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子どもが不登校で学校を休んでいる間、家での過ごし方に悩まれる親御さんは多いです。
本来であれば平日は学校で何時間も勉強しているはずなのに、家でダラダラと過ごす子どもを見たりすると、つい不安や焦燥感を感じてしまうのではないでしょうか。
しかし、ここで感情的になってしまっては状況を悪化させかねません。
家での過ごし方は、その後の不登校に大きく影響してしまいます。というのも、お子さんにとって接する社会が家庭だけになってしまうので、家庭内対応の重要性がより高まるからです。
今回は、不登校中の家での過ごし方が《楽しい場合/退屈な場合》のメリット・デメリットをまとめるとともに、子どもの状況に合わせた親の家庭内対応方法をまとめていきます。
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不登校中に楽しく家で過ごすメリット
不登校中に家で楽しく過ごしてしまうと「楽しくてそのまま学校に行きたくなくなるのでは」と不安に感じる方もいると思いますが、不登校中に家で楽しく過ごすのもメリットはあります。
まずは不登校中にこどもが家で楽しく過ごすことのメリットをまとめますね。
ストレスがかからない
家で楽しく過ごせることは、子どもにとってとても幸せなことです。
特に学校の人間関係などでストレスを多く抱えていた子などにとって、自宅でゆっくり休息することが大事なときもあります。
大人も悩んだり疲れてしまったとき、ゆっくり休むことで頭の中が整理できて、解決のための良いアイディアが浮かんだりしますよね。
それと同じで、ストレスを抱えていたお子さんも一定期間ゆっくり休むことで心が回復することもあります。
気持ちが前向きになる
家で楽しく過ごせると、元気がたまったり、気持ちが前向きになれることも多くあります。
一度元気になると、不登校になった原因でさえも小さなことに思えたり、「もう一回、頑張ってみたい」と思えるようになることも。
家で楽しく過ごすと、こういったポジティブな感情変化があることもあります。
家族間のコミュニケーションが良好になる
家で楽しく過ごせると、家族間のコミュニケーションも良好になることも多いです。
というのも、不登校期間中に家族で楽しく過ごせるということは、「家族が不登校を認めてくれた」と子どもは受け取るからです。
親に認めてもらうとき、子どもは大きな安心感を覚えます。
不登校になってばかりや精神的に不安定な子どもほど、存在を認め、安心して落ち着ける環境は必要です。
不登校中に楽しく家で過ごすデメリット
ここまでは不登校中に自宅で楽しく過ごすメリットをお伝えしましたが、逆にデメリットがあるのかも気になりますよね。
ここでは、自宅で楽しく過ごすデメリットをまとめていきます。
「このままでいいや」と思ってしまう
家で楽しく過ごしていると、子どもはそのうち「このままでいいや」と思い始めます。
こういった、危険を避けて現状維持を選択しようとする行動を心理学用語で現状維持バイアスと言いますが、この「危険を避けよう」と考える人間の無意識の本能はかなり強いです。
そのため、家で楽しく過ごしていると、学校復帰への気持ちがどんどん遠のいてしまう可能性が高いです。
本来はみんなが学校に行っている時間に楽しく遊べるのですから、原理原則が守られなくなっている状態でもあり、「ルールを守らなくてもなんとかなるんだ」という発想になりやすいことも注意が必要です。
母子依存が進行しやすい・わがまま化する
不登校中に家で子どものことを認めて受け入れ続けることは、子どもが退行し母子依存につながりやすくなります。
教育センターの先生やスクールカウンセラーのアドバイスでは「何でも受け入れてあげましょう、わがままも認めてあげましょう」と言われることも多いですが、そうやって母子依存が進行して、子どもがどんどん1人で何もできなくなる状態を見てきました。
- 爪をかむようになる
- ハンカチを吸うようになる
- 1人で眠れていたのに、眠れなくなる
- おっぱいを触るようになる など
特に母性が強い親御さんの場合、「今は優しくしてあげないとかわいそう」「私がこの子を守ってあげないと」という親としての責任感から、つい子どもの言いなりになったりして子ども上位になりがちです。
自宅で楽しく過ごして気持ちを落ち着かせるはずが、子どもがどんどんわがままになっていく可能性もあります。
不登校中に退屈に家で過ごすメリット
スクールカウンセラーや精神科のドクターからは「家で退屈させるように」とは言われないと思いますが、家で退屈に過ごすことは意外にもメリットがあります。
ここでは、不登校中に退屈に過ごすメリットをまとめていきます。
このままでは良くないと気づく
不登校は解決すべきことです。
学校を休んで自宅でばかり過ごすことは、社会のルールの原理原則にかなっていません。そして「学校に行くべき」ということは、子ども自身もよくわかっています。
そのため自宅で退屈に過ごしていると「学校に行っていないと楽しくはできないんだ」という認識になり「このままではよくない」と子ども自身も意識しやすいです。
学校復帰の意欲が出る
不登校中に自宅で退屈に過ごしていると「やっぱり家にいても退屈だから学校に行こうかな」と学校復帰の意欲が出てくる場合があります。
近年ではいじめなどのはっきりとした原因ではなく「なんとなく学校に行きたくない」「歩くのが面倒だから」といった理由で不登校になる子も多いです。
そのため、はっきりとした不登校の原因・理由がない場合、自宅が退屈だと、それだけで学校に行く意欲になるのです。
母子依存が減る
不登校中、楽しいときは遊びに集中してしまいますが、退屈すると子どもは自分を見つめ直す時間が持てます。
親がなんでもかんでも構ってあげるのではなく、あえて放任になって子どもを退屈させることで、子どもは親との接触も少なくなり、母子依存が減ることもあります。
さらに「ゲームを買ってほしい」「遊びに行きたい」といったわがままな要求にも応じなければ、ストレス耐性も身につくでしょう。
不登校中に退屈に家で過ごすデメリット
不登校中に自宅で退屈に過ごすことはメリットも多いですが、反対にデメリットもあります。
不登校中の自宅での過ごし方は、お子さんの様子を見ながら、適切なタイミングで適切に対処していくことが重要です。
ここでは、自宅で退屈に過ごしたときのデメリットをまとめます。
子どもが荒れる可能性
自宅で子どもを退屈にさせることにより、「暇だ~。どうしたらいいんだ!」と子どもが荒れる可能性があります。
そして、退屈を紛らわすためにゲームやスマホのSNSに時間を使うようになり、次第にゲーム依存・SNS依存に発展することもあるため注意が必要です。
ネガティブ思考
大人もそうですが、1人で部屋に閉じこもったり、運動しないでダラダラ過ごしていると、ネガティブ思考になってしまう方も多いのではないでしょうか。
退屈でいるとつい余計なことを考えたりして、学校に行く不安が助長されたり、勉強の焦りから将来を悲観したり…学校に行けていない自分を責めて「どうせ僕なんて、私なんて」という思考回路が頭に定着してしまうのも辛いですよね。
こういった意味でも、家で退屈に過ごすことには気をつけないといけません。
家族との関係性悪化
家で退屈することによってストレスがたまると、ゲーム依存・SNS依存などになる子が多いです。
家族と一緒の時間が増えることに加え、ゲームのしすぎを親に咎められたりするとイライラして、親子間の関係性が悪化する可能性もあります。
不登校中の家での過ごし方はどうすべき?
不登校のとき、家で楽しく過ごしても、退屈に過ごしても、それぞれメリットもデメリットもあることをお伝えしました。
それでは具体的にどのように対応したらよいのか迷ってしまった方も多いと思いますので、ここから先では具体的にすべきことをまとめていきます。
その子に合わせた対応が重要
不登校中の家での過ごし方は、楽しくしても退屈しても、それぞれにメリット・デメリットがあります。
ではどうしたらよいのかということですが、それは「不登校の子が今どのような心理状況にあるのか」を観察して、その都度適切なタイミングで適切な対応を取っていくしかないのです。
例えば、いじめなどで心の傷を負って不登校になっている子に対して、「学校を休んでいるんだから家でおとなしくしていなさい」というのは酷ですよね。心の傷がある子は、しっかりと休息して自宅でリラックスして楽しめる環境を整えるのが大事です。
一方で、なんとなくやる気がでなくて学校を休んでいる子が、家で楽しく過ごせてしまうと登校の意欲が削がれてしまいます。「このまま不登校でも、楽しいからいいや」と思ってしまうと、不登校解決には逆効果です。
また、子どもの性格や気質によっても対応方法は変わります。HSCなどの気質が不登校に影響していることもあるからです。
そのため、その子の休んだ状況や性格、状態を見て親が対応を考えなければいけません。
- 休んだ状況
- 子どもの性格
- 休んでいる状態
不登校中の家での過ごし方を考えるには、親の観察力、分析力、対応力が問われます。
もし「どうしていいかわからないけど不登校だけは解決したい」と迷っていらっしゃる方は、エンカレッジでカウンセリング・ご相談いただくこともできます。
楽しくても、どこか足りない気持ち
以前エンカレッジのクライアントさんの中に、こんなことを語ってくれた子がいました。
「学校のことを考えると辛くなるので、1日を楽しく過ごすことだけを考えることにしたら辛くなくなった。でも今度はそれ以外のことが考えられなくなって心のシャッターが開けられなくなってしまった」
この言葉は、不登校の子どものリアルな気持ちを表していると思います。
最初は心を休めるために自ら心のシャッターを作ったけれど、ある時からそのシャッターが怖くなってしまったのかもしれません。
「このままではだめだ」と自ら気がつき、なんとか変わりたいと自分から思えるようになったのですね。
このように、不登校中も子どもの心は成長し、思考も移り変わっていきます。そのため、その時々で子どもを観察し、対応していくことが重要です。
結局その子のシャッターは私が開けることができ、その後登校して継続登校も出来ましたが、やはり不登校の問題は、家族だけでは難しい場合もあります。
自分だけで判断できない場合は、専門家に相談して客観的に判断してもらうと、イラショナルビリーフから解放されて解決できることもあります。
お悩み別!不登校中の家での過ごし方
不登校中の家での過ごし方は、子どもの状況に応じて対応することが重要であることがご理解いただけたと思います。
ここからは、勉強や人間関係など、不登校時のお悩み別に家での過ごし方のポイントをまとめていきます。
勉強の遅れ
勉強は、何もしないよりできるならしたほうがいいです。
理由は、学校復帰するうえで、勉強の遅れに対する不安が軽減できるためです。
チャレンジタッチや学校のドリルなど何でも構いませんが、勉強ができそうなら進めましょう。
ただし、学校のことを考えると頭が痛くなったりお腹が痛くなったりする場合などは無理に勉強させる必要はありません。
一方で、勉強をすることで「学校に行かなくても家で勉強できるからいい」と学校復帰への意欲がなくなる可能性もあるので、家で満足している場合は勉強を促さないで「やはりこのままではまずい」と感じてもらう必要もあります。
友だち関係
友達と遊ぶことに関しても、友達と遊べるなら遊んだほうがいいです。
学校復帰する際に友達との関係があるのとないのとでは大きく違ってきます。
しかし、罪悪感から友達と会えないという子もいるので、嫌がっているのに勝手に親が誘導して遊びに来てもらうことは避けてください。
また、勉強と同様に「学校に行かなくても友達と遊べるから今のままでいい」と思ってしまう子もいるので、その場合は友達と遊んでいるから安心という訳ではないのでその辺りも考えていかなければいけません。
また、遊びに来てくれている子どもの家庭の中には、休んでいる子と関りを持つことで自分の子も休んでしまうのではと不安に思う家庭もあるので、そのことを十分に理解して、感謝の気持ちを忘れないようにしましょう。
親が仕事を辞めるべきか
子どもが不登校になると、仕事に影響が出る方もいらっしゃると思います。
「今は子どもと精いっぱい向き合わなければいけないのでは」「会社に迷惑をかけるくらいなら辞めたい」といった考えが頭をよぎることもあるでしょう。
実際クライエントさんから「仕事をやめたほうがいいですか?」とよく聞かれますが、私は辞めないほうがいいと答えています。
- 1日中、子どもと一緒にいると母子依存に繋がる
- 子ども上位になりがちになってしまう
- 子どもの事ばかり考えると気が滅入ってしまう場合もある
- 1日中子どもに引っ付かれて後追いされて精神的に辛くなる
- 経済的に余裕がなくなり心のゆとりも減る場合がある など
今仕事をされている方は、辞める必要はありません。
ただ、子どものことが不安で仕事が手につかないなどの場合は一時的に休職してください。
その場合も、1日中子どもといるよりは、図書館で勉強したり、公園で本を読んだりと適度に外出することをお勧めします。
子どもが低学年など留守番できない家庭は仕方ないですが、それでも留守番できるように5分からでもいいので練習していってください。
1人で抱えてしまうとどんどん思い詰めて辛くなりますから、適度な気分転換は必要です。
何より親御さんが精神的に安定していないとお子さんも混乱してしまいますから。
「不登校中の家での過ごし方は?楽しく過ごすのはNG?復学専門家が解説」まとめ
不登校中の自宅での過ごし方は、その子の不登校原因・性格・現在の状況などから分析し、適切なタイミングで対応していくことが必要です。
「絶対に正解な対応」はないのです。
大事なのは「今のその子に合った対応ができているか」です。
不登校は先が見えなくて辛いと思いますが、不登校が解決すれば、勉強の遅れや仕事を辞めようかといったお悩みが全て解決されます。
辛い日が1日でも短くなるように、まずはしっかりとお子さんを観察して、取るべき対応を考えて行きましょう。
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