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その日のコンディションによって、学校に行けたり行けなかったりする五月雨登校。
その日の朝にならないと学校に行けるかどうかがわからないため、親御さんにとっては出勤できるかどうかでハラハラしますし、子どもにとっても毎日行きたいけど行けないという完全不登校とはまた違った辛さがあるかと思います。
しかし、五月雨登校のときにお子さんへどのように対応するかは非常に重要です。なぜなら、今後不登校が回復に向かうのか完全不登校に向かうのかの分岐点でもあるからです。
今回は五月雨登校のときの親の対応方法や、復学するポイントについてまとめていきます。
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五月雨登校の解決策!復活するポイント
五月雨登校になった場合、「登校したくない理由」が明確かどうかで対応方法が変わります。
これはお子さん自身に率直に「どうして登校したくないの?」と聞いてもいいですし、登校したくなくなる曜日や天気、普段の会話から親御さんが推測するのも手掛かりになります。
五月雨登校の原因が明確な場合
一例ですが、よくある五月雨登校の原因は以下のようなものがあります。
このように五月雨登校の原因がはっきりしている場合は、その原因を解消できるようにしていきましょう。
例えば「算数であてられるのがイヤ」な場合は、先生に相談してしばらくあてるのを避けてもらうなどです。
一方で「男の先生が怖い」といった理由の場合、今後の人生で男性を避け続けることもできないため、お子さんの男性への恐怖心を克服したり、考え方や物事の捉え方を変える方が将来役立ちます。このような場合は、認知行動療法のカウンセリングを受けるのが有効です。
五月雨登校の原因が不明確な場合
近年増えているのが「なんとなく学校に行きたくない」という原因不明の不登校です。
決定的な学校に行きたくない理由はないけれど、なんとなく気分が乗らなかったり、身体がだるい・重い感じがして行きたくなくなったり、毎日理由がコロコロ変わっていくなど、色々なタイプがあります。
しかしお子さん本人や親御さん本人にとって原因がわからなくても、不登校の専門家がアセスメント(分析)すると原因がある程度はっきりしていきます。
なんとなく登校したくない気分の背景に母子依存があったり、授業中に緊張して落ち着かないのはお子さんに完璧主義志向が隠れていたり、人より出来ていないと何か思われてしまうのではと人目が気になるなど意外なところに原因があったりするため、一度専門家に相談するのも良いでしょう。
五月雨登校になったときの注意点
五月雨登校は、不登校が回復に向かうか、完全不登校になるかの分かれ道です。この時期の親の家庭内対応がその後を大きく変えると言っても過言ではありません。
それでは具体的に、五月雨登校になったときに親がすべき対応について見ていきましょう。
無理な登校刺激はNG
五月雨登校時に親がしてしまいがちなのは、無理に登校刺激をするということです。
親としては、以下のような気持からつい学校に行くよう促してしまうのですね。
- 「学校に行かないのは甘えなのでは」
- 「まだ完全不登校ではないから、少し発破をかければ行くはず」
- 「私も仕事があるのに、学校を休まれたら困る」 など
しかし、五月雨登校になった原因の対処ができていなかったり、原因がはっきりしていなかったりすると、お子さんにとって登校刺激はプレッシャーでしかありません。逆効果になることも多いので、無理な登校刺激は止めてステップを踏んでいきましょう。
生活リズムを整える
既に意識されている方も多いと思いますが、生活リズムを整えることも引き続き気を付けていきましょう。
というのも、学校に行かないと体力が消費されず夜遅くまで起きてしまい、そのうち昼夜逆転やゲーム・スマホ依存になってしまうと、登校するハードルが一層上がってしまうためです。不登校が原因で起立性調節障害(OD)になるケースもあります。
「朝、起きられる」というのは、とても重要なことなのです。不登校を悪化させないためにも続けていきましょう。
生活ルールを決める
生活のルールを決めることも重要です。
学校に行かなかくても自宅でテレビやゲーム三昧、お菓子食べ放題、好きなだけ寝ていられる…となれば、学校に行きたくなくなってしまいますよね。健康にも良くない生活習慣は控える家庭内ルールを作ることが有効です。
- 学校の授業が終わるまではゲームはなし
- YouTubeを見るときは自室ではなくリビングで見る
- 朝7:30までには絶対に起きる など
とはいえ、こういった家庭内ルールを決めて実行に移し、継続するのはなかなか難しいですよね。
私が代表理事を務める家庭教育推進協会(FEPA)では2023年7月30日に「今日から実践できるルールの決め方(スマホ・生活習慣編)」のオンラインセミナーを開催するため、こういったセミナーも活用しながらうまく家庭内ルールを運用してください。
>「今日から実践できるルールの決め方(スマホ・生活習慣編)」のオンラインセミナー詳細ページ(家庭教育推進協会HPへリンク)
親子で認識合わせをしておく
五月雨登校の原因が明確/不明確を問わず、お子さんと親御さんの間で「学校に行かなくてもいい」という認識にはしない方がいいでしょう。
現代はフリースクールや自宅学習ツールも豊富になってきて、不登校でも学ぶ機会はたくさんありますから、決して不登校がダメと言うわけではありません。しかし、親が日頃から「学校は行かなくても大丈夫」と言っていると、お子さんの中に学校を軽んじる考えが定着して「別に行かなくていいや(行こうと思えば行けるけど)」となってしまいます。
また親も子も「たまには行っているし」と現状を受け入れてしまい何年も五月雨不登校を続けていると、勉強の遅れや人間関係構築スキルの成長が不足したまま大人になってしまい、後々苦労する可能性もあります。だからといって逆に毎日「今日は何で行けないの!」「いつまでこの状態を続けるつもり?」と責めてしまうとお子さん自身が「学校に行かなかった自分は悪い子」と自己肯定感を失ってしまうケースも良くあるのです。
ですから、五月雨登校の継続登校はある意味完全不登校よりも難しいのです。
五月雨登校から復活した事例
エンカレッジでも過去に五月雨登校でご相談頂いたことは数えきれないほどあります。
不登校のかたちは十人十色で、原因も対処法もその子その子で違いますので、ここでは過去にご相談頂いた事例をご紹介しますね。
小学3年生・男の子
小学3年生の男の子・Aくんは、学校の先生への苦手意識や友だち関係で悩み、次第に五月雨登校になってしまった1人です。
登校しぶりが悪化していく中で精神的にも不安定になり、「料理が熱すぎる」「服の着心地が悪い」などで泣いたり怒ったりすることが増えて、お母さんも心配されていました。
エンカレッジでご相談頂いてからは、日々会話ノートなどで家庭内対応を振り返っていただき、徐々にAくんの五月雨登校の原因がわかってきました。
共働きで忙しいご両親が、日々の生活を「どれだけ早くこなすか、家事を回すか」に意識がいくあまりAくんに対しても指示出しが多くなっていたため、Aくん自身に考えて行動することをカウンセリングを通じてサポートしていくことで、Aくんは再登校でき、その後数年間継続登校中です。
「五月雨登校の解決策・復活するポイントまとめ!親のNG対応とは」まとめ
お子さんが五月雨登校になり、今後どうなってしまうのかと不安に思われる親御さんが多いです。
しかし一般的には、人間は何かに悩んでいるときが一番辛いと言われています。ずっと悩み続けるものの行動しないAさんと、「とりあえずやってみよう」と色々行動を起こすBさんでは、「五月雨登校」という状況が同じだとしてもAさんの方が精神的負荷が大きくかかることが多いです。
もし五月雨登校でお悩みなら、スクールカウンセラーでもいいですし、行政サービスや民間のカウンセラーでもいいので相談してみたり、不登校関係のコミュニティに参加したり、書籍やセミナーで学んだり…何か行動を起こしてみると親御さんの不安感が軽減されるかもしれないため、ぜひ行動してみてくださいね。
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