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不登校を乗り越えるための小学生・中学生のHSC対応|発達障害との違いは?

HSC 不登校
上野
上野
最近、「子どもにHSCの気質があるのですが学校復帰は可能ですか?」といった相談が増えてきました。
ハルさん
ハルさん
HSCって何ですか?
上野
上野
ひといちばい敏感な子といって様々なことに敏感に反応してしまう気質を持った子のことです。
ハルさん
ハルさん

知らなかったです。最近多いのですか?

上野
上野
HSCの子は全人口の15%~20%とも言われています。つまり約5人に1人がHSCの気質があるということになります。
ハルさん
ハルさん

そんなに多いのですか?びっくりしました。相談が多いということはHSCの子が不登校になりやすいということですか?

上野
上野
心療内科医の明橋大二先生は「原因がはっきりしない不登校の8、9割はHSCではないかと思っています」とインタビューで答えています。私もそこまでとは思わないものの不登校の支援をしている子どもがHSC気質であることが多くなってきたと感じています。
上野
上野
そこで今回はHSCと不登校の関連や対応の仕方についても詳しく解説していきたいと思います。

HSCとは

Highly Sensitive Child(ハイリー・センシティブ・チャイルド)といい、「ひといちばい敏感な子」という意味で、頭文字を取ってHSC(エイチ・エス・シー)と言います。

これは90年代のはじめ、繊細な人についての研究をはじめたエレイン・N・アーロン(Elaine Aron)博士によって付けられた「人の気質」を表す名称です。アーロン博士は[the Highly Sensitive Child]「ひといちばい敏感な子」という本の中で自らもHSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)であり、HSCの子を育てていると語っています。

HSCは簡単に説明すると感受性が強く、いろいろなことに敏感に反応してしまう気質をもった子ということになります。

HSCの6つの特徴

HSC 不登校

アーロン博士によると、HSCはには6つの特徴があると著書「ひといちばい敏感な子」の中で説明しています。具体的に見ていきましょう。

細かいことに気がつく

本の中では、

食べ物や布地、人間関係などあらゆる特定の部分にだけ細かいところに気が付く子がいて、HSCの子は何かしら敏感な分野がある

と書かれています。

私が支援しているHSC気質の子は、人間関係に敏感な子が多く、友達やクラスメイトの些細な行動に敏感に反応したり、些細な性格の違いに敏感に反応したりします。

また自分が学校を休んでいても弟に「あんた早く学校の用意しなさいよ」などと言ったり、自分の部屋が散らかっていても親に「テーブル汚いから片付けてよ」と言ったりします。

自分のことは置いておいて、気づいたときにそのまま言ってしまう傾向もあるようです。

刺激をうけやすい

本の中では

HSCは刺激を受けすぎるとうまくできない分野があり、過去に失敗したり失敗したらどうしようと思うとそのことが苦手になりリラックスできず興奮して不安になる

と書かれています。

原因は不安だけではなく照明がまぶしすぎたり人が大勢いると過剰な刺激を受け、できなくなってしまう

とも書かれています。

確かに私が支援しているHSC気質の子は、大勢が苦手、人が多いと怖いとよく言います。

感覚過敏や聴覚過敏の子も多く、人が多いと耳が聞こえにくくなる感覚や、大勢いると空気が薄いと感じる感覚に陥るようです。

まさに過剰な刺激に敏感に反応してしまうHSCの気質と言えるでしょう。

また本の中では

HSCの子は日常では多くの刺激を必要としないのであまり退屈しません。他の子なら投げ出してしまうことにも、懸命に打ち込むことができるのです

とも書かれています。

うちのHSC気質のクライエントさんの中には、1人でずっとボーっとしていたり、1人で人形遊びをしていたり、1日中食事もせずに絵を書いていても退屈しなかったりで、私自身が以前は不思議だと思っていたのですが、日常で多くの刺激を必要としないHSCの気質であることがわかるとすとんと腑に落ちました。

強い感情に揺さぶられる

本では、

HSCは感情を処理する際に強く反応してしまいます。そしてそうではない子に比べ不公平なこと、葛藤、苦痛に強いストレスを感じます。例えば熱帯雨林の消失、人種差別、動物虐待などを深く悲しみ、悲惨な結果を想像します

と書かれています。

私が支援しているHSC気質の子達は、この反応が強い子が多いです。地震のニュースにとても敏感だったり、殺人などの事件のニュースなどに強い拒否反応を示します。

こちらも感受性が強いというHSCの気質を表しています。

他人の気持ちにとても敏感

本には、

他人の思いを鋭く感知でき、共感力と直感に優れています

と書かれています。

確かに友達やクラスメイトの気持ちを共感する力が強いために、自分が怒られていないのに自分が怒られていると思って辛くなったり、友達が悪口を言われているのを聞いていて自分は言われていないのに泣いてしまい、その友達はもう泣き止んでいるのに、自分だけずっと泣いている子もいました。

他人の気持ちに敏感というのはまさにHSCの気質と言えるかと思います。

石橋を叩きすぎる

普段でもいろいろなことに敏感に反応してしまうので、新しいことに対してはより多くのことに敏感に反応してしまうでしょう。

私が支援している子の多くが抱える新しいことに苦手という特徴もまさにHSCの気質と言えるでしょう。

学年が上がってクラスメイトが替わり、担任の先生が代わると不安定になります。また初めてのクラブ活動や修学旅行などはいろいろなことを考えてしまって落ち着かなくなります。

新しいことに対する慎重さは支援をしていてとても感じます。

良くも悪くも注目されやすい

本には、

敏感であることが隠せないためにこの子は細かいことを気にする子だ、確認しないと前に進めないし、終わったあとでもあれこれ考える子だと思われていまう

という周囲の見方が書かれています。

確かにそれもあるのですが、私は周囲の見方よりもそのことに過剰に反応してしまうその子自身の特徴の方が影響があるように感じています。

周りはそんな風に思っていないことでも、「どうせみんなは私が来ないほうがいいと思っている」と感じたり、「たまにしか来ないくせに」「すぐに休むくせに」と思っていると過剰に反応してしまいます。

そのことが不登校からの学校復帰を困難にしている大きな課題になる場合もあります。

ハルさん
ハルさん

HSCの子はこんなにたくさんのことに敏感に反応してしまうのですね。

上野
上野
この記事を読んで、「うちの子HSC気質かも」と思われた方もいるかもしれません。まずはその気質をしっかり理解してあげることが大切です。

HSCは不登校になりやすい

不登校 HSC

私は、自身の著書「今、子どもの不登校に悩んでいるあなたへ」の中で不登校になりやすい性格傾向として次のような特徴があると書いています。

心配性神経質緊張しやすい、わがまま、自己中心的、頑固、感受性が強い人の目を気にする、プライドが高い、繊細、完璧主義、内弁慶内向的怖がり、幼い、依存心が強い、図太い、集団が苦手、甘えた

黄色いマーカー部分がHSC気質の部分になります。不登校になりやすい性格傾向の多くにHSCの気質が当てはまります。つまり、HSC気質の子は不登校になりやすい傾向があると言えるのです。

実際に最近の不登校の相談でHSC気質ですと言われる方がとても増えてきています。まずはHSCが不登校になりやすい傾向にあることを理解しましょう。そして不登校になっていてHSC気質である場合は、HSC気質に合った不登校対応が必要になってくることも理解しておきましょう。

不登校とHSC気質の小学生の関係

小学生の場合は、まだ中学生に比べると敏感になる機会が少なくて済みます。担任の先生が多くの授業を担当するからです。担任の先生に慣れてしまえば敏感になる機会は少なくなり、その分落ち着いて過ごせるようになります。

逆に言えば、担任の先生の影響が大きくなる分、担任の先生が苦手な場合や、怒りっぽい先生で敏感に反応してしまう機会が多い場合などは不安定になりやすいです。

エンカレッジのHSC気質のクライエントさんの中には担任の先生との関係性は悪くないのですが、クラス自体が学級崩壊ぎみで落ち着かないために母子登校を続けている方がいます。

学校側の対策で副校長が授業をするようになったのですが、担任が変わるという変化に敏感に反応してクラスが落ち着いていても不安定な状態がより顕著になっています。

環境の変化に適応するのに時間がかかるHSCの特徴ではあるのですが、担任の先生の影響が大きい小学生では良くも悪くも先生の力量が大きく左右すると言えます。

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不登校とHSC気質の中学生の関係

中学生の場合は、小学生に比べて敏感に反応する機会がとても多くなります。

授業を教える先生が毎回代わります。部活や、先輩後輩の関係性、中間テストや期末テストなど小学生の時にはなかった様々な環境の変化があります。

中学に上がったすぐは、その環境の変化に適応できず不登校になりやすくなります。いわゆる中1ギャップと言われるものです。

それ以外にも人間関係は複雑になり、LINEのグループなど気を使う場面も多くなります。

中学生のHSCは、単純に学校復帰を目指すのがその子にとっていいのか、敏感にならずに済む適応教室などの環境を併用しながら進めていくほうがいいのかなど、より慎重に判断する必要があります。

不登校でHSC気質がある子への対応とは

・自分の子どもにどのような特徴があるかをしっかりと把握することが大切です。

まずはHSCの特徴をしっかり理解しましょう。インターネットや書籍からの情報やHSCのセミナーなどに参加するなどHSCの知識を増やし理解を深めてください。

・HSCの子ども達を実際に支援している専門家と共に二人三脚で進めていきましょう。

HSC気質の子は親の表情や態度、感情にとても敏感に反応します。親が精神的に不安定になるとその影響も受けやすいので、親が安心して子どもに対応できるようにするためにも親側を支える存在が必要です。

HSCの特徴を理解して実際に多くのHSCの子ども達を支援している先生が望ましいでしょう。

・HSC気質だから学校に復帰しない方がいいということではない

確かに学校などの集団生活の場では、敏感になる機会は多くなります。だからといってフリースクールや家にずっといる方がいいかと言えばそうではありません。

小学生に関していえば、フリースクールは中学生が多く人数が少ないです。そこに行くことで同じ学年との関りが減り、学習面でも一緒に学ぶ機会は少なくなってしまいます。

何よりフリースクール行くことを望まない子が多いです。家にいれば確かに刺激は少なく落ち着くかも知れません。

しかし刺激を避けて通るだけがその子にとっていいとは限りません。これからの将来、その子がHSCの気質と向き合っていけるように成長させてあげることが大切です。

何よりHSC気質の子ども達も本当は学校に行きたいのです。

HSCは病気や発達障害ではない

HSCは病気や発達障害と思われがちですが、どちらとも違います。HSCは持って生まれた「気質」であり、基本的に変えられるものではありません。

最重要

育て方が悪かったのかと落ち込んだり、自分を責めたりしないでください。確かに育てにくいと感じ事はあると思います。しかし、それもその子の個性であると受け止めてその子の特徴を理解し、その子の良さとして伸ばしてあげられるようにしましょう。

HSCと発達障害の違い

発達障害 不登校

ASD(自閉症スペクトラム)との違い

HSCは発達障害と勘違いされることが多いですが、発達障害は先天的な脳の機能障害であり、HSCは、持って生まれた気質です。似ているようで大きく違います。

ASDとの違いに関しては、ASDの子は話すことが好きな子が多いですが、話の間を理解するのが苦手で一方的に話すことが多かったり、相手の話を瞬時に理解できなかったりします。

また、自分の興味のある話をずっと話す傾向があり、場の空気を読むことや相手の気持ちを読むことが苦手です。

その場の空気や相手の気持ちに敏感に反応してしまうHSCの傾向とはこの点が大きく異なります。

ADHD(注意欠陥・多動性障害)との違い

ADHDの子は、いろいろなことに興味を持つと次々にそちらに気を取られてもとの落ち着いた状態に戻るのが難しい傾向にあります。1つのことに集中できないともいえます。

HSCの子は、外部の刺激や変化に敏感に反応してしまうために落ち着かないだけであって、落ち着いた環境であれば1日中絵を書くことができるなど集中力はむしろあります。

その点が大きく異なります。

上野
上野
HSCについて詳しく書かせていただきました。今回は専門的な内容も多いので私がまとめます。 
まとめ
  • HSCは、まず特徴を理解し、自分の子がHSC気質なのかを把握しましょう。わからなければ専門家に相談しましょう。
  • HSCは、親御さんも安定した状態でお子さんと接することが大切です。HSCの専門家は少ないですが、よく理解している先生と共に一緒に成長していきましょう。
  • HSCは、不登校になりやすい傾向はありますが、学校復帰をしないほうがいいわけではありません。HSCの子も感受性が強いだけで本当は学校に行きたいのです。
  • HSCは、病気や発達障害ではありません。持って生まれた気質なので、その特徴をしっかり理解して個性として認めてあげしっかりよい面を伸ばしてあげましょう。
ハルさん
ハルさん

HSCについて私も勉強になりました。自分の子がHSCの気質があるかまずは特徴を理解して把握したいと思います。ありがとうございました。

上野
上野
HSCは、これからさらに注目されていくと思います。新しい情報もどんどん追加してきますね。
ハルさん
ハルさん

よろしくお願いします。

上野
上野
では、また別の記事でお会いしましょう。

参考 [the Highly Sensitive Child]「ひといちばい敏感な子」エイレン・N・アーロン 著

参考 「今、子どもの不登校で悩んでいるあなたへ」 上野 剛 著

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上野 剛
上野 剛
不登校の最新の復学支援システムを構築した不登校支援の専門家。新書「今、子どもの不登校で悩んでいるあなたへ」2019年4月 出版