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1,500人以上を復学へ導いた復学支援専門家。国家資格『公認心理師』や『小学校教諭1種』『幼稚園教諭1種』を保持。家庭教育推進協会代表理事、教育支援センターアドバイザーを兼任し、公的機関とも深く連携。出版した著書はすべて初版完売。本記事は家族療法(システムズアプローチ)に基づき解説しています。

「まさか、こんなに長くなるとは思わなかった」

これは、長期不登校のお子さんを持つ親御さんからよく聞く言葉です。

不登校が数か月、あるいは半年以上続くと、

  • このままずっと学校に行けないのではないか
  • 勉強は大丈夫なのだろうか
  • 学校復帰はできるのだろうか

と不安になる親御さんは少なくありません。

実際にエンカレッジへご相談いただくご家庭でも、

  • 最初は数日休むだけだと思っていた
  • そのうち行けるようになると思っていた
  • まさかこんなに長くなるとは思わなかった
  • 気づけば半年以上経っていた

というケースは数多くあります。

不登校が長期化すると、子ども自身も

  • 今さら教室に入れない
  • みんなにどう思われるだろう
  • 勉強についていけない

と不安が大きくなり、学校復帰へのハードルも高くなっていきます。

また親御さんも、

  • 何をしたら良いのかわからない
  • この対応で合っているのだろうか
  • 待った方がいいのか、動いた方がいいのか

と悩み続けることになります。

しかし、長期不登校だからといって必ずしも学校復帰できないわけではありません。

大切なのは、なぜ長期化しているのかを整理し、その子に合った対応をしていくことです。

20年以上にわたり1,600人以上の復学支援に携わってきた経験をもとに、長期不登校の原因や親の対応、学校復帰に向けて大切なことを解説していきます。

長期不登校とは?

長期不登校とは、一般的には不登校状態が数か月以上続いている状態を指します。

しかし、私は「何か月休んでいるか」よりも、「なぜ学校に行けない状態が続いているのか」の方が大切だと考えています。

なぜなら、長期不登校は原因ではなく結果だからです。

学校でのストレス、人間関係、行き渋りの長期化、母子分離不安、過剰適応、自己肯定感の低下など、様々な要因が積み重なった結果として長期不登校になることがあります。

そのため、長期不登校を改善するためには、単に学校へ行かせることを考えるのではなく、長期化した背景や原因を整理し、その子に合った対応をしていくことが大切です。

長期不登校で大切な親の対応

長期不登校になると、親御さんもどう対応したら良いのかわからなくなってしまいます。

実際にエンカレッジへご相談いただく親御さんからも、

  • 何をしても変わらない気がする
  • 待った方がいいのか迷っている
  • 学校に行く話をすると嫌がられる
  • 親として何をしたらいいかわからない

といったお悩みをよく伺います。

しかし、長期不登校だからといって特別なことをする必要はありません。

大切なのは、お子さんが学校に行けなくなった背景を理解し、今の状態に合った関わり方をしていくことです。

ここでは、長期不登校のご家庭で特に意識していただきたい親の対応について解説します。

【長期不登校の親の対応①】「待つだけ」にしない

【長期不登校の親の対応①】「待つだけ」にしない

子どもだけではなく大人もですが、不登校が長期化してくると良くも悪くもその状態に慣れてしまい、「このままでもいいかな」と言う気がしてきてしまいます。

このことを心理学の言葉で恒常性(ホメオスタシス)というのですが、人間は脳の仕組みで現状維持バイアスがあるので、「今が良ければ現状維持をしよう」としてしまうのです。これは脳の仕組みなので誰にでも起こることです。

上野
上野
子どもの性格などを熟考したうえで「学校に行かない方がいい」と判断された場合はそれでいいと思います。しかし「なんとなく行かない」「今の生活リズムに慣れたから変えたくないから」と惰性で不登校を続けたり「行きたいのに行けない」「行かなきゃとは思っているけど動けない」と気持ちはあるのに動けないというのは親御さんにとってもお子さんにとっても後々後悔するのではと思うのです。

「子どもの好きにさせてあげましょう」というカウンセラーは多いのですが、お子さんは自ら望んで不登校になったのでしょうか?

もし本当は行きたいけど何らかのきっかけで仕方なく不登校になっているのなら、その原因を取り除けるように親が働きかけてあげた方が良いと思うのです。

なので、単に子どもが自分から学校に行くのを待ったり様子を見るのではなく、注意深く子どもを観察し、対話しながら、子どもが動き出すきっかけを試行錯誤することが大事だと思います。

もちろん、家庭内の対応についても今の状態が家庭で安定していないということはどこかにズレがあると考えて対応の見直しにも力を入れていきましょう。

ただし、「待つこと」自体が悪いわけではありません。
子どもの状態によっては見守ることが必要な時期もありますし、反対に親から働きかけた方が良いケースもあります。

大切なのは、何もせずに待つことではなく、子どもの状態を見極めながら関わっていくことです。「待つ」と「放置」の違いや、見守る際のポイントについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。

不登校「待つしかない」はNG!いつまで待つのが正解?
不登校「待つしかない」はNG!いつまで待つのが正解?「不登校は待つしかないの?」と悩む親御さんへ。様子を見るリスクと、見守るべき時の見極め方を復学専門家が心理学的に解説します。...

【長期不登校の親の対応②】完全不登校ならば専門家に相談

【長期不登校の親の対応②】完全不登校ならば専門家に相談
行き渋りや五月雨登校の段階であれば家庭内の対応だけで改善するケースもあります。しかし、完全不登校が数か月以上続いている場合は、家庭だけで解決しようとせず、専門家に相談することをおすすめします。

以前「完全不登校・長期不登校の親の対応法6つを復学支援専門家が解説」という記事で詳しく書いた通りですが、完全不登校が長期化している場合は、お子さん自身もどうしていいかわからなくなっていることが少なくありません。

完全不登校…保健室登校や午後登校などではなく、朝から夕方まで登校出来ていない状態

完全不登校が長期化している場合、子どもは

・僕はなんてダメなんだ
・これからどうなるのだろう
・もう学校には戻れないかもしれない

などと考え、自己肯定感や自己効力感が低下していることが少なくありません。
自己肯定感が低下している子への関わり方については、こちらの記事で詳しく解説しています。

 

不登校の子どもに効く!自己肯定感を高める3つの方法
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なので、まずは子どもを勇気づけることが大切です。ただこの「勇気づける」というのが難しく、良かれと思って褒めているつもりがおだててしまったというケースも多々あります。

バランスが難しいと感じたら客観的に判断してもらうことも大切です。特に完全不登校が長期化している場合は、家庭だけで抱え込まず、学校や専門機関とも連携しながら進めていきましょう。

完全不登校の特徴や対応方法については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

完全不登校と長期不登校の大切な対応方法
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【長期不登校の親の対応③】原因を整理し、早めに対応する

【長期不登校の親の対応③】できるだけ早く対応する

「不登校解決に、不登校原因は関係ない」という人もいますが、私は不登校には原因があると思っています。子ども自身が「なんで学校に行けないのかわからない」と言うのは良くありますが、本人がはっきりと認識できていないだけで、実際は原因はあると考えています。

そのため、エンカレッジでは公認心理師がしっかりアセスメント(分析)したうえで、不登校になった原因をはっきりさせながら支援することを徹底しています。

そもそも見立てにズレがあると全く逆の対応になる場合もあります。特に親御さんの場合は、主観がどうしても入ってしまいます。

それは悪いことではありませんし、子どものことを信じる気持ちもとても大切です。ですが、時にその主観が客観的な判断の邪魔をすることはあります。

実際に、私たちがお子さんに直接学校の悩みを聞くと親御さんの見立てと全然違う内容だったりします。なので、子どもを愛する気持ちが強いのはいいことですが、客観的な判断にズレが出やすいということも理解しておきましょう。

見立てがしっかり整うと、子どもも自分の不安が明確になり、そこのサポートがしっかりできると不安は解消されることになるので安心して学校に行けるようになりますし、しっかり対策が立てられる分、再不登校になりにくくなります。

そして、この不登校原因は長引けば長引くほど、増えていくのです。

最初は「先生に苦手意識がある」と不登校になった子も、1か月経つと「クラスメイトに何て思われているだろう」と思ったり、「あ~今頃みんな勉強しているのに、僕はなんてダメな子だろう」「教室に入るのが怖い」とどんどん恐怖心が大きくなります。

不登校が長期化すると、最初の原因だけでなく、
・勉強の遅れへの不安
・友人関係への不安
・学校復帰への恐怖
・自己肯定感の低下
など、新たな悩みが積み重なっていきます。

そのため、できるだけ早い段階で原因を整理し、適切な対応をしていくことが大切です。

朝起きられない状態が続く場合も、不登校が長期化するサインの一つです。行き渋りや朝起きられない状態は、不登校長期化の初期サインであることも少なくありません。

原因や対応については、こちらの記事も参考にしてください。

不登校で朝起きれない原因と対処法6つ!朝から登校にこだわるべき理由
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【長期不登校の親の対応④】親が一人で抱え込まない

【長期不登校の親の対応④】親が孤独にならない

長期不登校になると、子どもだけでなく親御さんも孤立しやすくなります。

  • このままで大丈夫なのだろうか
  • 誰にも相談できない
  • 周りの家庭はうまくいっているように見える

そんな不安を一人で抱え込んでしまう方も少なくありません。孤独になるとつい必要以上に将来を悲観してしまったり、エネルギーを消費してしまうことが多いものです。

そのため、まず親御さんが元気を失わないために、孤独にならないことが大切です。自治体の窓口でも友だちでもなんでもいいので、どこか、誰かに相談してください。

「相談しましょう」と言うと、しばしば「相談できるところがない」と言われる方がおられるのですが、そのような場合は既に孤独になっている可能性があるのでご自身もメンタルケアも大事にしてください。

不登校というのはもともと相談しにくいものです。周りのママ友は学校に行っている子であれば相談しにくいですし、両親にも「あなたの子育てが悪いんじゃないの?」などと言われることも多く、孤独になってしまいがちなのも当然です。

厚生労働省も文部科学省も不登校相談の窓口があります。大抵の場合、お住まいの自治体でも「こども家庭支援センター」のような名称で相談できるところがあると思います。

周りに気を遣わず相談できるところに相談するのが気持ちも楽だと思いますので、相談するところがないと感じた場合はエンカレッジに相談してください。

エンカレッジでは専門的な相談を初回に限りですが、無料でおこなっています。専門家の相談がどのようなものか体験してもらうのも解決の前進になるかもしれません。無料オリエンテーションでご相談を受け付けていますので気軽にご連絡ください。

上野
上野

長期不登校になると、子どもだけでなく親御さん自身も疲れ切ってしまうのは当然です。

「もう優しくできない」
「どう接したらいいかわからない」

と思ったら、こちらの記事も参考にご自身もケアしてあげてくださいね。

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長期不登校の対応でよくある親の悩み・疑問

長期不登校の親のお悩み相談

ここまで、長期不登校の対応で大事な考え方を述べさせてもらいましたが、もっと具体的に知りたいと思われている方もおられるでしょう。

ここからは、親御さんからよくいただくご質問をまとめていきますね。

スクールカウンセラーに「待ちましょう」と言われました。このまま待っていて本当に大丈夫でしょうか?

病院に行って医者の診断に不安や疑問があるときはセカンドオピニオンとして別の病院にも行きますよね?なので、スクールカウンセラーの説明で納得しきれないときは、また別の専門家の意見を聞いてみると良いと思います。

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行事だけでも参加するのは良くないでしょうか?

「行事をきっかけに登校できるようにならないか」と考える親御さんは多いのですが、多くの場合うまく行きません。

詳しくは「不登校で修学旅行だけ・行事だけ参加は要注意!おすすめしない理由」の記事にまとめたのでご覧ください。

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学校には行けないのに、友だちと遊びには行けるのは良いのでしょうか?

友だちと遊びに行けるのなら、学校にも行ってほしいと親が思うのも当然です。しかし、不登校で部屋から出られない子も多いなか、自分から外に出て行けること、自宅外の楽しみを持っていること、そして何より友だちがいるということはとても良いことです。

このタイプの子は、何かのきっかけですんなり学校に行けることも多いので、そのきっかけを探って行きましょう。

ご家族だけでは登校のきっかけがわからない場合、専門家に相談すると良いでしょう。

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長期不登校でも学校復帰はできますか?

はい、できます。

ただし、長期不登校になった原因や現在の状態によって対応方法は異なります。

長期化すると、

・勉強への不安
・友人関係への不安
・教室へ入る恐怖
・自己肯定感の低下

など新たな課題が増えることもあります。

そのため、学校に戻すことだけを考えるのではなく、なぜ長期化したのかを整理しながら対応していくことが大切です。

長期不登校になると勉強の遅れは取り戻せますか?

親御さんから最も多いご相談の一つが勉強への不安です。

しかし、勉強の遅れそのものよりも、学習意欲を失ってしまうことの方が大きな問題です。

学校復帰や進路への希望が持てるようになると、自ら勉強を始める子も少なくありません。

勉強だけに目を向けるのではなく、まずは不登校の背景や原因を整理していきましょう。

朝起きられない状態が続いています。どうすれば良いですか?

長期不登校の子どもによく見られるのが、朝起きられないという状態です。

生活リズムだけが原因ではなく、不安やストレス、学校への恐怖感などが影響している場合もあります。

朝起きられない理由や対応方法については、こちらの記事も参考にしてください。

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長期不登校から学校復帰するための5つのステップ

長期不登校になると、「もう学校復帰は無理なのではないか」と思ってしまう親御さんも少なくありません。

しかし、長期不登校だからといって学校復帰できないわけではありません。実際にエンカレッジでも、数か月から数年にわたり不登校が続いていたお子さんが学校復帰したケースは数多くあります。

ただし、焦って無理に登校を促したり、反対に何もせず待ち続けたりすると、かえって長期化してしまうこともあります。

大切なのは、お子さんの状態を見極めながら、一歩ずつ学校復帰に向けた準備を進めていくことです。

学校復帰の進み方は一人ひとり異なります。

ただ、多くのケースで共通している流れがあります。

ここでは、長期不登校から学校復帰を目指す際の基本的なステップをご紹介します。

STEP1 不登校が長期化した原因を整理する

学校復帰を考えるとき、多くの親御さんは
「どうすれば学校へ行けるか」
を考えます。

しかし、その前に大切なのは
「なぜ学校へ行けなくなったのか」
を整理することです。

原因がわからないまま登校を促しても、再び不登校になる可能性があります。

STEP2 原因に合った対応をする

長期不登校の原因は一人ひとり異なります。

  • 人間関係が原因なのか
  • 勉強への不安なのか
  • 母子分離不安なのか
  • 発達特性なのか

によって必要な対応は変わります。

原因に合わない対応をすると長期化することもあるため、まずは原因を整理したうえで、その子に合った対応を考えていきましょう。

STEP3 生活リズムを整える

学校復帰の土台になるのが生活リズムです。

特に、

  • 朝起きられない
  • 昼夜逆転
  • 部屋から出ない

という状態が続いている場合は、生活リズムの改善から始めます。

STEP4 小さな成功体験を積み重ねる

長期不登校の子どもは自己肯定感や自己効力感が下がっていることが少なくありません。

そのため、

  • 朝起きられた
  • 家族と会話できた
  • 散歩できた
  • 学校に電話できた

など、小さな成功体験を積み重ねていきます。

STEP5 学校との接点を少しずつ増やす

いきなり教室復帰を目指す必要はありません。

  • 担任との面談
  • 放課後登校
  • 保健室登校
  • 別室登校

など、その子に合った形で学校との接点を増やしていきます。

学校復帰の進め方については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

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長期不登校でお悩みならご相談ください

「不登校が長期化してしまったら。対応方法と親の疑問に回答」まとめ

ここまで長期不登校完全ガイドとして、長期不登校の原因・親の対応・学校復帰までを徹底解説してきましたが、すべてのお子さんにとってこれが正解というものはありません。

お子さんの性格、環境、状態によっても変わってきますし、専門的なアセスメント(分析)なしでの情報だけでは限界があります。

学校復帰のプロセスは一人ひとり異なりますし、もちろんエンカレッジでも1人1人登校プランは変わります。

大切なのは、お子さん1人1人に合わせた個別最適化されたアプローチになります。もし、それらがイメージできない場合は1人で抱えず相談してください。

エンカレッジでは、公認心理師を中心にお子さんやご家庭の状況を丁寧に整理し、その子に合った対応方法をご提案しています。

また、初回の無料オリエンテーションでは、
・現在の状況の整理
・不登校が長期化している原因の分析
・ご家庭での具体的な対応方法
・学校復帰に向けた方向性
などについてお話ししています。

長期不登校は時間が経てば自然に解決するとは限りません。

しかし、長期化したからといって手遅れでもありません。

実際にエンカレッジでも、数か月から数年不登校だったお子さんが学校復帰したケースは数多くあります。

もし長期不登校でお悩みでしたら、一人で抱え込まずお気軽にご相談ください。

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監修者:上野 剛
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