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不登校は、様々な要因が重なり合って起こります。いじめなどの外的要因で起こる不登校以外では原因がはっきりしないことも多くあります。
特に小学生の不登校は、本人の自己分析があいまいなため、ヒアリングが難しく特定がより困難になります。まずは小学生の不登校の特徴を理解し、親に何ができるか考えていきましょう。
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↓不登校の解決に必要な対応をまとめた記事はこちら↓
小学生低学年(1年生・2年生)の不登校の原因と対応
小学校1,2年生の不登校はどんな特徴があるのですか?
小1プロブレムの影響【勉強】
幼稚園、保育園では遊び中心の勉強となりますが、小学生に入ると座学中心の勉強になります。45分を最低でも4時間続けることになるので、座っての学習に対して戸惑う場合があります。それがストレスになり、学校が嫌、怖いと感じてしまいます。
小1プロブレムの影響【環境】
幼稚園、保育園の学習方針は様々でその方針が全て小学校に反映されるわけではありません。幼稚園の教育方針が合っていても小学校の教育方針が合わず何か退屈で楽しくないと感じてそれがストレスとなる場合もあります。
また、人間関係も多くの子がいろいろな園から入ってきますので、複雑となり不安に感じる子も少なくありません。
小1プロブレムの影響【ルール】
小学校では、係、掃除の班、給食当番、宿題をする、持ち物をチェックするなど、細かいルールが増えて自己負担の比率が幼稚園や保育園のときより増えます。
自立面の成長が遅い子は、その負担がストレスとなり、学校が怖い、行きたくないと思うようになります。
【母子分離不安】
先ほど自己負担比率が増えると書きましたが、親への依存が強い(母子依存)の子は、自分のできないことを親に頼って解決するので、自己責任で行動することに不安を覚えます。
また親の方も子どもが心配で過保護や過干渉をしてしまうと子どもの自立面の成長が不足します。
学校では親に頼ることができないので、母子依存の強い子は不安になり、親がいない学校が怖くなってしまいます。
中学ギャップは聞くけど、小1プロブレムは初めて聞いたわ。
他に気をつけることはありますか?
理由が変わるのはそれが根本的な要因ではないという可能性があるということですね。
無理な登校刺激は禁物ですね。わかりました。
わかりました。
小1プロブレムかなと思ったら
母子依存かなと思ったら
こちらをクリック → 不登校になりやすい親の特徴とその影響
不登校の時期による対応とは
こちらをクリック → 不登校の時期による対応
小学生中学年(3年生・4年生)の不登校の原因と対応
小学校3年生・4年生はどんな特徴があるのですか。
ギャングエイジの影響【悪ふざけ、約束を破るなどの反抗】
ギャングエイジという言葉を聞いたことがあるでしょうか。小学校3年生、4年生はギャングエイジと言われ、仲間意識が強くなる時期です。
友達関係が密になることで親に内緒で行動したり、仲間だけの秘密を持ちたくなったりします。それが時には悪ふざけとして親や教師から叱られます。
学校には行かないけど友達関係は悪くないというケースは、ギャングエイジの影響かもしれません。
友達はいる方がいいからと学校を休んでも友達と遊ばせている場合は、行かなくても友達と遊べるからと思ってしまうリスクもあることを理解しましょう。
ギャングエイジの影響【グループからの孤立】
ギャングエイジは、仲間意識が強くなるのですが、グループの結束が強くなる分、仲間に入れないと孤立してしまう可能性があります。
特に女の子はグループを形成しやすく、誰とでも仲良くというよりは特定のグループメンバーしか受け入れないといった傾向もあります。
最近は、SNSの時代で小学生でもLINEグループのもめごとは尽きません。先ほどとは真逆ですが、こちらもギャングエイジの影響と言えます。
親としては、教師や保護者と連絡を密に取りながらグループに入りやすい環境を整えるとともに、グループ内で孤立しないようなコミュニケーション能力を養ってあげる必要があります。
【勉強の遅れ】
小学校1,2年生では、生活科だったのが、3年生から社会科、理科となります。また、算数では分数や少数が出てきます。
より勉強というものが意識されると共に、周りの目が気になるようになってきます。休んでしまったことよりも、休んだことにより勉強が自分だけ遅れているのではないか、周りに何で休んでしまったのか聞かれるのではないかといった不安が強くなり不登校の期間が長くなってしまいます。
親としては、教師と連携をとり勉強の遅れのフォローと共に周りの目への配慮もおこなうようにしましょう。
小学校3,4年生は仲間意識が強くなり、親への反発も出てくる時期なんですね。
小学生高学年(5年生・6年生)の不登校の原因と対応
中学年はギャングエイジの影響でしたが、高学年の不登校はやはり思春期になるのでしょうか。
思春期の影響 【勉強】
高学年になると勉強も難しくなり、周りとの学力の差も大きくなってきます。勉強についていけない子は勉強ができないということ自体も心配なのですが、周りと自分を比較することで自分が周りより劣っているという劣等感をもつことで自己肯定感が下がります。
体の変化や性への意識で恥ずかしいという感覚も出てくるようになり、テストの点数を隠すなど周りから見た自分というものを意識するようになります。
学習面のフォローももちろんですが、お休みが続いて自信を失っている子どもには人には得て不得手があり、勉強が苦手でも運動が得意、手先が器用などその子の良さがあることや、テストの結果だけではなくその努力の過程も大切なことを伝えていきましょう。
思春期の影響【メンタル】
体が大人になるために大きく変化していきますが、体の変化に心がついていかない子どもも多いです。
体は大人になっていくのにまだ心の準備ができておらず体だけどんどん大人になっていくことに不安を感じます。
特に最近は親の過保護、過干渉で高学年での母子依存も増え、一緒にお風呂に入る、一緒に寝る、朝も子どもを抱えて起こすなど家庭では小学校の低学年のような生活をしている子もいます。
学校でそのギャップを感じ、それが劣等感や自己肯定感の不足につながります。
体の成長に心の成長が追いつくように、子どもの自立面の成長を家庭で養えるように、家庭教育を学び、「親育ち」をしましょう。
思春期の影響【生活環境】
高学年になると寝る時間も遅くなり、男の子は遅くまでヘッドホンをしながら友達とオンラインゲームをする子も増えてきます。
女の子は、iPodで遅くまで音楽を聴いたり、スマホのラインで友達と深夜までチャットをしたりと生活リズムも不規則になってきます。
寝不足から遅刻が続き、勉強の遅れが気になるようになったり、休んでいた時の図工などの作品の遅れなどから行きにくくなったりして不登校になるケースもあります。
また生活リズムの乱れからホルモンのバランスを崩し、起立性調節障害(OD)になる場合もあります。
この時期は、親への反発もあり素直に話し合えない場合もありますが、生活リズムの乱れは体と心に影響し、休みがちになることで勉強の遅れなど2次的リスクも高まります。
親子の会話も少なくなる時期ではありますが、家庭でしっかりと話し合えるように日頃からコミュニケーションを取るように心がけましょう。
起立性調節障害(OD)かもしれないと思ったら
こちらをクリック → 不登校と起立性調節障害の関係性と対処法
思春期の影響って大きいですね。でもこの時期になると食事以外は部屋にこもってゲームやラインばかりでなかなかコミュニケーションがとれないんですよね。
言ってるかも(汗)
話さないからと諦めるのではなく、子どもに寄り添うことも大切ですね。参考になりました。
はい、わかりました。
- 1,2年生は、小1プロブレムの影響がないかを確認するとともに、母子依存の影響についても考える。休みの理由が次から次に変わるのは、低学年は自己分析ができないことを踏まえ、本当にそれが根本的な原因ではないかも知れないので総合的に判断する。
- 3,4年生は、ギャングエイジの影響がないかを確認し、親への反発は成長への発達段階の1つと捉えることも必要。親も中だるみしがちな時期なので子どもをしっかり見てあげ、孤立していないかなどSOSを見逃さないように意識する。勉強の遅れなどは、周りの目への配慮も学校にお願いする。
- 5,6年生は、思春期の影響がないかを確認し、勉強の遅れに関しては、勉強だけでなく個性を認めてあげることや努力の過程を褒めてあげることも大切。メンタル面では、家庭と学校のギャップを感じなくて済むように自立面の成長をサポートできるような家庭教育を学び「子育て」ではなく「親育ち」を行う。生活リズムが乱れないように家族で話し合えるようコミュニケーションもしっかりとる。そのときは、親の価値観を押し付けるのではなく、子どもの趣味に寄り添うことも大切。
こんな感じでしょうか。
ありがとうございます。