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2022年9月25日(日)、「子どものやる気スイッチを見つける行動変容ステージモデルを学ぼう」のテーマで家庭教育セミナーが開催されました。
悪い習慣をやめて、良い習慣を作っていくための「行動変容」の方法について、心理学の知見から坂下雅代先生に講演していただきました。
子育て中の親御さんは、習慣に関してこんなお悩みはありませんか?
- 長時間のゲーム・動画をやめさせたい
- 夜更かしして朝寝坊するのを改めさせたい
- 電気をつけっぱなしにするのをやめてほしい
- 使ったものを元あった場所に戻すクセをつけさせたい など
お子さんに変えてほしい習慣はたくさんあると思います。不登校も見方によっては「変えたい習慣」とも考えられますよね。
悪い習慣をやめて良い習慣に変容させていくことは、家族がそれぞれ自立し、家庭内のお互いのストレスを軽減することにも繋がります。
今回はこの家庭教育セミナーの内容を少しご紹介していきますね。
家庭教育とは
エンカレッジ代表・上野が代表理事を務める家庭教育推進協会の主催で、度々開催されている家庭教育セミナー。
そもそも家庭教育とは何なのか、習慣作りとどう関係があるのかをまずまとめていきますね。
家庭教育とは「家庭内で行う教育」のこと
家庭教育とは、文字通り家庭内で行う教育のことです。学校で教わる勉強とは異なり、自尊心や自立心、社会性やコミュニケーション能力など、生きていくためのライフスキルの基盤となる教育です。
ひと時代前までは、家庭教育は地域全体で行っていました。この記事を読んでいる方のなかにも、子ども時代に近所のおじいちゃん・おばあちゃんと自然に触れあったり、マナーを教わったりした方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし現代は核家族化が進み、子どもの家庭教育を担う大人が一緒に暮らす大人、主に両親だけになってしまいました。地域が子育てをしなくなった分、親が子どもに教えなければいけないこと、つまり家庭教育が増えてしまったのです。
また、家庭教育をするためにも知識が必要です。家庭教育が増えるのと比例して、親御さん自身が子どもの家庭教育のしかたについて学ばなければいけないことも増えてしまっているのです。
家庭教育がうまくいかないと起こるリスク
家庭教育がうまくいかないと、お子さんはバランスよく育つことができません。
人間関係に偏りが出て母子依存や対人恐怖を感じるようになってしまったり、外に出るのが怖くて不登校になったりすることもあります。
そのため、お子さんが将来自分の力で生きていく力をつけるには、家庭内での家庭教育が重要なのです。
家庭教育支援とは
地域での子育てが減少した現代では、家庭教育の担い手は子どもと一緒に住む家族、特に両親です。そのため、両親自身が子どもに様々なライフスキルを教えなければいけません。
一方で現代社会は共働きが増え、親も仕事で忙しくて子育ての時間やゆとりを取りづらくなっています。家庭教育を子どもが身に着け習慣にするには、膨大な時間と労力がかかります。
子どもや家庭教育に関心はあるけれど、日々に忙殺されてなかなかエネルギーを注げないと感じてらっしゃるかたも多いです。
そのため、社会や地域、第三者が各ご家庭の家庭教育の支援をすることを家庭教育支援と言います。家庭教育推進協会も家庭教育のご相談を受けたりセミナー開催をしたりしていますし、自治体のメンタルフレンドも家庭教育支援の一環と言えますね。
習慣の重要性
心が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば人格が変わる。
人格が変われば運命が変わる。
上の言葉はアメリカ合衆国の哲学者・心理学者のウィリアム・ジェームズの言葉だと言われており(諸説あります)、メジャーリーガーの松井秀喜選手の座右の銘でも知られていますが、まさに習慣の力を感じる言葉です。
人生や運命といった大きなことも、日々の行動・習慣からなっていくため、つまり習慣を良い方に転換させていくことができれば、人生さえも動かすことができるのです。
習慣を身に着けるべき理由
習慣の最大のメリットは、考えずに行動できることです。
例えば朝起きてカーテンを開けることは、習慣になっていない人は面倒に感じたりストレスがかかるでしょう。一方で習慣化している人は、朝起きたら何も考えずにカーテンを開けることができます。
また夜の間食も、いつも食べている方はおやつがないとイライラしたり口寂しい感じがすると思いますが、普段から間食しない人にとってはおやつがなくても何とも思いません。
このように、習慣化するまでは大変ですが、一度習慣化してしまえば何も考えずとも続けられるのです。
行動するための動機づけ
人間に新しく行動を起こしてもらうには、動機付けが重要です。
「なぜその行動をとるのか」ということを、本人が認識している状態にすることですね。
この動機付けには内発的動機付けと外発的動機付けの2つがあり、うまく使い分けることが習慣作りに有効です。
では詳しく見ていきましょう!
内発的動機づけ
内発的動機付づけとは、好奇心や向上心、探求心など、自発的に湧き上がるやる気です。
- 興味があるから調べてみたい
- 本当は学校に行きたいと気づいた
- ゴミが落ちてるから拾う など
周囲から強制されるでもなく、自分の内側から湧き上がるやる気が内発的動機づけであり、まさに理想の行動と言えます。
外発的動機づけ
自発的なやる気とは異なり、外発的動機づけは評価や報酬、制限によってやる気を起こそうというものです。
- 勉強しないと叱られるから調べる
- ゲーム買ってあげると言われたから学校に行く
- ゴミを拾うと評価に繋がるからゴミ拾いする
自発的な内発的動機づけとは異なり、外発的動機づけは他者の影響によって行動を起こしていますね。
外発的動機づけはあくまで「評価」「報酬」「制限」によって起こされる行動なので、その「評価」「報酬」「制限」がなくなれば行動もしなくなるというデメリットがあります。
2つの動機づけの使い分け
理想を言えば、内発的動機づけで色々な行動ができれば最高です。
「勉強したいから塾に行かせて!」「健康のためにお菓子はもうやめておくね!」といったやる気を自発的に持てれば良いですが、実際そううまくはいきません(笑)
例えば不登校の子は、学校に行きたくないという強い意識があるので、今更「学校は楽しいよ!だから行こう」などと言っても「だから楽しくないって言ってるじゃん!」と一蹴されて終わりです。そう簡単に不登校が解決したら苦労はないですよね。
なので、外発的動機づけをきっかけとして行動を起こし、そのやる気を内発的動機づけに移行していくのがスムーズです。
不登校の場合は「1週間登校できたらキャンプに行こう」などといったご褒美でまずは外発的動機づけをします。気が乗らないけど頑張って登校を続けたら「意外と行けた」「僕もやればできるんだ!」などと自信がついたり、気持ちの変化が起こっていくので、そのタイミングで「本当は《学校に行ける強い自分》になりたかったのでは」という気持ちを引き出し内発的動機づけに移行します。
内発的動機づけができれば、もうご褒美などの外発的動機づけはいりません。一定期間継続できれば、それが習慣となって当たり前化してくのです。
習慣を作る方法
ここまで、外発的動機づけをきっかけに内発的動機づけに移行できると良いとお伝えさせて頂きましたが、実際にいい行動や習慣をどうやって継続するかが気になりますよね。
実は行動が習慣になるには、行動変容の5つのステップを経ます。このステップごとの特徴や注意点に留意しながら行動を継続することが、習慣作りの近道と言えるのです。
「行動変容」は心理学用語であり、少し専門的な内容にはなりますが、詳しく学びたい方は家庭教育推進協会HPのアーカイブから有料にはなりますが視聴することができますのでご活用くださいね!
- やる気が全くないときのNG対応・声掛けとは?
- 「変わりたいけど変わりたくない」ときに有効な対応方法は?
- 「やっぱりやめたい」と思ったときの克服方法は?
- 習慣化しつつあるときの注意点は?
こういった疑問も、家庭教育推進協会HPのアーカイブから学ぶことができます。
行き当たりばったりで子どもに対応するのではなく、行動変容の心理学の理論に基づいた5つのステージモデルを学ぶと、やるべきことが頭の中で整理できて、お子さんの状況を見ながら親御さん自身で対応方法が判断しやすくなるのでおすすめです。
エンカレッジ代表・上野剛が講師を務めた認知行動療法のアーカイブ動画もありますので、「ネガティブ思考を変えたい」「人間関係のストレスを減らしたい」などに興味のある方は参考にしてくださいね。
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