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「担任の先生が動いてくれない」
「ほったらかしのような気がする」
そんな風に感じたことはありませんか?
私自身、公認心理師として20年以上不登校の支援をしてきましたが、相談に来られる保護者の方から多く聞く言葉のひとつがこれです。
子どもが不登校になると親御さんはつい「どうしよう」と焦ってしまうことが多いですが、そんななかで担任からのアクションがないと不安に感じてしまうのはもっともです。
今回はまず、皆さんが感じている「なんで担任の先生は動いてくれないの?」という疑問に対して、何もしてくれない担任のタイプと対処法を解説します。
次に担任の先生が「何もしない」理由を紐解いていきます。最後には、なるほどと思える感謝の伝え方も書いています。
最後まで見ていただければ担任の先生との向き合い方が変わると思います。ぜひ参考にしてください。
それではまず、タイプと対処法から見ていきましょう。
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【担任のタイプ別】何もしないときの対処法
事なかれ主義の先生

特に年配の方に多いのですが、もうすぐ定年を迎えるため教育に対して意識が低く「あまり問題を起こしたくない」と考えがちな先生がいます。
教育に対して意欲が低い場合「最低限の労力で進めたい」と考えてしまうため、子どもたちの学校復帰に対しての業務外の行動に消極的になってしまうのです。
このケースの対策は、先生の負担を増やさないことです。
管理教育の先生

こちらも年配の先生に多いのですが、自分の教育方針をいい意味でも悪い意味でもしっかり持っているので融通が利きにくい方がおられます。
「私はこれで何十年もやってきたので」と基本的に自分の考えを曲げず、自分のクラス運営を自分の思うように進めたい傾向にあるので、子どもを管理する傾向になり「特別に配慮して欲しい」などのお願いは嫌がられることがあります。
このケースの対策は、強くお願いをすると「私が悪いというのですか?」と逆ギレされる方も少なくないので丁寧に対応する必要があります。
余裕のない先生

こちらは新任の先生に多いのですが、クラス運営の経験が不足していてクラス運営だけでも一杯一杯なので不登校の子の対応にまで手が回らないということがあります。
常に一杯一杯な感じになるので、子どものために動いてくれる気持ちはあるものの実際に手が回らないので、こちらがお願いすると快諾してはくれるのですが忘れてしまうことも多く、空回りをしているような感じになります。
このケースの対策は、こちらがこまめに確認することです。
自信のない先生

こちらは女性の優しい先生に多いのですが、優しい反面自信もないため子どもがわがまなになってクラスがまとまらない場合があります。
学級崩壊している場合も少なくないので、クラスがうるさく敏感な子には辛い環境になっていることも多いです。
学級崩壊気味のところは親からのクレームも多いので、配慮などをお願いしても「すいません、私が至らないばかりに申し訳ないです」という感じで親の対応にもビクビクしてしまって、お願いできる状況にない場合もあります。
このような場合の対策としては、他の先生とも連携することです。
それでもどうしても受け入れられない先生の場合

子どもにとって一番良い環境を作るため、基本的には学校と連携して進めていくことを私はお勧めしていますが、どうしても受け入れられない先生も過去に何名かいました。
- 「あなたはダメな子ね」「だからあなたはダメなのよ」と何度も人格否定をする先生。
- 過敏性腸症候群でトイレが不安な5年生の男の子に「トイレが心配ならオムツ履いてくればいいじゃない」と平気で言う先生。
- 管理教育で自分のやりやすいようにクラスをするために、1年生のクラスで私語を子どもたちにお互いに注意させ、まったく子どもたちの声が聞こえないピリピリした空気の教室を作り上げている先生。
このような先生の場合は、その先生になってからクラスで2~3人は休むようになったというケースが多いです。中にはそのクラスになってから4人~5人休むようになったという先生もいました。
そのような場合は、そのクラスに学校復帰するよりも、担任の先生が変わるまで学校に行かせないというのも選択肢の1つです。その先生の影響を受ける方が家にいるよりもマイナスになる可能性がありますので。
そこまでひどい先生は20年間相談を受けてきて10名以下ではありますので、基本的にほとんどの担任は子どものために頑張ってくれています。
不登校時に何もしない担任に対しての基本的な考え方
「先生もあくまで人である」と考える

先生も人ですから、色々な性格や考え方があります。
「先生なんだから」と考えるのではなく「先生もあくまで人である」との意識で、思うところはあってもまずは丁寧に信頼関係を構築していく姿勢が大切です。
信頼関係もなくお願いや配慮ばかりになると、先生も人なのでお互いにギクシャクしてしまい、それは子どもたちのためにはなりません。関係が悪化するとそのストレスが子どもに向かう場合もあるのでそれだけは避けたいですよね。
特別なお願いをする場合は、多忙な先生の時間外に対応して頂くこともあるので感謝しつつ、丁寧に根気よく対応し、一緒に協力して乗り越えていきたいですね。
先生はかつてないほど忙しい

一人の担任が抱える仕事量は膨大です。
授業準備、学級経営、保護者対応に加え、校務分掌などもあります。
最近ではICT教育のため「ログインができなくなった」のような対応も増え、先生方の業務の幅は昔よりもさらに広がったのではと思います。
そのため、不登校の子ども一人ひとりに十分な対応ができないことも珍しくありません。
これは担任の怠慢ではなく、制度的な限界によるものなのです。
学校現場では「見守るべき」が良しとされやすい

先生によっては「今はあえて何もせず、子どもが動き出すのを待つ」という方針を取ることがあります。
これは教育現場でよくある考え方です。子ども自身の力で復活することを信じ、「子どもの心のエネルギーがたまるまで待つ」というのも、よく聞く言葉ではないでしょうか。
しかし、この見守りは親からすると「何もしていない」ように映りますよね。
親は子どもの将来に責任を持っているので、不登校になるとどうしても不安で焦ってしまい、学校や担任との温度差が生まれてしまうのです。
学校の先生も、悪気はなく、子どものためを思って「見守る」と言っていることも多いのは理解しておくべきでしょう。
「不登校で「担任が何もしない」と感じたら!先生のタイプ別対処法」まとめ

担任が何もしないように見えるとき、親としては孤独や不安を強く感じると思います。
しかし、ほとんどの担任の先生は子どものためを思って日々業務にあたっています。たまに例外的に不適切な言動をとる先生も経験上いますが、それはほんのわずかです。
今は「女子児童盗撮共有」などの不祥事で先生に対してより世間の厳しい目が向けられています。そのような中で、人材も不足し、業務過多の中、子どものためにたくさんの先生が頑張ってくれています。
そのように頑張ってくれている先生方に感謝して、お互いに良い関係が作れるようにしていきましょう。
もしご自身だけで担任とうまくコミュニケーションできないと感じた際は、エンカレッジのような第三者に相談するのもおすすめです。
あるお母さんは「担任が何もしない」と悩んでエンカレッジにご相談頂きましたが、担当カウンセラーが直接小学校を訪問して間に入って会話することで、お互いの思い込みや誤解がわかってきて、その後は担任と連絡しやすくなったと喜んでおられました。そして、最終的にお子さんも少しずつ学校に戻れるようになりました。
さらに、子どもが再登校した後の継続登校段階においても、担任の先生に常に感謝の気持ちを持って対応していきましょう。感謝の気持ちを伝えず、「先生、ここが困っているので配慮お願いします」とお願いばかりをしていては先生もやってあげたいという気持ちがなくなってしまうかもしれません。
「先生のおかげで安心できています。ありがとうございます」「いつもお忙しい中、対応していただきありがとうございます」と常に先生の対応に感謝の気持ちで対応してたら、先生もやってあげたいという気持ちにもなって、ちょっとした変化や違和感も共有していただけるかもしれません。
先生もあくまで人であるということを意識してお互いが気持ちよい関係を築けるようにしていきましょう。
担任や学校とうまく連携するのは大変かもしれませんが、学校や先生は味方につけるととても頼もしい存在です。お子さんのため、担任とうまく連携できるように頑張って行きましょう。
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