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「不登校」と検索すると「わがまま」というワードも一緒に出てきたりして、「不登校はわがままなのか?」と気にされている方が多いように思います。
確かに泣きわめいて自分の主張を通そうとする等の子どもの言動はわがままに見えることもありますね。ただ、子どもも何か理由があってそのような言動を取っているのかもしれないので、一概にわがままとも言い切れません。
しかし、近年ではわがままによる不登校のケースも増えているように思います。わがままなのかどうかは、線引きが難しいですよね。
そこで今回は、わがままに見えるけれど実は違う不登校のケースのご紹介や、もし子どもがわがままの延長で不登校になりそうなときの対処法などについてまとめていきます。
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↓不登校の解決に必要な対応をまとめた記事はこちら↓
不登校中に一見わがままに見えるケース
周囲の大人から見ると「一見わがままに見えるものの、実はわがままではない」ケースがあります。お子さんはわがままではなく、別の理由で不登校になっているのです。
ここでは、一見わがままに見えるけれど実際は違うケースをまとめていきます。
朝だけ体調不良
「朝だけ体調不良」というのも、不登校では非常に良くあるケースです。
周囲の大人からすると、「昼以降は元気で遊んだり食欲もあるのに、朝だけ元気がないのは仮病なのでは?」と思う方も多いです。しかし、本当に朝だけ体調が悪くなる起立性調節障害という病気があります。
起立性調節障害についてはこちらの記事で詳しく説明しているのでここでは説明を省きますが、仮病でもわがままでもなく、本当に朝だけ体調が悪いのです。
そのため起立性調節障害の場合はわがままでは片づけず、病気と不登校の両輪で解決できる方法を模索していくことが重要です。
ゲーム依存・昼夜逆転
ゲーム・スマホ依存や昼夜逆転によって不登校になった場合も、親からすると「甘えているだけなのでは」「好きなことだけやるのはわがまま」と感じてしまうこともありますね。
確かに朝に起きられず学校に行けないのは甘え・わがままのように見えるかもしれませんが、そもそもゲーム・スマホに依存してしまう別の原因や心理状態があるのかもしれません。例えばゲームで現実逃避したくなるほど嫌なことがあった、などです。
こちらの記事で詳しく解説していますが、ゲーム・スマホ依存や昼夜逆転がある場合は「ゲーム依存を治さなければ学校に行けない」と考える必要はなく、むしろ学校に行くからこそゲーム依存が解決できることもあるので、視野を広く持って対応していきましょう。
言うことがコロコロ変わる
言うことがコロコロ変わる場合も、「言い訳をしているだけなのでは」「わがままなのでは」と思ってしまうこともあると思います。
例えば「明日は学校に行く」と言っていたのに翌朝にやっぱり行けない場合、周囲の大人は「気分屋のわがままなのでは」と思うかもしれませんが、子どもにとっては本気で学校に行くつもりだったというケースもとても多いです。
親からのプレッシャーを感じて、期待に応えたくて「学校に行く」と言ってはみたものの、本音では行きたくないし登校を納得しているわけでもないので勇気も出せずに行けなかったのかもしれません。
そのため言うことがコロコロ変わる場合も、わがままとは一概には言えません。
改善すべきわがまま
子どもが自分の意見を言えることはとても良いことです。
しかし、自分の意見を言えること・自己主張とわがままは線引きが難しい場合もありますね。周囲に迷惑をかけてしまうようなわがままは、今後お子さんが社会生活を送りにくくしてしまう一因となるので、子どものうちに改善しておきたいところです。
ここでは、改善すべきわがままのケースを見ていきましょう。
悪いことをしても謝れない
突然ですが、あなたのお子さんはしっかりと「ごめんなさい」と謝ることができますか?
もし謝るべきシーンで謝れない場合、それはお子さんのわがまま化が始まっているかもしれません。
私も15年以上復学支援をしてきて、特にここ数年は良くないことをしても謝れない子が多くなっていると感じます。
良い/良くないの価値観はそれぞれなので「そもそもこれは良くないことなのか」は常に大人側も振り返っていく必要はあるのですが、明らかに良くないことをしたり、周囲に迷惑をかけたりした場合でも謝れない子がいます。例えば以下のようなケースです。
- お友だちのおもちゃを壊してしまったのに、謝らずに逃げてしまう
- 嘘やごまかす行為をして親に叱られても謝らず、黙ったり拗ねたりする
- スケートボード禁止区域でスケートボードをして怒られたが、「だって~」と言い訳して謝れない
- 「ゲームは1日1時間まで」と家庭内ルールを決めたのに、ルールを破っても謝らない など
謝れない心理の裏には「自分のポジションが下がるから謝りたくない」という気持ちがあることがあります。これは特に家庭内において良くあるケースで、普段から親が子の言いなり(子ども上位)になっていたりすると、子どもはその優位のポジションを守ろうとして「謝らない」という行動に出るのです。
反発・逆ギレする
反発や逆ギレが激しいケースも改善したいところですね。
前述の「謝れない」と似ているのですが、自分の非を認められない、自分の主張をなんとしても通そうとするがあまりに反発や逆ギレを起こすお子さんもいます。これはゆくゆく家庭内暴力にも繋がることがありますので、注意が必要です。
「自分は悪くない」という気持ちが強すぎて人のせいにする思考パターンが定着している場合、何かにつけて親御さんのせいにされてしまうこともあるため大変です。お友だちとケンカしてしまったことも、学校に忘れ物してしまったことも、あらゆることが親のせいと言われることがあります。
そして、学校生活では誰かのせいにできなかったり、反発したり怒りをぶつけられる人がいないため、自分の都合よく振舞えない学校生活自体がストレスとなり、不登校になってしまうのです。
子をわがままにしてしまう親の言動・態度
不登校の子はわがままとも限りませんが、わがままな性格が目立つ子もいます。
そしてそのわがままは、親の家庭教育や日々の接し方に関わっていることも多いのです。つまり、親が家庭内対応を見直すことで、子のわがままな性格を改善して行ける可能性も高いのです。
ここでは、どのような親の対応が子どものわがままを誘発しやすいかをまとめていきます。
叱り切れない
お子さんがわがままな性格になったとき、一番最初に確認したい家庭内対応は親が「叱り切れているか」ということです。
親からすると子どもはとても可愛いので、つい厳しく言えない方もおられるでしょう。叱り方が優しすぎたり、子どもの顔色を伺いながら叱ったりすると、子どもは「親は本気で怒っているわけではない」と錯覚してしまいます。
- そもそも親が怒ったり叱ったりするのが苦手
- 叱る日と叱らない日があるなど、対応にムラがある
- 感情的に叱ってしまい、ただ怒られたと思われ内容が伝わっていない
- 子どもを可愛がり過ぎていて、優しくしか接することができない
- 「拗ねたり反発するから話せない」と、親が叱ることを諦めてしまっている
- 「何がいけなかったか」「次にどうするか」まで落とし込んで考えさせていない
- 失敗がダメではなく、失敗は大切なことであることを伝えられていない
- 父母で育児スタンスに違いがある(父が問い詰めようとしても母が止める、など)
「叱る」というのは、非常に重要な育児スキルです。
子どもに嫌われたくない思いが強くて叱れない親御さんもいますが、言い回しやタイミング、声の抑揚等の叱り方・伝え方を工夫することで嫌われるどころか、むしろ信頼してくれることさえあるため、叱ることを怖がらずに諦めないでほしいです。
子どもの言いなり(子ども上位)
子どもの言いなり(子ども上位)になってしまう親御さんが、近年では増えています。
お菓子やおもちゃを欲しがるだけ与えてしまったり、マナーを注意できなかったり…このような家庭内対応が続いていくと、やはりお子さんはどんどん自己中心的になり、わがままになることが多いです。
2~4歳のイヤイヤ期はどうしようもないこともありますが、成長するに従ってルールを守る社会性を身に着けたり、我慢を学んだり、周囲の人とうまく折り合いをつけて暮らしていくスキルを習得しなければいけません。
年齢に応じたソーシャルスキルが身につくように、親御さんが家庭内対応を年々少しずつレベルアップさせていくことが重要です。
誤学習が多い
わがままな子は誤学習をしてしまっていることも多々あります。
誤学習とは、本来は良くないことであるにも関わらず、都合のいいことと誤って認識された学習のことを言います。例えば「泣き喚いたらおもちゃを買ってもらえた」というのは「次も泣いたらおもちゃを買ってもらえる」と錯覚して学習してしまう誤学習と言えます。
わがままな子は、日々の家庭内対応で誤学習をしてしまっていることも多いです。つまり、誤学習を正すことが出来れば、わがままな性格や不登校なども解決できる可能性が高いのです。
一度学習してしまった誤学習を正すのはかなり根気強く対応していくことが必要ですが、非常に効果があります。お子さんの性格を矯正することで親御さんの日々の子育ても格段にしやすくなりますし、子ども上位や不登校といった困りごとも解決しやすくなります。
誤学習に関してはこちらに詳しくまとめてありますので参考にしてください。
「不登校はわがまま?子ども上位になる親の言動と対処法」まとめ
「うちの子はわがまま?」「何でもかんでも親のせいにされて辛い」「反発・逆ギレでどうしていいかわからない…」など、お子さんのわがまま・自己中心的な振る舞いにお悩みの親御さんはとても多いです。
このようなお子さんの振る舞いは、家庭内における子ども上位のバランスを変え、誤学習を正すことで改善できたケースを今までにたくさん見てきました。やはり大事なのは、地道な毎日の家庭内対応なのです。
エンカレッジでは、お子さんのわがままな性格を直したい、子ども上位や誤学習を正したい親御さんには会話ノートの添削を行っています。日々の親子の会話を見直すことで、どのような会話や問いかけが子どもの自立を促すのか、逆に改善すべきやり取りやスタンスは何かがつかめてきて、次第に親御さん自身で取るべき家庭内対応の判断がつくようになってきます。
一方でお子さんには、認知行動療法の考え方が有効です。エンカレッジは子どもに特化した認知行動療法の考え方を直接お子さんにコーチングしてお子さんの認知の変容を促し、誤学習の改善や子ども上位の改善などをおこないます。
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