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兄弟姉妹で不登校になると
- 「なぜうちだけ…」
- 「私の育て方が悪かったの?」
と悩まれる方が多いです。
不登校の子が1人でも大変なのに、2人以上となると親御さんの心配や負担は非常に大きくなります。子どもとどう向き合ってよいかわからなくなって、自信を失ってしまう方も多く見てきました。
今回は兄弟姉妹揃って不登校になった場合、それは「親のせいなのか?」「どうすればよいのか?」について復学支援専門家の視点からまとめています。
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兄弟姉妹揃って不登校になるのは親のせい?
「兄弟姉妹揃って不登校になるのは親のせいなの?」と悩まれる方も多いですが、結論から言うと、必ずしも親の対応が原因とは言えません。
以下で詳しく説明していきますね。
不登校の原因は様々
不登校の原因は、その子その子で全く異なります。
私は今までに1000人以上の子を復学に導きましたが、その1000人でも1人として同じ不登校原因はないと思えるほど、実に様々な原因・ケースがあるのです。
例えば「勉強が嫌いだから学校に行きたくない」と言った子がいるとして、その不登校原因は《勉強の遅れ》とは限りません。
- 周囲と自分を比較して落ち込み過ぎる
- 完璧主義で「常にいい点を取らなければ」と自分にプレッシャーをかけ過ぎる
- 「先生に嫌われているのでは」と悲観的に捉えてしまう など
一見不登校原因が《勉強の遅れ》に見えても、実は背景に上記のような思考のクセがある場合も多く、そうなると不登校の原因は本当に多種多様なのです。
なぜこのような思考のクセになったか考えることも大切であり、不登校原因をいかに深く分析できるかが、再登校の先の継続登校を見据えた際には重要なのです。
このように不登校原因は様々なので、親の家庭内対応の影響もあるかもしれませんし、そうでないこともあるでしょう。まずは個別にしっかりアセスメントすることが大事なのです。
そもそも兄弟姉妹で不登校は連鎖しやすい
そもそも兄弟姉妹で一緒に不登校というのは、起こりやすいものです。
なぜなら、1人不登校になると、残りの兄弟姉妹は不登校がどんなものか知ってしまい、以下のように考えるようになるからです。
- 「自分も休んでも怒られないのでは?」
- 「休んでも寂しくないから楽しく過ごせそう」
- 「兄、姉がうらやましい」 など
そのため、2人目以降の不登校は「親のせい」「育て方の問題」ではないです。どうしても悪循環の連鎖が起こりやすい環境になってしまうので、仕方ない側面があるのです。
ただ、それでも不登校を解決するためには親の力は重要です。不登校の子の状態を把握して、親が家庭内対応を変えることで再登校できた子の例は枚挙にいとまがありません。
兄弟姉妹への不登校の連鎖は起こりやすいですが、そこをなんとかできるのは親の力が大きいのです。
「兄弟姉妹揃って不登校は親のせい」と考えなくていい
兄弟姉妹揃って不登校になったとき、親御さんは不安な気持ちを抱えて過ごされていると思います。特に、子どもを愛し子育てに一生懸命な人ほど「1人だけではなく、兄弟姉妹揃って不登校になってしまうということは、親である私のせいなのでは」と思い詰めてしまうことがあります。
確かに親御さんの育て方で不登校になりやすい性格・考え方になってしまうことはあります。しかし、HSCなどの生まれながらの気質でも不登校のなりやすさが変わってきますし、そこは詳しくアセスメント(分析)してみないとわからないところです。
そのため「親のせい」とは考えないでください。そもそも現代日本社会が、子育てしにくい社会であり、不登校になりやすい社会なのです。
現代日本は子育てしにくい社会
そもそも現代日本社会は、歴史上トップレベルに子育てがしにくい環境です。
昔は地域社会のなかで、子どもは色々な大人と関わりながら育っていきました。親が子を放っておいても、ガミガミ怒る人・優しい人・几帳面な人…など、周囲の色々なタイプの大人と接するなかで、子どもはうまく折り合いをつけて生きていく術を自然と学べていたのです。
しかし現代では核家族化が進み、1人の子どもに日常的に関わる大人は「親」と「学校の先生」がほとんどです。子どもにとって、接する大人に占める親の割合が非常に大きくなってしまったのです。
そのため、子どもは親の考え方や思考のクセ、言葉遣い、性格や気質など、一層強い影響を受けるようになりました。
昔は親が子を甘やかしてしまっても、厳しい人が周囲にいたりして、バランスがとれていたので問題に発展しにくかったのです。しかし現代では、例えば親が甘やかしてしまうと、子どもは甘やかされること以外を知らずに育ってしまい、成長して学校に行くようになったタイミングで「不登校」等で問題が表出することが多いように思います。
そのため、現代の親世代は過去の親世代と比べてもたくさんの役割を担い、非常に高い対人スキルが必要になってしまい、親の負担が増えると同時に、何かの拍子に関係性の歯車が崩れやすくなっているのです。
そのため、不登校は親のせいというよりも、現代社会システムの1つの課題点と言えるかもしれません。
「兄弟姉妹揃って不登校は親のせい?」まとめ
兄弟姉妹で一緒に不登校になると、自分を責めてしまう親御さんが多いのですが、今まで1000人以上の不登校の子とその家族を見ていて、親の愛情不足と感じた例はほとんどありません。
むしろ、みなさんお子さんのことをとても愛していて、一生懸命に子育てしていった結果、どこかでボタンをかけ間違ってしまったような親子が多いのです。このような場合、「不登校は親のせい」と言うのは辛すぎます。
しかし兄弟姉妹で不登校になったとしても、原因が親のせいではなくても、不登校を解決できるカギは親御さんの家庭内対応です。とはいえ一度不登校になってしまうと、親の力だけで復学するのは暗闇で手探りする感覚になるかもしれません。
子どもと言えど、人格を持った1人の人間です。大好きな親だからこそ言いにくいこともあるので、親子の間に第三者が入ることで驚くほどスムーズに不登校が解決することもあります。
不登校の親御さんには、迷ったとき、困ったときにすぐ相談できる相手が必要です。「こんなときは何と言ったらいい?」等些細なことでも相談してスッキリするだけで、毎日自信を持って子どもと接することができ、先の見通しも立ち、気持ちに余裕ができて好循環が生まれます。
もしご自身だけで限界を感じたなら、早い段階で専門家に相談することが再登校への近道です。
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