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先生・担任が原因で不登校になることは意外と多く、特に小学生の不登校原因としてよくあります。それもそのはず、中学生は教科担当制ですが、小学生のうちは担任の先生が複数教科を担当するので、担任の影響がどうしても大きくなってしまうからです。
長年復学支援をしていても、「友だちとの人間関係」、「勉強嫌い」に次いで、「担任の先生」が原因の不登校は多い気がしています。
親としては子どもと先生の板挟みでどう対応していいかわからないと思いますので、今回は先生・担任が原因で不登校になった際の親の対応ポイントをまとめていきますね。
私たち不登校支援グループエンカレッジでは、今まで1000人以上の子どもたちの復学をサポートし、設立17年の現在も復学率は100%を維持しています。不登校に悩む方向けに無料のLINEやメルマガの発信もしておりますのでご活用ください。
先生・担任が不登校の原因になる理由
小学生の子どもにとって、親に次いで一緒に過ごす時間が長い大人である担任の先生。
その先生がなぜ不登校の原因になってしまうのかをまずは確認していきましょう。
指導を怖く感じてしまうから
いわゆる体育会系で、しばしば生徒に高圧的な態度を取ったり大声で怒鳴ったりする先生は、子どもたちから「怖い」と言われることも多いです。
特に、幼児時代に大人から叱られたり怒られたりする経験が不足している子は、そのような先生を一層怖がる傾向があり、大きな声を聞いただけでビクビクしてしまうこともあります。
このケースでは、まずは先生の指導内容を確認することが大切です。
例えば先生が些細なことで怒鳴り散らすような場合は適当な指導とは言えないので、親も先生に相談したりする必要があるでしょう。
一方で、おしゃべりに夢中になって整列しない生徒に「こら!早く並べよ~!」と大声で喝を入れるような場合は指導法の1つなので、この場合はお子さんの認知のしかた(物事の捉え方)を軌道修正してあげましょう。
お子さんの中で「先生に怒られた」→「先生怖い」気持ちだけが大きくなっているなら、以下のような多角的な視点でお子さんと対話すると良いですね。
- 「あなたの存在が嫌いで怒っているのではなく、あくまで《整列すべきときにしなかった》という行動に対して怒っているだけだよ」
- 「授業のスケジュールがあるから、先生も時間に余裕がなかったのかも」
- 「整列しないと危ないから、あなたのことを思って叱ってくれたのかも?」
- 「じゃあ先生はどうしたら良かったのかな?」など
このような対話を繰り返すことで、お子さんも視野が広くなって相手の気持ちをより想像できるようになったり、「怒られた」という感情よりも「どうすべきだったのか」が整理できて、「今後はこうしよう」といった方向に思考が変わるのでおすすめです。
嫌われている気がして悲しいから
「先生に嫌われている」と感じ、学校や授業自体が怖くなる子もいます。
例えば担任の先生が一部の生徒とだけとても仲がいい場合、それ以外の子は疎外感を感じたり、ないがしろにされているような気がして寂しい気持ちになり、次第に先生に苦手意識を持つこともあります。
一部の生徒とだけ仲が良い状態、贔屓している状態は良くないですが、先生も人間なので人懐っこい子・面白い子等は打ち解けやすいこともあります。
「なんとなく先生に嫌われているような気がする」とお子さんがいう場合は、状況を詳しく聞いてみて、先生の対応に改善点があるのか、お子さんの感じ方が繊細過ぎたりしないか客観的に判断して対応しましょう。
先生・担任が不登校の原因のときの親の対応方法
意外と多い、担任の先生が原因の不登校。
ここからは、お子さんに「先生が怖いから学校に行きたくない」と言われた場合の親の対処方法をステップでまとめていきますね。
【STEP1】まずは子どもの気持ちをヒアリング
お子さんが学校の先生が原因で不登校になりそう・なってしまった場合は、まずはお子さん自身の気持ちをたっぷり聞いてあげましょう。
このときのポイントは、親は子どもの話を遮らずにしっかり聞くことです。つい「それって違くない?」等と口を挟みたくなったり、夕飯支度等の都合で切り上げたくなってしまうかもしれませんが、ぐっと堪えてただただ傾聴してください。
というのも人間は、自分の話をしっかり聞いてくれる人を信頼するからです。なのでお子さんと会話するときは、会話時間の8割ほどをお子さんが話す状態が理想です。
原因を早く知りたいと焦る気持ちはわかりますが、「なぜ?」「どうして?」「例えば?」と質問を繰り返してしまうと子どもは委縮してしまいます。
「そう言われて嫌な気持ちになったんだね」「そんな風に言われたらいやな気持ちになるよね」などまず共感をして話しやすいようにしてあげましょう。お子さんへの学校で日々の辛さを共感することで、本心が共有できるようになっていきます。
【STEP2】担任の先生に相談
登校したくない理由が先生や担任であることがお子さんのヒアリングからはっきりした場合は、必要に応じて学校側にも相談してみましょう。
いきなり教頭や校長に連絡を取ると担任の先生がびっくりして苦手意識を持たれるかもしれないため、まずは担任の先生に直接相談してみましょう。
先生に相談するときの対応ポイントは、「私は先生の大変さもわかっている」ということが伝わるように話すことです。学校の先生は人手不足で新人でも力量以上のことをさせられたり、サービス残業やクラブ活動で土日もなく働いて疲弊していることもあります。
そのため、親と先生の対立構造にするのではなく、協力して問題を解決していくチームとして捉えられたら良いですね。
【STEP3】学年主任や教頭などの上の立場の先生に相談
担任の先生と相談しても状況が変わらない場合や、担任レベルでは決裁権がないことを相談している場合は、もっと上の立場の先生にお願いする必要も出てきます。
エンカレッジの復学支援では親御さんと学校の間に入って直接交渉することも多いですが、今まではこのようなケースを学校側に相談したことがありました。
- 授業中に先生にあてられるのがどうしても怖いため、あてないように配慮してもらう
- 授業中トイレに行きたくなった時にそっと行けるように先生にだけわかる合図を決めておく
- ディスカッションの時間がどうしても怖いため、ディスカッションのときだけは発言しなくていいように配慮してもらう
- 聴覚過敏があり教室がうるさいと感じる場合にイヤーマフをさせてもらう
学校側に交渉するポイントは「学校に行くだけでもギリギリなので、ずっとではなくみんなと同じようにできるまでの配慮をお願いしたい」ということを丁寧に説明することです。決してワガママではなく子どもたちにとってはそれだけでもかなりの努力や労力が必要であるということを感じて貰いましょう。学校側に負担が大きいお願いをする場合は、状況が好転したときに段階を踏んで負担を軽減できるような先の見通しも一緒に提示すると良いでしょう。
学校・先生に相談しても状況が改善しない場合
先生が原因で不登校になってしまった場合の対処ステップをお伝えしましたが、それでも再登校できないこともあります。
その場合の対処法について、以下でまとめていきますね。
学年・先生が変わるまで待つ
お子さんが不登校になったときや不登校気味になったときに「ただ待つ」ことは一番おすすめできません。なぜなら不登校の二次リスクが起こる確率が高いからです。
もしいじめなどの深刻な理由で不登校になった場合は、不登校は「自分の身を守るため」なので取るべき行動ですし、心が回復するまで待つべきです。
しかし「先生が怖い」「勉強がイヤ」等の不登校は、待つことでどんどん勉強が遅れ、友だちとも疎遠になり、体力も低下し、自信を失い、進路にも大きな影響を与えてしまいます。
「今の担任と性格が合わない」と不登校になったとして、来年の担任と相性が良いとも限りません。もっと言えば、これから高校・大学・社会人…と成長するにつれて、相性が悪い人とは必ずどこかで出会ってしまいます。そのときの対処法を今のうちに学んでおくチャンスでもあるので、親御さんは大変なのですがなんとか今の環境で登校できる方法を探ってほしいです。
親御さん自身で難しいと感じた場合は、専門家に相談するのが不登校解決までの近道です。
転校・フリースクール
どうしても不登校を解決できない場合は、転校やフリースクールといった選択肢もあります。
昔と比較してフリースクールなども数が増えて利用しやすくなっているので、もしお子さんが本当にフリースクールを望んだ場合は転校するのも1つの方法です。
しかし長年不登校支援に携わってきて思うのは、子どもは「また前みたいに登校したい」と心の奥では思っているということです。近所のお友だちと登校して、勉強して、遊んで…「僕だってみんなと同じようにできる!」という自信をつけたいのです。
今まで1000人以上の不登校の子のサポートをしてきましたが、やはり不安を乗り越え再登校したことで子ども自身から湧いてくる自信やパワーはすごいです。半年ほど継続登校できれば、もはや生き生きとした表情や目の輝きで別人のような子もたくさん見てきました。
そのため、転校はあくまで最終手段で、お子さんが自信をつけるためにも、まずは今の環境で再登校できる方法を試行錯誤することを私はおすすめしたいです。
お子さんの考え方を変える(認知行動療法)
もしお子さんが繊細な性格で、人の目や細かいことを気にしすぎたり、不安症や対人恐怖症のようなことがあれば、お子さんの思考のクセを変えていくことも重要です。
細かいことに気づく子はとても優しい子が多いですが、周囲を気にするあまりにその子自身が大きなストレスを抱えてしまうことも多いのです。「そんなに気にしなくてもいいんだよ」と言ってはみても、一度ついてしまった思考のクセはなかなか当人では変えられません。
このような場合は認知行動療法といって、コーチング・カウンセリングを通じてどういうときに何を感じるのか、なぜそのようなことを感じるのか…を解きほぐしていきます。エンカレッジでも、認知行動療法の考え方を取り入れています。
認知行動療法のアプローチを実践し、偏った思考(自動思考)を少しでも変えることができれば、日々の生活で大らかに構えることができ、例えば絶対に失敗してはダメだという完璧主義の性格のお子さんも、失敗しても「なんとかなる」「次は大丈夫」と未来に目を向けたり、失敗自体がそれほど怖くなくなったりして、お子さん自身が暮らしやすくなったりします。
これはエンカレッジの支援を受けた方々が実際にお子さんの変化を感じて伝えてくれています。
先生・担任が原因で不登校になって解決した事例
小学2年生・女の子
1か月ほど登校しぶりがあり、その後2か月ほど保健室登校や別室登校が続いていたAちゃん。完全不登校になる前に、エンカレッジにご相談いただきました。
どうやら原因は担任の先生と相性が良くなかったことのようですが、先生は変えられないため、Aちゃんの思考のクセをコーチングしていく方法(認知行動療法)を取りました。
その結果、無事に再登校することができ、さらには今現在3年以上継続登校できています。今では委員会やクラブ活動にも積極的に参加して、習い事も全て自分でスケジュールを組みながらお友だちを遊ぶ時間も確保して、自立した日々を送っているようです。
小学3年生・男の子
こちらのBくんは、登校しぶりから始まって次第に五月雨登校になり、親御さんが先生や教頭と話し合ったりスクールカウンセラーに相談したりしても変化を感じられず、「待ちましょう」という時間だけが過ぎていく対応に焦りを感じ、不満や不信感につながっってしまったことからエンカレッジにご相談頂きました。
不登校の原因は担任の先生やお友だちとの人間関係だったのですが、Bくん自身もHSC気質があり、繊細で物事に過敏に反応してしまう部分がありました。
そこで定期的なカウンセリングで「~しなければならない」という思い込みを改善して、Bくん自身がもっと気楽に構えて過ごせるようにしたところ、細かいことが気にならなくなり登校しぶりも減っていきました。
それから6年経った今も継続登校できているだけでなく、部活や塾でも頑張っています。「中学校の参観日に友だちと笑いあっている姿を見て、不登校を乗り越えて本当に良かった」という親御さんの言葉が私たちも嬉しかったです。
「先生・担任が原因で不登校になったときの解決方法」まとめ
一緒に過ごす時間が長い分、学校の先生が原因で学校に行きたくなくなってしまう子は意外と多いです。
しかし、担任の先生も人間なので、気が付かないことがあったり、無意識でやってしまっていることもあるでしょう。人間関係のこじれは誰かが悪いわけではなく、ただの勘違いや歯車が狂ってしまっただけのこともあるので、対話する姿勢を大事に解決していきましょう。
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