し遠くの公園などで遊ぶのもいいですね。

少しでも宿題を進めておく

夏休み期間に不登校でもやりたい夏休みの宿題

もし可能であれば、夏休みの宿題を進めておきましょう。というのも、宿題をやっていないといざ夏休み明けに再登校したときに「自分だけ宿題をやっていない…」と罪悪感で再び学校に行きにくくなってしまうからです。

必ずしも勉強はできなくてもいいのですが、やはり勉強や授業内容が理解できていると、夏休み明けの継続登校のしやすさがぐっと変わります。

しかし膠着期とは言え宿題を無理強いしていると「もう勉強やだ!」「学校なんて行きたくない!」という気持ちが爆発しかねないので、そのバランスは難しいです。無理強いせず「一緒に宿題やらない?」「この単元が終わったらシュークリーム食べよう」等、お子さんのやる気をうまく引き出す方法もこの時期に見つけたいところです。

夏休みの宿題をやってもらうコツはこちらの記事↓にもまとめていますので、気になる方はご覧ください!

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【不登校停滞期】の夏休みの過ごし方

不登校停滞期の夏休みの過ごし方

不登校停滞期は「不登校が当たり前化してしまうと共に、自分を責めたりして再度気持ちが不安定になる時期」です。

一見そうは見えなくても、子ども自身で心の奥では不登校は良くないことだとわかっていることが多いので、不登校膠着期に気持ちが落ち着いて自分を客観視できるようになると、「このまま不登校だとどうなっちゃうのかな」「もう二度と学校に戻れないのかも」といった不安に駆られます。

そして、気持ちがどんどん不安定になるのです。この不登校停滞期は、長引けば長引くほど状況が悪化することが珍しくありません。そのため、できるだけ早い対応が重要になります。

家を心地良すぎる場所にしない

不登校の時は、夏休みに家を心地よすぎない場所にすることも大事

不登校停滞期は、「家を心地良くしすぎない」というのも大事なポイントです。

不登校不安定期のように心が疲れているときは、できるだけ家を居心地よく、安心できる場所にしなければいけません。しかし、いつまでも家だけにいるわけにはいかないので、不登校停滞期になるまでには親の対応方法も変えなければいけません。

例えば、深夜まで夜更かしする、1日に何時間もゲームやスマホをする、お菓子やジュースを好きなだけ飲み食いする…こういった悪習慣はストップするべきです。「お母さん、麦茶持ってきて」などと言われても、全て対応する必要はありません。自分のことは自分でするように、少しずつ教育していきましょう。

上野
上野
ホメオスタシスと言って、一度できた習慣を変えることは難しいものです。どうしてもお子さんへの対応が難しいと思われた場合は、エンカレッジの無料オリエンテーションなども活用して、専門家に相談するのも1つの方法です。

不登校停滞期が長引く注意点はこちらの記事↓にもまとめていますので、気になる方はご覧ください。

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不登校の夏休みの過ごし方の注意点

不登校の夏休みの過ごし方

ここまでは不登校の段階別に夏休みの過ごし方を見てきましたが、夏休みの過ごし方には注意点もあります。

ぜひ気をつけていただきたいポイントをまとめますので、参考にしてくださいね。

定期的に振り返る

夏休みは長いです。そのため、つい「明日でいいか」とダラダラと過ごしがちですが、そうするうちにあっという間に終わってしまったと思う方も多いのではないでしょうか。

だからこそ、夏休みの期間を定期的に振り返ることも大切です。

「生活リズムが崩れてきていないか」「宿題の進捗はどうか」「家に閉じこもってばかりいないか」などを、1週間に1回は振り返っておきましょう。そして、出来たことと改善点を洗い出し、次はどうすべきかまで落とし込みましょう。

朝起きれた時間、宿題を進められた日などをトークンエコノミー法を用いて可視化することも、習慣化には有効ですよ!

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昼夜逆転を起こさない

不登校中のゲーム依存

昼夜逆転を起こさないことも重要です。不登校不安定期こそ多少目をつぶることはありますが、それ以降は一貫して生活リズムは意識していきましょう。

セロトニンという神経伝達物質が人間の精神を安定させることが知られていますが、セロトニンは「朝食をよく噛んで食べる」「朝に日光を浴びる」「適度に運動する」ことで活性化されます。

逆にセロトニンが不足すると、精神のバランスが崩れることで暴力的になったり、うつ病を発症する原因となるため、不登校の悪循環にならないためにも昼夜逆転には注意しましょう。

「不登校のときの夏休みの過ごし方!夏休み明けは再登校の大チャンス」まとめ

夏休み明けに再登校する小学生

不登校の子が再登校するのに、夏休み明けはベストなタイミングと言えます。

だからこそ、再登校を目指す方は夏休み明けを目指して取り組んでいただきたいと思いますが、不登校の段階やタイミングによって良い対応方法は異なりますので、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

みなさまが納得のいく夏休みを過ごせますように!

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監修者:上野 剛
キャリア15年で1000人以上の子どもたちを復学に導いた復学支援専門家。 復学率は現在もなお100%。 心理師として唯一の国家資格である公認心理師で、出版した著書はいずれも初版完売。 現在、エンカレッジの他にも家庭教育推進協会の代表理事と教育支援センターのコーディネーターも兼任。