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夏休みが終わりに近づくと、毎年必ずと言っていいほど親御さんにご相談頂くのが「夏休み明け、うちの子は登校できるでしょうか?」「親の方が不安で胃がキリキリします…」というもの。
休み明けのなかでも、夏休み明けが1番不安になるかと思います。こんなとき、エンカレッジではお子さんへのカウンセリングももちろんですが、親御さんとの対話も大切に考えています。
エンブロをご覧のみなさんは、エンカレッジでご相談頂くクライアントの親御さんと同じように夏休みの終盤に不安な方も多いと思うので、今回は「夏休み明けに登校できないのでは」という不安に対処する方法をカウンセリング例を交えてお伝えしたいと思います。
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「夏休み明けにお休みしたらどうしよう」と不安なときの対処法
以前「不登校のときの夏休みの過ごし方!夏休み明けは再登校の大チャンス」の記事でも書いた通り、夏休み明けは不登校になりやすい一方で、気分をリセットして再登校しやすい時期でもあるため、親御さんとしては「登校できる?難しい?どっち?!」と気持ちが揺れ動きやすいのです。
しかし、親の不安を子どもはなんとなく感じ取ってしまいます。優しい子ほど「お母さんがまた心配してる…」と罪悪感を抱えることもあるため、まずは親御さんの気持ちを整えて行きましょう。
夏休み明けが不安な方は、以下のステップを見てみてください。
【ステップ1】まずは不安を外在化
まずは不安を外在化します。
外在化とは心理学の言葉で、心の中でモヤモヤしている気持ちや、自分でもよくわからないような漠然とした不安を、はっきりと客観化していくことです。
例えば以前、クライアントさんから「朝も起きる時間が遅いのに、うちの子は登校できるでしょうか」とご相談頂いたのですが、親御さん自身が不安感で辛そうだったので、そのとき私はまずその親御さんの気持ちの整理を一緒にしようと思いました。
「登校できるだろうか」と不安になる気持ちはとてもわかるのですが、しかし、登校はお子さんの調子次第なので現段階ではどうなるかわかりません。考えてもわからないことを考えて不安になってしまうと、ずっと不安が続いてしまい辛いですよね。
そのため、親御さんの「子どもが登校できないかも」という不安のなかに、他にどんな不安が隠れていないか伺いました。すると、「仕事に遅刻したり、休んだりしなければいけないのではという不安」「夫がまた無理に登校刺激しようとするのではという不安」「夫婦で意見が合わずまたケンカになるのではという不安」などを伺うことができ、その1つ1つの不安ポイントに対して対策を一緒に考えました。
「仕事を遅刻・休まなければいけない不安」は、あらかじめ職場とすり合わせしたり、リモートワークできるところはするなどでなんとか対応できそうとわかりました。
「旦那さんが無理に登校刺激するのではという不安」は、あらかじめ私から旦那さんに話をするなどで対応できるとわかりました。
「夫婦で意見が合わずケンカになる不安」は、登校刺激について私から旦那さんにお伝えすれば、旦那さんも反発せずにすんなり行きそうなイメージを持ってもらえました。
このように、不安なことを分解して行って、1つ1つ対応方法を考えておくことで、その親御さんは不安がかなりなくなったようでした。
【ステップ2】親御さんの心の準備
そして意外と盲点なのは、「休む可能性はある」と親御さんに心の準備をして頂くことです。
復学支援専門家がこんなことを言うと無責任に聞こえるかもしれませんが、やはり子どもを無理やり登校させるわけには行かないので、どうしても休む可能性は出てきてしまいます。
なので、もし行けなかったときに親御さんには「やっぱりきたか~」とドンと構えていてほしいのです。ここで「なんで行けないの?」と問い詰めたり感情的になってしまうと、子どもの登校する気持ちを損なわせてしまうことにもなりかねません。
もし夏休み明けにすぐ登校できなかったとしても、あらかじめ心づもりが出来ていれば親御さんも「どうして行けないの?!」というパニックにはなりません。冷静に対応できると、始業式こそ登校できなかったとしても、近いうちに気持ちを立て直せることも多いのです。
そもそも今の子どもたちは環境適応に時間がかかる傾向がありますし、親御さんも精一杯サポートしているなら誰が悪い、何を改善するということでもないからです。「うちの子は環境適応に時間がかかる、1カ月くらいかけていつもの学校生活にもどってくれたらいい」これくらいの気持ちで考えていただき、ただ、お子さんにもう少し時間が必要ならばその時間に親としてどのようなことをするべきか、もう一度アセスメント(分析)して対応方法を考えて行きましょう。
【ステップ3】登校しぶりがあるときの対処を整理
始業式の日、「行けそうだけど登校しぶりもあってどうしよう」…というケースもあるかと思います。
お子さんも、登校しようと思っているのに、どうしても緊張して気持ちがついていかなくて、半ばパニックになっているのかもしれません。そのようなときは、不安なことを聞いて、親御さんがお子さんの不安を外在化して整理できると良いですね。
「忘れ物があったらどうしよう」「席替えで苦手な子の隣になったらどうしよう」「先生に面倒くさがられてないかな」など、子どももたくさん不安なことがあると思うので、まずは「確かに不安だよね」と受け止めつつ、対策法を一緒に考えてみてください。
「夏休み明けにまたお休みしたらどうしよう」と不安な時の対処法」まとめ
エンカレッジのクライアントさんには、よく「問題所有の原則」のお話をさせて頂きます。「その問題は、誰の問題なのか」を明確にすると気持ちの整理ができるからです。
例えば今回の「夏休み明けにお休みしたらどうしよう」という不安ですが、登校するかどうかは「問題所有の原則」で言うとお子さんの問題であり、親御さんがどうにかできるものでもないです。スムーズに登校できるサポートを親御さんがすることはできますが、やはり最終的にはお子さんの気持ち次第なので、親御さんの不安とは切り離して考えるのです。
親御さんが不安なのは、子どもが学校をお休みすることで「自分が辛くて胃が痛くなる」「自分が仕事に行けるか」「夫婦でケンカしないか」などが多いと思います。その時に子どもに「大丈夫?」「本当に大丈夫なの?」「ちゃんと準備はしておかなくて大丈夫?」と寄り添って聞いているのではないでしょうか。しかし、それが本当に子どものために聞いているのか、自分が安心したいから、「大丈夫」と言ってほしいから聞いていないか自問自答してください。私がそのように親御さんに確認すると、子どもに寄り添っているようで実は自分が安心したいからそのように聞いていましたとハッとされる方もいます。それだと子どもたちには寄り添った言葉として聞こえませんし、自分の不安を子どもにプラスしてしまっていることにもなりかねません。そうなると子どもは不安がよりふくらんだ形になるので逆に「大丈夫じゃない、もういいほっといて」というこのような反発をし、大丈夫と言ってもらいたかった親もさらに不安になり、親子で不安定な状態になってしまいます。親もこの時期は不安だと思いますが、子どもに不安を与えてしまうことはないようにそこだけは意識して対応していきましょう。
もし不安な気持ちになったら「問題所有の原則」を思い出して、自分がどうにかできる問題なのか整理してみてください。自分ではどうしようもない場合は、悩んでも解決の糸口は見つかりにくいので、「不安をプラスしない」「余計にプレッシャーになることはしない」と念じながら対応するくらいの意識でいきましょう。もちろん、しっかり落ち着いて自信を持って対応できている方はそれでいいので、迷わず対応を継続していきましょう。
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