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長い学校生活を送る中で、どんな子だって時には登校が面倒に感じたり、行きたくないなぁと思うことはあるでしょう。気持ちが乗らなくても学校に行っている子は、不登校の兄弟姉妹を見て「ずるい」と感じるのは自然なことです。
しかし、親としては「ずるい」と言われるとどのように返していいか迷うと思います。
実は登校している兄弟姉妹に「ずるい」と言われたときの対応は重要です。このときの対応方法によって、登校している子と親との信頼関係が揺らいでしまったり、登校意欲を削いでしまうこともあるからです。
そこで今回は、登校している子に「不登校はずるい」と言われたときの具体的な対処法についてまとめていきますね。
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「不登校の兄弟がずるい」と言われたときの基本的な考え方
不登校の子と、登校している子の両方がいるご家庭では、親御さんは子ども達の板挟みで大変かと思います。
不登校の子を立てると登校している兄弟姉妹が不満を感じ、逆に登校している子を立てると今度は不登校の子の自己肯定感が下がり…と、彼方立てれば此方が立たぬ状態になりやすいからです。
このような板挟みの状況で気を付けるべきことをまとめますね。
「登校が当たり前」の姿勢を維持
まずは、今登校している子に対して「登校は当たり前のこと」という前提で会話するように心がけてください。今登校している子も不登校になるのを防ぐためです。
最近はスクールカウンセラーも「不登校でも良いんです」「様子を見ましょう」の対応が多く、世間的にも「不登校でも大丈夫」「不登校を個性と認めるべき」と言われることも多いですよね。
世の中が不登校を認めているのを子ども自身が知っているので、そもそも現代日本社会は子どもが不登校になりやすい社会なのです。
そんな中で、家庭内にも不登校の兄弟がいると、登校している子は不登校を《普通のこと》のように感じてしまい、「不登校でも良いなら、不登校になろうかな」「お姉ちゃんが不登校だけど普通に生活できているから、不登校になるのは怖くないぞ」と思ってしまいます。こうなると、この子自身も不登校になりやすくなってしまいます。
ですから、あくまで「登校すべき」という軸を親が崩さないことが大切です。
1人ずつ対応する
兄弟に対し、1人ずつ対応することも大事です。
不登校の子も、心の奥では「登校したい」と思っています。しかし、何らかの原因があって登校できず、そんな自分を不甲斐なく思っています。そんなときに、登校している兄弟と親から「お兄ちゃんは学校行ってなくてダメだよね」と言われたら、心が折れてしまいます。
しかし、登校している子には「学校は当たり前に行くべきもの」と伝えなければいけません。登校しているかどうかで子どもに言うべきことが違うため、兄弟揃って登校について話すのは無理があるのです。
一緒にごはんを食べたり遊んだりといったことは兄弟揃ってで良いですが、登校に関する大事な話は1対1で話すようにしましょう。
兄弟姉妹で距離を置く
不登校の子が完全不登校の場合、兄弟同士で距離を置くのも1つも方法です。具体的には以下のような方法がありますね。
- 不登校の子は朝の時間帯は自室に居てもらい、兄弟の登校前に顔を合わさないようにする
- 登校している子がリビングで宿題をやっているとき、不登校の子はリビングから移動して自室で遊んでもらう
特に、今までの経験上、長男・長女が不登校になると、次男・次女以降の子に不登校が連鎖することが多いです。
下の子は上の子のことを、良くも悪くも色々なことを見ているので、物理的に距離を置いて影響を少なくするのも必要です。
不登校の兄弟がずるいと言われたときの対応方法
例えば不登校の兄と登校している弟がいるご家庭では「お兄ちゃんは毎日家にいれてずるい!」と弟に言われることがあると思います。
このような時は、共感すれば弟の不登校を促してしまう気もしますし、かといって否定すると「お母さんはお兄ちゃんにだけ優しい!ずるい!」という気持ちが増幅してしまいますよね。親御さんはまさに板挟みで悩まれると思います。
大事なのは「共感しつつ、共感しすぎない」ということなのですが、バランスが難しいので具体的な対応方法をまとめていきますね。
【「不登校の兄弟がずるい」の対処法①】気持ちを受け止める
登校している子に「お兄ちゃんは学校に行っていなくてずるい」と言われたら、まずは気持ちをしっかり受け止めてあげましょう。
親が「お兄ちゃんもお腹が痛くて大変なんだよ」などと不登校の子をかばいたい気持ちもわかるのですが、登校している子からすると不登校にどんな理由があるにせよ《学校を休んでいる》という事実に注目してしまうものです。
不登校の子をかばう発言ばかり親がしていると、登校している子は「お母さんは不登校のお兄ちゃんの味方ばっかり」「僕の方が頑張っているのに!」と納得できません。
まずは、登校している子の話を遮らずに聞き役に徹してみてください。
「どうしてずるいと思ったの?」「他には感じたことはある?」のように気持ちをヒアリングしてあげると、子どもも話を聞いてもらえて気持ちがスッキリしていきます。
【「不登校の兄弟がずるい」の対処法②】「ずるい」の背景を把握
「不登校のお兄ちゃんがずるい!」と言うとき、その子自身も学校の何かに不安や不満を抱えていることが多いです。
- 毎日何時間も勉強するのがイヤ
- クラスメイトとうまく行っていない
このような嫌なことがあって、それでも頑張って学校に行っている場合、「僕は頑張っているのに!」と思うのは仕方ありません。むしろ頑張れば頑張るほどに不満は大きくなるでしょう。
そのため、この登校している子のケアにも目を向ける必要があります。
プールで泳げないのがコンプレックスであれば「今は泳げなくてもいいんだ」と気持ちをラクにする考え方を認知行動療法でできるようにしてあげたり、休みの日に親が一緒にプールに行って教えてあげるなどの対処ができます。
「不登校がずるい」と言う子が、今学校生活で何に躓いているのか気を付けて見て行きましょう。
【「不登校の兄弟がずるい」の対処法③】気持ちが収まることをする
登校している子を労うために、登校している子だけにご褒美をあげるのも1つの方法です。
例えば、不登校の子とお父さんが家で留守番をしている間に、登校している子とお母さんとだけでお出かけするなどです。
自分の努力が労われている、親から認めてもらっていることを、わかりやすい形で示すのがポイントです。
今までの経験上、女の子の場合はおしゃれなカフェや見た目がかわいいスイーツ、男の子の場合はマクドナルドのハンバーガーなどがご褒美効果が高いです(笑)
【「不登校の兄弟がずるい」の対処法④】不登校のデメリットを話す
「不登校になると後々大変な思いをすることになる」というのを、登校している子に話しておくのも重要です。
具体的には、以下のようなことを伝えておくといいと思います。
- 「お姉ちゃんは今休んでいる分、学校に戻ってから勉強を取り戻すために倍の努力をしないといけなくなるんだよ」
- 「登校している方が、後々苦労をしなくていいんだよ」
お子さんが低学年のうちは「将来の苦労」のイメージがまだわからない子もいますが、学年が高くなればなるほどイメージできるようになってきて効果があります。
【「不登校の兄弟がずるい」の対処法⑤】ずるく見えることをやめる
何度も言う通り、登校している子にとって不登校がずるく見えるのは仕方がないため、ずるいと思われるようなことを禁止するのも1つの方法です。
例えば、学校から帰ってきたら不登校の兄弟がソファーでゴロゴロしながらゲームをしていたり、食べたお菓子やアイスのゴミがテーブルにあったりすると、登校していた子は「自分は学校で頑張ってきたのに!」とイライラしますよね。
また、登校している子がリビングで宿題をしていたり、次の日の学校の準備をしているときに不登校の子が遊んでいるのを見ると「気楽でいいよな」と思います。
そのため、不登校の間はゲーム禁止、お菓子禁止などのルールを作るのも1つの方法です。
「不登校の兄弟がずるいと言われたときの対応法4つ!不登校連鎖にならないために」まとめ
不登校で1日中家にいる兄弟姉妹がいると、登校している子が「ずるい」と思うのは仕方がないことです。
親御さんはつい不登校の方の子に気を取られてしまうのですが、登校している方の子にも注意しておかないと、その子との信頼関係が揺らいだり、不登校になる恐れがあります。
今回の対処法も参考にしながら、不登校の子と登校している兄弟の両方をしっかりケアして行きましょう。
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